今年度に入って中高生になった子が多くなり、買い物や子ども食堂の手伝いなど、今までよりもっと活動の幅を広げていきたいなと大人も子どもも意気込んでいるところです。

日頃からの生活や、ねらいを持った活動を通して成長をしていく子ども達。

今回は、小学生から利用し私たちも支援してきた高校生のAさんの成長をお伝えしたいと思います。

【話し合いの中で】～今日のおやつはクッキング🎵～

先日、パンケーキの材料を買うため話し合いを行いました。

Aさんと一緒に買い物に行くメンバーをもう１人決める際、小学生２名が「自分が一緒に行きたい！」と互いに譲れず、解決できない一面がありました。おやつを作って食べる時間を逆算すると、買い物前の話し合いに時間を割くことはできません。Aさんは話し合いが進まない状況にどうやら困惑しているようでした。

以前は「思い通りにならないこと」や「周囲と意見が合わない」ことがあると、頭を抱え塞ぎ込みむ一面がありました。職員が「どうする？」と声をかければかけるほど、顔を伏せて頑なな姿勢を取り、なかなか自分の主張を伝えたり、周囲に合わせたりするのが苦手でした。

以前の姿を知っていた私は「この状況をどのように解決するか？」としばらく様子を見守りました。

解決しない話し合いに、困り顔だったAさんが二人に声をかけ、再び話し合い始めました。

買い物はきっとまた機会があることなどを伝えながら、二人の話に根気強く耳を傾け、落ち着いた口調で話し合いを進めていきます。話し合いを続ける中で「今回は○○君が行って、次は○○さんが行くのはどう？」と提案したことで「じゃあ○○さんが行っていいよ。次は僕ね！」ということになり、二人とも納得した上で決めることができました。

まふぃんでは、子ども達が話し合いを通じて問題解決ができるように支援しています。

大人が決めたことに沿って行動すれば、大体のことは問題なく進んでいきます。しかし、まふぃんに来ている子達には、自分達のことは自分達で決める・行動する＝主体的に行動してほしいと思いっています。

自分達が関わることだからこそ、自分達で話し合いや意見の衝突も経験し、お互いに納得のいく形で物事に取り組むことで、人の意見や協力して行うことの大切さに気付くこともできます。

「今度の地域の人との交流会はどういう流れで行う？」

「まふぃんで作った野菜を美味しく食べるにはどんな調理の仕方がある？」

など、題材はその時によって変わりますが、まずはやりたい事を自由に話し合います。

意見が一致しない時には、どうしたらみんなが納得できるかを考え、上手くまとまったら「必要な物は何？」「買い物は誰が行く？」など次の展開を話し合い、どうやったら上手く行くか・達成できるかを考え問題を解決する力を養っていきます。

・自分の意見を発信するだけでなく相手の意見にも耳を傾ける

・思い通りにいかない場面でも解決策を見つける

・司会などを経験し、周囲の意見を尊重したり調整したりする

といったことを繰り返し行っていく中で、Aさんは自分の意見を伝え、時には思い通りにならない事も経験しながら相手の意見やペースにも合わせることができるようになっていました。

高校生のAさんは、これからさらに就職等に向けて精力的に学習や実習などに励んでいきます。

基本的な挨拶や振る舞いだけではなく、慣れない実習先で初めて会う人と連携を図る、細かな工程の作業に取り組み、分からない時は相談や報告をするなど、今までよりも将来を見据えたスキルが求められます。その時にAさんが困らないように、地域での活動やお手伝いに取り組んで、慣れない人とも協力する、自分一人ではできないことや分からないことがある時は相談して解決できるように、伝え方や接し方をロールプレイで確認して実践していくなどの支援を行っていきたいと思います。

まふぃんでは、保護者の方々の連絡や相談はもちろん、学校の先生方とも連携し、一番自分らしく、かつ、自分自身の力でやりたいことをチャレンジしていける力が身についていくように今後もサポートを続けていきたいと思います。

まふぃん　今屋