卒業

高校3年生のAさん。先月満18歳の誕生日を迎え、まふぃんを卒業することとなりました。4月から就労に移行し、社会人です。子どもから大人へ成長していくAさんから多くのことを学びました。“私たちにできる支援は何か”、常に問いかけながら関わってきた7年間でした。

今回は、Aさんの成長過程や、Aさんを見送った子どもたちの様子を紹介したいと思います。(保護者に許可はいただいています)

学童期

小学校高学年だったAさん。仲の良い友達がいて、外遊びが大好き。恥ずかしがりやな一面はありましたが、職員とも話をしていました。漢字の宿題をこつこつ取り組む頑張り屋さんでした。お出かけで市電やバスに乗り、公共の場へ出かける経験をしたり、遊びを通して友達との関わりを深めたりすることをメインに支援を行いました。

 

中学時代~高校、利用終了まで

仲良しの友達が利用終了してしまったこともあり、人と話す機会が減ってきました。Aさんの気持ちを引き出すにはどうしたらよいか、試行錯誤・・・表情や動きをよく見たり、筆談で会話をしたり。対人面の関わり(集団、地域)と本人の強みを生かし自信をつけることに重点を置きながら支援しました。

・ナガヤ交流・・・訪問のマナー、子ども食堂での外食体験

・直接体験・・・・乗り物の料金の支払い、一人での買い物体験

・強みを伸ばす・・絵を書くことが好き。お礼状やポスター書き。

恥ずかしがりやなAさんを周りの子どもたちも優しく受け入れる雰囲気も生まれました。同じ学校に通う下級生のB君、「Aさん、一緒にトランプしよう」と声掛けし、カードゲームなどをしました。好きなことだけを伸ばすのではなく、みんなの輪の中に入って参加することが、Aさんにとって必要な支援だと考えました。

 

高校生になると、社会人として必要な力をつけるための支援に重点を置きました。

・コミュニケーション力(挨拶・職員室の入り方・報告の仕方)を高める

・料理、後始末などの生活経験

・パソコン入力の体験

お米を洗ったり、昼食のおかず作りをしたり、一人でレジで買い物をしたり・・・。何度も経験をすることで、野菜の切り方、後始末の仕方の見通しが持てるようになり、職員が細かく指示しなくてもできるようになりました。また、困った事はないか、時折個別で関わりを持ちながら、相談することの大切さを伝えていきました。

 

Aさんとの関わりを通して、社会性(人との関わり)を伸ばすための体験的な活動や、継続の大切さを実感。

また、Aさんのありのままの姿を受け止めることで「~させたい」の押しつけではなく、「~をするためにはどんなことが必要か」という寄り添いの視点での支援が大切なことを知りました。

安心していられる雰囲気作りや環境、本人の強みを伸ばすこと等々、たくさんの学びがありました。感謝の思いでいっぱいです。

 

お別れの日

いよいよ利用終了日。Aさん以外の子どもたちはお礼のメッセージを書きました。

「Aさんはどうしてまふぃんをやめるの?」

「あのね、Aさんは4月から仕事に行くからだよ。まふぃん、卒業なんだよ」

 

一人一人がAさんにお礼の言葉を言ってくれました。

 

「Aさん、今までありがとうございました。

Aさんの作ってくれた料理はおいしかったです。

お仕事、がんばってください」

自分の言葉で伝える子どもたち。

「Aさん、本当にありがとう」

 

Aさんからは、得意のイラストを生かした手作りカタカナカードのプレゼント。

卒業までの1か月間、パソコンで文字を入力し、イラストを描いて仕上げました。皆で遊んでもらえるといいな、の願いがこもっています。

Aさん、まふぃんでの時間はどうでしたか?

私たちは力になれましたか?

これからいろんなことがあるでしょう。

いつでも相談に来てくださいね。

元気な顔を見せに来てくださいね。

私たちはAさんを心から応援しています!!

 

卒業、おめでとうございます。

 

文責:まふぃん上之園 末吉