やり取り ~絵本を通して~

 

やり取り 

~絵本を通して~

 

暑さの中にも朝晩は少し涼しさを感じられるようになってきました。食べ物の美味しい季節が近づいてきましたね。今年の秋は何を食べようかな?と楽しみにしています😁

 

活動を終えお迎えを待っている時間の出来事です。

「どこだぁ?どこだぁ?」「どこだぁ?どこだぁ?」

という声が聞こえてきました。どうしたのかな?と思いふと見ると3歳のA君が絵本を広げて職員に言っているところでした。

「ここだぁ、いたね。」と答えると

『にっこり』

そして次のページをめくり「どこだぁ?どこだぁ?」「ここだぁ、いたね」としばらくやり取りを楽しみました。

 

絵本は、五味太郎さんの『きんぎょが にげた』です。

子どもたちの大好きな絵本のひとつです。

どのようなお話かというと…

金魚が1匹、金魚鉢からにげだしました。どこに逃げたかな?

あっ!カーテンの水玉模様の中に隠れていた!見つけた!と思ったら、また逃げ出してしまいます。今度は植木鉢の中の花のふりをしたり、キャンディの瓶の中、盛りつけたイチゴの上、見つけた!と思ったら部屋の中を自由に逃げ、上手に隠れます。ページをめくるたびに逃げたきんぎょが、どこかに隠れています。そして最後は…金魚鉢の中へ。

というお話です。

読み聞かせでこの本を読むと、「ここ!」と指さしながら目を輝かせ、身を乗り出して見ています。時には思わず席を立ち職員が読んでいる所まで来て指さすことも😃

 

さて、先ほどのお話に戻りますね。降園前絵本を見たり、読んでもらいながらお迎えが来るのを待っています。

その時に3歳のA君が手にしていたのが『きんぎょが にげた』の絵本です。まだ文字は読めませんが、家庭や、まふぃんで読んでもらっていたのでどのような内容なのか覚えていたようで「どこだぁ?どこだぁ?」と自分なりに読み友だちが

「ここにいた!」と絵本を通して言葉のやり取りをする事を楽しんでいたのです。始めは職員とA君とのやり取りでしたが、その様子を見ていた4歳の2人のお友だちがA君の近くに来て一緒にやり取りを始めました。

 

A君が「どこだぁ?どこだぁ?」と読むと「ここ!」と指でさしたり、手で押さえます。

押さえる時にも優しく押さえ力のコントロールしているのですよ。

子どもなりに考えているのですね。

また、次のページをめくり繰り返し、やり取りを楽しみます。A君もお友だちが「ここ!」

と言うまで待っています。

 

 

いつもは〝自分が!〞という思いが強い事もあるA君。でも今日は友だちが「ここ!」と言うまで次のページをめくることもなく待つ事ができていました。

自分だけの世界で絵本を読み進め楽しむのではなく、しっかりと友だちの反応や答えを待つ事が出来たことが大きな成長なのです。

 

この、「どこだぁ?」「ここ!」たったこれだけのやり取りでしたが、このようなやり取りを通して人と気持ちを通わせたり、一緒に見て、やり取りをすることが「楽しい」ということを学び、経験し人の気持ちを理解する事にも繋がっていくのです。

そのような事を経験しながら相手の話を聞こうとする意欲や態度も育っていくのです。

 

いつもはそれぞれで見たり、職員に読んでという事が多いですが、子どもたち同士でやり取りをしながら同じ絵本を見る。気持ちが通い合っているなと感じた光景でした。

 

子どもの頃に読んでもらったり、好きだった絵本、思い出の絵本…

みなさん何がありますか?

ちなみに私は『ぐりとぐら』『からすのパンやさん』『100万回生きたねこ』です☺

 

今回の『きんぎょがにげた』の絵本も子どもたちにとって思い出の一冊になったらなと思います。

 

 

まふぃん上之園

寺田