6月10日に来年度就学を迎える児童の保護者を対象として、就学教育相談についての保護者説明会を実施しました。

就学先といっても、通常の学級・通級指導教室・特別支援学級・特別支援学校と分かれており、特に第一子が就学を迎えるというご家庭では、各学校や学級がどのような支援をしているのかや就学教育相談を受けるにはどうしたらいいかなど、分からないことも多々あると思います。

今回の説明会の内容を聞いていただくことで、就学先を選択する上での疑問や不安を解消し、子どもや保護者が納得・安心して就学を迎えてほしいという思いから、まふぃんでは毎年実施しています。

就学教育相談とは？

今回講師としてお越しいただいた鹿児島市教育委員会　学校教育課指導主事の小城氏からは、就学教育相談が何を目的にしているのかを中心にお話がありました。

就学教育相談とは、子どもがよりよい教育を受けるために、保護者が心理や教育の専門家に相談し、その子にあった就学先を一緒に考える会のことです。

例年、8月～10月頃実施される就学教育相談ですが、実際に各個人で設けられる時間は20分程度とあまり長くありません。短い時間の中でその子の就学先の検討を進めていくので、事前に家庭・通園先・療育施設が情報を共有し、就学に向けての意思確認をしておくことでスムーズな相談に繋がっていくとのことでした。

しかし『就学先でどんな支援を受けられるのか分からない』という気持ちの方もいるのではないでしょうか？そういった不安をなくすためにも、実際に各学校や学級を見学し、授業中の雰囲気や支援内容、各児童に対する対応の仕方などを確認するのを是非してきてほしいというお話もありました。

就学先を決定する時に希望する学級や学校ではなかった場合のお話もありました。

例えば、「通級指導教室への通級」や「通常の学級」の判断が出た時に、特別支援学級への入級を希望しても入級することはできません。

「自閉症・情緒支援学級」に希望した場合でも、「知的支援学級への入級が望ましい」と判断された場合には、同じ特別支援学級でも障害種が異なる学級への入級はできない、ということでした。医者・大学教授・特別支援学校関係者など、15人の専門家が就学教育相談での情報を基に判断をしているので、判断結果は総合的なものとなります。

そういった意味でも、就学教育相談を迎えるまでに保護者の方と関係する職員が就学についての情報共有が大切になります。

最後の質疑応答の時間には、

「通常学級に在籍していて、年度途中で特別支援学級に変更したい場合、簡単に移動ができるのか？」という質問がありました。

まずは移動したい旨を学校に相談をした上で、就学教育相談の申し込みを行い、就学前と同様に就学教育相談を受けていく必要があるとのことでした。

逆に特別支援学級から通常の学級に移る場合は、校内委員会の判断の下、通常の学級に移ることができます。また、違う障害種に移りたい場合、もう一度就学教育相談を受けなおす必要があるようです。

さらに

「通級指導教室へ通級している間の授業は補充してもらえるか？」

という質問がありましたが、補充授業はないようです。ただし、国語や算数などではなく音楽や図工の時間を選んだり、他校への通級の場合は、保護者送迎での通級となるため午後からの時間を当てている場合もあるということでした。

いきいきと過ごすために

講話の中で小城氏が繰り返し伝えていたのが、

『子どもにベクトルが向いているか』ということ。

（※ここでいうベクトルとは、主体的に過ごすのは誰か、ということです）

“周囲の大人が進んでほしい就学先”ではなく、

大切なのは、その子自身がいきいきと活動し、達成感や喜びを感じながら過ごせる教育環境を選んであげること。

少し先の未来を想像し、「ここなら自分の力を発揮して、安心して過ごせる」と子ども自身が感じられる場所を選んであげてほしいということを話してくださいました。

最終的に就学先を決めるのは保護者の方だからこそ、学校生活を送る主人公である子ども達にベクトルを向けて考えていけるといいですね。

学校訪問を考えている方で『自分達だけで見学に行くのは不安…』と感じる方は、ぜひまふぃん職員までお声掛けください。

子ども達にとっていきいき過ごせる場はどこか、一緒に考えていきましょう。

就学教育相談担当：まふぃん　末吉・まふぃん錦ヶ丘　今屋