「ドクン、ドクン、ドクン」。自分の心臓の音が聞こえるってこういうことなんだな…。目の前に並ぶ子どもたちを見ると、より一層緊張が高まっていきます。今日は待ちに待ったデビューの日。私が児童発達支援の子どもたちの療育のリーダーを務めます。

まふぃんではその日の活動をリーダー職員が進行し、サブ職員2名がサポートします。4月に入職した私はまずサブとしてスタート。まふぃんならではの療育を学んでからいよいよリーダーデビューとなりました。先ほど「まふぃんならではの療育」と書きましたが、ここでの療育は今まで私が思っていた療育とはまったく違うものでした。子どもが落ち着いて過ごせるように大人が環境を整えるのではなく、どこに行っても子どもが自分の力でその環境に合わせることができるようになることを目指しています。なので穏やかに何事もなく活動が終わるのでは不十分。活動中は子どもの気持ちが乱れて怒ったり泣いたりもしますが、そこから気持ちを立て直して活動に戻れる、気持ちの切り替えができたという自信に繋げる、それを1日の療育の目標としています。

感情の揺さぶりについてはこれだけではありません。一人遊びがメインだった子が、場や道具を他者と共有できるようになって「友達と一緒に遊ぶって楽しい！」とか、苦手な運動遊びに挑戦して「できるようになったぞ！」、人と話をすることが苦手な子が「頑張って自分の気持ちを伝えられた！　私にもできる！」等など、ワクワクするような感情についてもいっぱいいっぱい体験してもらえるよう努めています。

未就学児がまふぃんで過ごす時間は1日に1時間程ですが、そこで子どもたちが変わる姿を見ると本当に驚きます。そして限られた時間内に子どもたちが成長できるような仕掛けを用意するために、職員はみんなで作戦を練る毎日です。

私のデビュー戦は、先輩職員のフォローもあり無事に終了しました。サブだけをしていたときにはわからなかった視点にも気付くことができました。でも一番印象に残っているのは、リーダーをまっすぐに見つめる子どもたちの目です。「つぎは　なにかな？」。そんな声が聞こえてきそうなキラキラした目。そんな目を見てしまったら私も思います。

「次は、何をしよう？！！」

まふぃん

上薗