やりたいな ~児発運動遊び~

ご入園・ご入学やご進級など、新しい環境になり、一ヶ月が過ぎようとしています。

まふぃんも新しいクラスがスタート!

特に、年長になった児発クラスの子ども達は、小さい子たちにお手本を見せなくっちゃと、意識している様子が伝わってきて微笑ましく思います。

保育園や子ども園で頑張っている子ども達!

ご家庭では、ゆっくりと過ごす時間も必要かもしれませんね。

 

さて、まふぃんデビューしたお子様もいる2歳~年中クラスの運動遊びの様子です。

このクラスは、自分以外の友達の存在に気が付き、場所や物を共有する中で、我慢や関わり方を経験していきます。

家庭では自分一人で独占できていた物や場所も、集団の中では、ほかの子と一緒に使ったり、譲ったりしなくてはならない場面が出てきます。

そんな時に「かして」「いいよ」「いやだ」など、自分の思いを言葉で伝えられたり、ちょっとだけ我慢して譲ってあげたり、待ったりすることができようになると、友達との関係を良好に築ける力が身についていきます。

 

 

新しいクラスで活動が始まりました。

いつもは元気いっぱいのA君。

お友達を見つけるとうれしくなって、ついつい走り出し、促されることもしばしばでした。

でも、今までとちょっと違う環境や新しい友達に気がつき、はじめは静かに周りの様子を伺っています。

その場の雰囲気を感じて、空気を読むことができるようになってきたのですね。

社会性を培うためには大切なことです。

 

 

そんなことお構いなしに、積極的に行動するB君。

積極的なことは、とてもよいこと! でも友達との距離感が近すぎるとトラブルになることもあります。友達とのほどよい距離感も活動を通して身につけていきます。

 

 

また、この年代の子ども達は、自分の気持ちを言葉でうまく伝えられずに、言葉より先についつい手が出てしまうこともあります。

手が出る時には職員が止めますが、小競り合いが起きたときには、すぐにそれを止めるのではなく、危険がないように職員が見守りつつ、できるだけ子供達で解決できるようにしていきます。

小競り合いを通して、力加減や我慢を経験することも大切だと考えるからです。

 

新しい環境に不安になり、泣いてなかなか活動に参加できない「初めまして」のCちゃん。

大人でも、環境が変わると不安になるもの。経験の少ない小さな子なら、なおさらですよね。

そんな時は、無理強いはせずに、

その子の気持ちを十分に受容し、遊んでみようかなぁという気持ちになるのを待ちます。

 

「何をするのかな」

「あれあれ。なんだか楽しそうだなぁ」

子どもの集中力が高まり、やりたい気持ち全開!!

 

 

早く遊具で遊びたくも、「どうぞ」と言われるまで、やりたい気持ちを我慢して待ちます。

ついついフライングしてしまう子には、「まだだよ」と促し、我慢することや、待つことを経験していきます。

興味津々に見守っていましたが、

「どうぞ」の合図で、ひとつの遊具をみんな一緒に使うことができました。

 

人に関心を持ち、人と関わる力は、人の中で育まれるものなんだと、こんな時代だからこそ改めて考えさせられます。

 

 

子どもの成長には差があります。ぐーんとできるようになることもあれば、進んだり戻ったりしながらゆっくりゆっくり成長することもあります。

また、積極的に遊びに参加できる子もいれば、職員から離れられず、なかなか遊びの輪の中に入っていけない子もいます。

その子の特性を見極めながら、ひとりひとりの子どもにあった支援を今後も行っていきたいと思います。

どんな成長が見られるかまた楽しみですね。

 

まふぃん錦ヶ丘  田尻

積み木を高く積むにはどうすればいい? ~相手の考えを知り、協力する経験(放課後等デイサービス)~

先日、放課後等デイサービスの時間に積み木の活動を行いました。

まふぃんでは手指の巧緻性や形の概念を知ることを目的として、児童発達支援の午前クラスから活動の中に積み木を取り入れています。

また、まふぃんでは社会性(人と関わること)がとても大切だと考えているので、積み木での活動の中で人と関われるようにもしています。

この時の活動でも積み木を介して人と関われることをねらいにしていました。

では、どのような活動だったのか、ご紹介します。

 

 

その日、小学校1年生(この4月に1年生になった子ども達)から中学生と幅広い年齢の子ども達が参加していました。

最初は自由に考えて作る。

立方体や直方体、三倍体など様々な形・大きさの積み木を準備していました。

児童発達支援クラスの時から積み木に沢山触れてきた子ども達。

積み木を見た瞬間、「これを使おう」「何を作ろうかな~」と想像力が膨らみます。

発想力豊かに1人で塔や家を作る子もいれば、「一緒に作ろうよ!」と友達に声を掛け、それぞれの考えを伝え合いながら1つの物を一緒に作り上げていく子もいました。

次に行ったのは、2~3人のグループに分かれての高く積む競争。

このグループごとに積む経験も児童発達支援(午後クラス)から沢山経験してきました。

『一緒に1つの物を作り上げる。』

これは1人では出来ないことですよね。

 

「自分の考えと違うから納得がいかない」とそれぞれの考えで積んでいくと積み木の塔は高くなっていきません。

この世界に全く同じ人はいないわけですから、それぞれの考えが異なることもあります。

1つの物を一緒に作り上げる為には自分の考えを伝えるだけでなく、相手の言葉に耳を傾け、上手くいく方法を考えながら、協力することが必要となってきます。

大人として社会に出て働く時にも様々な価値観や考えを持った人がいます。

もしかしたら気が合わない人もいるかもしれません。

 

一緒に何か1つのプロジェクトをしなければならない時、「この人の考えには納得できないから、一緒には働けない」と思ってしまうと、仕事は上手くいかないですよね。

子ども時代に友達と協力する経験をすることで異なる考えがあることを知り、相手のことを知りながらより良い方法を導き出していく、力となります。

これは、子ども達が大人になった時にも生かされていく大切な経験です。

 

この時には小学校1年生と中学生のグループや男女のグループ、普段あまり関わりが無いメンバーでのグループ対抗戦でした。

高く積むことだけを考えながらどんどん積んでいくと積み木は途中でバランスを崩し、塔は崩れてしまいます。

 

「崩れないように高く積む為にはどうすれば良いか」

 

少し崩れると「じゃあ、今度はこの積み方にしてみよう」と違う積み方で積んでいきます。

「僕は高く積んでいくから、倒れないように(柱を)して。」と声を掛けたり、目線で合図を送り合ったりしながら積む姿もありました。

1年生の様子を見ながらバランスを見て積んでいくなど、お兄さん・お姉さんらしい姿もありました。

実は、この姿は最初から見られていたわけではありません。

 

児童発達支援の時には「自分のやりたいことをしたい」「自分がこれを使いたい」と自分優位に考えながら行動していた子ども達。

ですが、友達と一緒に行う活動の中で自分の思い通りにならない気持ちを経験出来るようにしてきたことで、相手がいることを知り、相手の言葉に耳を傾け、相手に思いやりの気持ちを持って行動出来るようになってきています。

 

また、以前は友達が積み木を崩してしまうと(故意ではない)、怒る姿がありました。

ですが、沢山経験してきたことで、「まあ、いっか」とすぐに気持ちを切り替えて友達に「大丈夫だよ、一緒に頑張ろう!」と優しく声を掛けられるようになった子ども達の姿があります。

 

これからも様々な活動の中で、友達と協力する経験を沢山していきます。

 

まふぃん上之園 岡部

きんかんジャム作り

春休み、まふぃん上之園の庭に植えてあるきんかんを収穫して、ジャム作りに挑戦しました。

冬から春にかけて、色づくきんかんを子どもたちは時々とっては、匂いをかいだりかじってみたりはしていましたが、それを本格的に食べる試みは初挑戦でした。

新年度のまふぃんが重視している「体験的な学び」第1弾の紹介です。

活動のねらいは、「きんかんジャム作りを通して、身の回りにあるきんかんが食べられることを知ること」です。

 

【ジャム作りの見通しを持つ】

新1年生の子どもたちも分かるように、視覚的な要素を入れて、ジャム作りの見通しを持たせました。

作る過程を説明した後、写真を当てはめていきます。

言葉とイメージが合うと見通しが持てて、活動に取り組みやすくなります。

1年生も興味を持って話を聞いたり、順番を考えたりすることができました。

 

【材料を量る】

まずは、きんかんを2グループに分けます。

新1年生に個数を数えながら分けてもらいました。

次は高学年の出番です。

きんかんの重さを量ったり、重さに対しての砂糖の量を計算する機会をもうけました。

きんかんの重さの4分の1の量を求めるには・・・

「なに算すればいいのかな???」

「割り算だ! 4で割ればいいんだ」

「割りやすくするには・・・190.8gだから、200で計算してみよう」

このように、学校で学んだ計算を実生活に使える経験を活動の中に取り入れるようにしています。

考える機会を作り、答えをすぐに教えないようにすると、子どもは一所懸命に考えます。みんなで一緒に考えるので、いろんな意見も出てきます。

自分たちの力で答えを出すことが大切なんです ♪

いいね!!と言われた子どもは満面の笑みがこぼれていました。

 

【ジャム作り】

低学年と高学年でうまく役割分担しながら作業を進めます。

職員は安全管理に配慮して、あとは子ども達の姿を見守るようにしました。

中1のA君は「こうしたら、切りやすいよ」と相手を気遣いながら切り、自信のないB君は、A君がするのをよく見て、自分の番になった時の心構えをしていました。これも、社会に出た時に必要な力になります。

下級生は種を出しました。どのようにするのかは、子ども同士のやり取りの中でコツをつかんでいきます。

コミュニケーション力を育んでいるんですね。

なんでも売っている便利な時代ですが、時間をかけて作る楽しさは、売っていません。この手間ひまの中に、人と関わり合うコミュニケーションの楽しさや食べ物に対する感謝の気持ちなどが育っていきます。とてもほっこりする時間でした。

 

【仕上げ】

ジャムらしくなるかな~???

これ、本当に美味しいのかな~???

手作りきんかんジャム。

初めてのものに躊躇する子どももいましたが、「せっかく作ったんだから、少しはつけて食べようよ」の声掛けに、味見をしてくれました。

 

【振り返りと次への挑戦】

「みんな、ジャム作り、どうでしたか?」

の問いかけに子どもたちは口をそろえて「簡単だった」と答えました。

それは、よかった!

「次はどうしますか?」

の問いかけに、「いちごジャムを作りたい」「桃ジャムもできるかも!」「パンも作りたい」などなど素敵な意見がたくさん出てきました。

ぜひやってみようよ!!

 

今回の体験的な活動を通して、子ども達のやってみたいという主体性は、生きる力の源になる、ということを感じました。

主体性に基づく活動は、子ども達が自発的に質問したり考えたりするので、自然に問題解決をする経験になります。

このような経験をたくさんしていると、できた!!という成功体験を感じ、自己肯定感(自分はできる)という自信につながります。

そして、新しい体験にも挑戦してみたいという意欲や、失敗してもどうしたらできるかな、と自分で考える自己解決能力が育っていくのではないか・・・そう思いました。

小さな体験の積み重ねと、まふぃんという小集団の中で、協力しながら一つのことを成し遂げる経験が、子ども達の生きる力の土台になると信じています。学校や社会の中で生き生きと生活してほしい、その為の力を育てるサポートを常に考えていきたい、と思います。

 

次は、桃ジャムを作りましようか!!

桃の花が今年も満開でしたよ。たくさん実るといいな~

 

文責:まふぃん上之園 末吉

新年度スタート(錦ヶ丘)


新しい年度が始まり、まふぃん錦ヶ丘も3年目を迎えました。

 

ご入園、ご入学、進級おめでとうございます。

昨日は小学校の入学式でしたね。ついこの前まで保育園生だった子が、入学式の帰りにちょっぴり大きめの制服を着てまふぃんに遊びに来てくれました。ぴかぴかの制服に真っ白な運動靴、そして期待に満ちた笑顔。「何年何組だった?」と尋ねてみると、「1年○組!」と元気いっぱい答えてくれました。お勉強も頑張って、お友達とも仲良く遊んで楽しい小学校生活を送って下さいね。

新年度になり、児発、放デイともに新しい子達を迎えてスタートしております。

 

児童発達支援


慣れない環境にまだまだ涙が出てしまう子もいます。初日は職員にずっと抱っこされて泣いていた子も回を重ねるごとに、泣いて顔を覆っていた手を少しずつ開いてお友達の様子をそっと観察してみたり・・・。職員に委ねていた体が徐々に活動の方に向いたり・・・。それぞれのペースで遊ぶタイミングを探っているようです。

 

子ども達の「遊んでみたいな」のタイミングをしっかりと感じながら、楽しく活動に参加出来るような療育を行っていきます。

 

また、未満児クラスから年中年長児のクラスへと替わった子ども達もいます。今までは友達を意識して遊ぶこと、場所や物を共有する遊びを多く行い、ちょっとだけ我慢することやちょっとだけ待つことを多く経験してきた子ども達が、就学を見据えて集中する力や周りに合わせて行動する力をつけていきます。

初めてのクラスでも年長児が見本となり、かっこいい姿を見せてくれています。

頼もしいですね。

今年度も変わらず、子ども達の「できたよ!!」と最高のどや顔を引き出せるように療育を取り組んでいきます。

 

 

放課後等デイサービス


今年度は3名の1年生を迎えてのスタートでした。

1年生を迎えるにあたり、「どんなことをしてあげよう?」と話し合いを重ね、今年度はこんなに素敵な作品が出来上がりました。

初対面の日には1人ずつメダルを首にかけてあげて

「分からないことがあったら何でも聞いて下さい。」

と、とても優しく頼もしい言葉をかけてあげることもできていました。

放課後等デイサービスの子ども達には、今年度新たなプロジェクトに挑戦してもらう予定です。プロジェクトが始動しましたらまたブログでお伝えしていきますね。

 

学校生活での「困ったな」が減っていくように、生活していく上での「楽しいな」が増えていくように、今年度もまふぃんの目指す療育「自立・自律」に向けて子ども達と一緒に過ごしていこうと思います。

 

まふぃん錦ヶ丘は、子ども達も職員も元気いっぱい成長していきます。

保護者の皆様もご不明な点、相談等がありましたらいつでも職員にお声かけ下さい。

どうぞよろしくお願いします。

まふぃん錦ヶ丘の仲間、金魚の「ちちよ」も3年目。

「ちちよ」のお話はこちらから・・・

 

まふぃん錦ヶ丘

児童発達支援管理責任者 吉村

 

 

気持ちのぶつかり合い ~いいよが言えるまで~

気持ちのぶつかり合い 

~いいよが言えるまで~

 

1月から児童発達支援の午前クラスの子ども達を午後クラスに変更しました。

午後クラスには3歳児から年長さんまで様々な年齢の子ども達が参加します。

その中で「自分の思い通りにならない経験」「物を譲る経験」など縦割りだからこそ実現できる経験値が増えてきます。

今回はその様なやりとりの中で子ども達の葛藤と問題の解決に向け、どの様な行動の変化があったのかご紹介致します。

 

 

自分の使いたい物があると、お友だちに強く要求してしまう

3歳頃の子ども達。欲しい物は、何でも〝自分の物にしたい〞

という気持ちが強くなるので、物の取り合いやぶつかり合いが

増えてきます。

〝自我の拡大期〞にあるこの年齢のぶつかり合い。

『主張する経験、主張が通らない経験』

どちらの経験も大切になってきます。

※自我の拡大

自分が一番で、自分が中心に回る時期。

 

この日、6歳のB君の使っている積み木が欲しくなった

3歳のA君。

「貸して!」と言えたのですが、「ダメ」と断られてしまいました。

ですが、どうしても欲しいので、積み木に手を伸ばし引っ張ったり

「貸して!」「ちょうだい!」と言いながらB君を追いかけたり、

涙で訴えたり・・・

A君なりに、貸して貰えるにはどうすればいいのか、

色々な方法を考え試していました。

それでも貸して貰えず・・

地団太を踏み訴えていましたが、

とうとう座り込んで泣き出してしまいました。

 

このような時に、「小さい友だちに貸してあげようね」や

「友だちが使っているのを欲しがったらダメだよ」「我慢しなさい」

と声を掛ける事は、まふぃんではありません。

何故かというと、取り合いやぶつかり合いを通して

〝自分の思いを伝える〞〝相手にも自分と同じように使いたい〞

という気持ちがある事に『気付く』『考える』チャンスになる

『大切な経験』と考えているからです。

 

この日、取り合いの中でB君に変化が起こりました。

泣いて座り込んでいるA君を見つめるB君。

〝あっ、泣いちゃた〞〝どうしよう・・〞

〝でも、僕が使っていたし、まだ遊びたいし〞

など、B君の心の声が聞こえてきそうです。

 

この時にも、私たちは何も言わず見守ります。

さあ、B君どうするのかな・・・

 

しばらく考えたB君。

持っていた積み木を「いいよ」と渡す姿がありました。

「僕も使いたいけど、我慢しよう」と相手の事を思い遣れた瞬間でした。

 

取り合いを通して〝相手の気持ちに気が付き、

相手が泣いた顔を見て〝悲しい気持ちになる〞

その中で、『我慢する気持ち』『譲り合う事』

学び行動に移せたのでしょう。

 

さて、2~3歳頃の子ども達は、自分の物と他人の物の区別が

まだ育ち切っていません。

目に付いて気になった物は、全部自分の物!

「貸して」と言いながら、もう手が出て伸びています。

〝遊びたい!〞〝興味も持ったら手に取りたい〞

この時期は当たり前の姿です。

 

その中で「使いたい!」「貸して!」と

自己主張をぶつけ合う。

どんなに主張しても自分の思いが通らない事もあると気づいたり

『我慢する事』を学ぶ大切な経験となります。

このような経験を繰り返し、自分の気持ちに折り合いをつけ、

友だちとの関わり方を少しづつ学んで、成長していきます。

 

 

小さい子の場合は、人との関わりを広げようと踏み出した

『証』。成長にはなくてはならない大切な経験です

 

 

まふぃん上之園

寺田