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2024.09.26

ブログまふぃん(上之園)

みんなで納得!やる気満々の話し合い。

「お化け屋敷をしよう!」

夏休み、とある曜日の放課後等デイサービスの子どもたちが決めたイベントです。

台風の影響で現在「いったん中止…」となっていますが、夏休みが明けた後も「お化け屋敷、台風で中止になったよね!じゃあ、いつする?」「したいよね!」とやる気満々の様子です。誰一人として、「お化け屋敷したくないよ」と言う人はいません。子どもたち全員が、ここまでやる気満々なのには理由があると思っています。

 

それは…子どもたち、みんなが「お化け屋敷やろう!」と気持ちを団結させたから!

あれをしたい、これをしたいと各々の気持ちが違っていた子ども達……みんなばらばらの方を向いていたスタートから、よくここまで皆で納得して、気持ちが揃ったなあ~とうれしく思っています。

 

 

「夏休み、楽しいことをしよう」

7月、夏休みの前の週。子どもたちに、話を振りました。

「夏休みの最後の週、楽しいことをしよう。ただし、みんなが”それにしよう”って頷けるものにしようね」

そんな風に話をすると、みんな……てんでばらばら。アイスを作りたい人、お化け屋敷をしたい人…。

自分のアイディアを全力で押す人もいれば、静かに状況を見守っている人…とにかく反対する人…なかなか、まとまりそうにありません。

しかし、この状況も予想の内でした。

 

この話し合いをするにあたって、事前に大人の間で「子どもの話し合い」について話し合いをしました。

まずは、子ども達が一致団結してお楽しみイベントを進めて欲しい!ということ。

そのためには、子ども達が自分で考え、お互いの意見を聞いてまとめていくことが必要…。大人が主導すれば、すぐにまとまるだろうけれど…それじゃあきっと、子ども達が真に一致団結することは無いだろう、という話になりました。

そこで、大人がするサポートは

①最初の話し合いは「みんなで納得して決める事」と言う条件を出した後は、あまり口出しせず一歩下がって見守ろう!

②議題に関係ない話や相手の意見を全く聞いていない様子の時だけは、大人から声をかけよう!

という二点に決めました。

子ども達に話し合いを任せてみると、30分は一生懸命話し合いをしていました。ところが、やっぱりこの日はまとまりませんでした。

このままじゃ、きっとまとまらないぞ…!見守っていた私と、もう一人の職員はアセアセ…。

 

現状を大人たちで再確認し、どう対応するか話し合いました。私自身は「「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法」という本を参考にすることにしました。

この本の中に、「メンバーが当事者意識を持てるような問いかけが大切」とあります。今はまだ、自分の考えを伝えっぱなしになったり、自分の考えを言えずにいる子ども達。大人からのサポートをもう少し増やすことが必要なのでは…と思いました。

 

そこで、翌週の話し合いでは、大人が「問いかけ」をすることにしました。

「お化け屋敷か、アイスクリームかで意見が分かれてるね。それぞれ、どうしてこっちが良いと思ってるのか伝えてみよう」

その問いかけをきっかけに、自分の考えを言い張るだけではなく「お化け屋敷は暗いから怖い、だから作りたくない」と伝えてくれる子がいました。

それを聞いて、「懐中電灯、使ったらいいんじゃない」と意見が出ました。それを聞いて「明るいと怖くなくなるんじゃない」と言う子、「明るくても、怖いBGM流したら怖くなるよ」と言う子…。問いかけをきっかけに、お互いの考えを聞いて、盛んに意見を交わしあうことができました。そんな雰囲気になると、前回は黙って様子を伺っていた子も、怖いBGM選びの係をする…と立候補したり、じゃあ私は道に転がってる役をしようかな…と言い始めました。

どんどん話が弾み、全員一致で「お化け屋敷をしよう!」ということに決まりました。楽しい雰囲気になっているので、その後続いた何を作るか、どんな風にしようかと言う話し合いもお互いの意見を聞き、「それいいねー!」と盛んに話し合うようになりました。

 

「話し合い」の大切さ

小学校や幼稚園でも、話し合いの時間や、友達と協力して取り組む時間が増えています。とはいっても、まふぃんに来ている子どもたちは、その話し合いがいろんな理由で苦手な子もいます。実際、訪問支援に行った際に友達に意見を伝えるのを遠慮したり、いらいらした表情で大声で意見を言ったりする様子がありました。まふぃんで、みんなで話し合いをし、みんなで納得して取り組む経験をたくさん積んで欲しいと思います。

 

今回の話し合いは、まだまだ子ども達だけで話し合いをすすめていくことは難しいでした。問いかけが必要なのはもちろん、楽しさからテーマからそれてしまったり、自分の意見に「そうじゃなくてさ…」と言われた時に「なんで?」と悲しくなる子もいました。そんな時は、職員がそっとサポートしてきました。また、テーマが大きいだけに話し合いの決着が付いても、後からイメージの食い違いが出て更に話し合う必要が出てきたり、計画まで立てるのは難しかったり、夢が膨らみに膨らんで技術が追い付かない様子も見られました。今後は、小さなテーマの話し合いを行ったり、話し合いのルールを決めて話し合いをしたりと、子どもたちの現在の様子に合わせた話し合いを積み重ねていきたいと思います。

子ども達のパワーのみで「一致団結!みんなで納得!」できる姿を目指すために、まふぃんの大人たちも日々話し合っていきます。

 

まふぃん

櫻田

 

(参考:中原淳「「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法」,PHPビジネス新書,2022年)

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