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2024.08.28

ブログまふぃん錦ヶ丘

8月 園長のつぶやき(錦ヶ丘)

「せめてもの、おもてなしをしよう」

先日、放課後等デイサービスを利用する子からこんな発言が飛び出しました。

夏休みも終盤、上之園のまふぃんの子ども達が錦ヶ丘に交流会として遊びにくることが急遽決まり、大人も子どもも大慌てで準備を進めていた時のことでした。

上之園の子ども達が来るのは一週間後。毎日同じ子ども達が利用しているわけではない放課後等デイサービスのクラスで、お迎えの準備をするにはこの日しかありません。

 

準備期間も少ないことから、今回は大人主体で交流会を進めて次は子ども達に任せてみる、それでいいんじゃないかな、と職員間では話をしていました。

子ども達に、来週上之園の子どもたちが遊びに来ることを伝えると「私が電話で詳しいことを聞いてみる」と立候補してくれた子、それを「手伝うよ」と言ってくれた子、大人主体で進めようと話していた計画がどんでん返しです。交流会の日までこの子達がまふぃんを利用するのは別々の日に1回ずつと、せっかくやる気になってくれたのに準備をするには条件が悪すぎます。しかし、大人の心配はよそにてきぱきと行動を起こす子ども達。一人の子が上之園に確認の電話をして、もう一人の子がそれを聞き取って紙にまとめていました。そこからは、自分たちで短い期間にできることをどんどん出し合って計画を立てます。

「大丈夫?できそう?」と声をかけると、

「せっかく来てくれるんじゃん。せめてもの、おもてなしをしようよ!」

この言葉に、ドキッとさせられました。

もう時間がない、子ども達には任せられないかも、大人がやった方が早くていい交流会ができるかも、そう考えていた私達は反省です。自分たちの力で何とかしようとする子ども達の学びの瞬間を潰してしまうところでした。

日頃から法人内での大人とのやり取りや、どんな小さなことでも自分たちで計画を立てて実行することをたくさん経験している子ども達にとっては、何かするには自分たちで行動するということは当たり前の流れだったようです。もちろんそこには大人の協力や支援が必要になってくることもあります。子どもたち一人一人の課題を明確にし、どんな力をつけて欲しいのかどんな支援が必要なのか、小さな計画や活動一つにも意図があり目的があります。せめてものおもてなしをしてあげたいと、相手のことを考え、自分たちに今できることは何かを考え、計画を立ててくれている子ども達。その姿に、日ごろの支援の効果と成長、そしてこれから先の人生を自分で切り開いていく底力を感じました。

準備を進めていく中で、名前が分からないからネームがあった方がいいかもね、という話が出ました。すると、「もう時間がないからそれは自分たちで作ってきてもらおう!」というなんとも合理的で大胆で斬新な、おもてなし?アイディアも飛び出しています。

しかし、残念なことに・・

台風接近のため、交流会は中止になってしまいました。最後まで楽しみながら、せめてものおもてなしを考えてくれていた子が上之園に確認の電話をして中止になったとこを聞くと、涙がポロリ。頑張ってたもんね、楽しみにしてたもんね。

1年前のこの子は、誰かの後ろに隠れていつも自信がなさそうでした。それが今では、やってみる!とドキドキしながらも、みんなの前に立っています。

そんなこの子が見せてくれたメモ。

なんかおもしろいことをしてみる。

 

前向きな言葉。素晴らしい!

「なんかおもしろいこと」、いっぱい考えよう。失敗してもいいよ、間違ってもいいよ、どうしたらいいのか一緒に考えていこう。私達は子ども達の全力応援団ですね!

子ども達に任せてみる。なかなか面白いです。

 

まふぃん錦ヶ丘

吉村佳代

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