児童発達支援で積み木遊びをしました。年中・年長中心のクラスでは、友達との関わりを深めるために、個々の遊びだけでなく、チームで取り組んだり、競争をしたりしています。自分と友達のやりたい事が違い、うまくできない場面もありますが、その失敗を経て「次はどうやったら積めるだろうか…」と考え、少しずつ協力できるようになります。今回は、相手に合わせるのが苦手なAさんが、友達と協力できた！時の様子を紹介します。

 

どうやったら高く積める？

２～３人のチームに分かれ、積み木を高く積む競争を行いました。

ルールは、みんなで1つのタワーを作ること。

 

よーい、スタート！

と同時に、急いで高く積み始めました。

崩れないように、落ちないように…。

どの子も真剣に積んでいます。

しかし、よく見てみると…。

1人1人作っているので、あちらこちらにタワーが出来上がっていました。

さあ、大変です！！

これに気付いたのは年長の子どもたち。

「こっちに合体させてよ！」

と提案していますが、お互い自分のタワーを残したいので、なかなか合体させようとしません。

自分のタワーの上に積み木を乗せてよ！と主張するばかりです。

そうこうしているうちに、時間終了。

結果はもちろん負け・・。

「○○ちゃんが自分の所に積まなかったのが悪い！」

「そっちが悪いよ」

と、お互いにらみ合って悔しそうです。

さて、２回目はどうなるでしょうか。

 

次のゲームが始まると、また自分の所に積み始めました。

やっぱり自分のタワーを残したいので、お互いなかなか譲りたくないようです。

「このままだと負けてしまうけど、それでもいいの？」と聞くと、

「それは嫌だ！」

と首を横に振るＡさん。

誰かが譲らないと１つのタワーが完成しないというのは頭の中で分かっています。

でも、自分の積み木は使いたいので、相手が譲るのをしばらく待ち続けます。

 

そうしていると、残り時間が少なくなってきました。

1人1人タワーを作っているので、このままでは負けてしまいます…。

さっきと同じように負けたくない。絶対に勝ちたい！Aさんは自分のタワーをそーっと相手の所に持って行き、一緒に作り始めました。

時間が少ないので慌てて作っています。

結果は・・なんとAさんのチームだけ１つのタワーを作る事ができました。

勝ったのが嬉しくて「やったー」と立ち上がって喜ぶＡさん。友達や職員とハイタッチをして喜んでいました。

 

普段は、自分の主張が通らないと怒ったり、相手に譲ることが苦手なAさん。

チーム戦では、自分のやり方を押し通してしまう事が多く、友達と言い合いになってしまう事もしばしば。

そんなAさんが今回、相手に合わせる事ができたので、とても嬉しかったです！

 

まふぃんでは『相手に合わせる』『友達と協力する』事をねらいにした活動をよく行っています。

学校や社会に出ると、人と一緒に行動しないといけない場面が増えてきます。

自分の意見をしっかりと持つことはとっても大事です。でもそこにちょっとだけ相手に合わせる気持ちや意見を聞いてみようかな、一緒にやってみようかなという気持ちがあるとお互い過ごしやすいですよね。

 

楽しい活動の中で協力しないといけないような場面を意図的に作り、子ども達自身が相手に合わせたり協力できるように、これからも支援していきたいと思います。

まふぃん錦ヶ丘　亀澤