お知らせ
2023.10.31
ブログまふぃん(上之園)
施設長通信 10月
放課後等デイサービスでは、今年度数名の子どもが支援の必要性がなくなり利用を終了します。社会で生活していく上で困らないよう、他者と協力しながら生活していけるよう、そして自分自身を大切にしていける心の余裕と、自信を持つために育つように支援してきました。
自分自身を大切にするということは、生活を整えたり、気持ちをコントロールできたりすることもありますが、自分に自信を持つ事もその一つです。加藤諦三さんの著書「子どもを伸ばすアメリカンインディアンの教え」の中に『人に認めてもらえる中で育った子は自分を大事にします』という一節があります。ここでいう人に認められるということは、頑張ったことを「頑張ったね!」と認めてもらうことです。また結果や、その結果に至るまでの道のりも同じことです。そのためにまふぃんでできる事は、目標を設定しチャレンジできる機会を準備してあげること。子どもが失敗しないように、困らないように準備してあげすぎることはせず、自分たちで考え・行動ができるようにと支援しています。
まふぃんでは放課後等デイサービスの子どもたちがお手伝い活動をしています。それは、普段、叱られることが多く自信が持てない子どもや、頼られる経験が少ない子どもたちが、「やってみよう」「努力してみよう」とする姿勢を認められ、目標を達成するためにあきらめずに試行錯誤する力を身につけてほしいという考えからです。
お手伝い隊には、地域の方やナガヤタワー事務局から仕事の依頼が届きます。先日は網戸掃除を依頼された中学生が、依頼者のご自宅を訪問しました。事前に網戸掃除の仕方を予習し、雑巾で縦拭き→横拭き→さらに縦拭きの順で掃除を行ったそうです。
依頼者から「網戸が見違えるように綺麗になり、夜が明けたように明るくなりました。ありがとう」と、頑張って掃除した姿を褒めてもらえた!と誇らしげに私のところまで報告に来てくれました。「自分たちになりに工夫して掃除して、みんなの頑張りで喜んでもらえたんだね!」そう伝えると、嬉しそうな表情を見せてくれました。
私が出会ったころの彼らは、「自分にはできないよ」「できるかな」と不安を口にする子たちでした。それがいろいろなお手伝いや失敗と成功から学び、今では「なんでも任せて」と言えるような姿にまでなっています。
彼らの自分たちで考えて行動した結果やプロセスを認めてあげることで、自信に繋がったと私は感じています。
そして、高学年の子どもたちがやっているお手伝いをする様子を見て、低学年の子どもたちも「自分たちもお手伝いをしてみたい」と意欲が沸いてきていたので、お手伝いについて行く機会も設けました。
11月に控えているカレー交流会は、小学生2名も企画に参加しています。まだまだ上手な話し合いとはいきませんが、意見交換が少しずつ形になってきました。交流会へ参加する方がどんな人かな?味は辛口?甘口どっち?など交流会に参加する方のことを考え意見を出してくれる子も出てきました。お年寄りだから具を小さくしたらいいんじゃないかな?そういった一人ひとりの意見から試作品を作ることにも発展しています。
最初から上手にできる子どもはなかなかいません。「できないよ」「無理だよ」と一歩踏みだせずにいた子どもたちが、活動やお手伝いを通してつけてきた自信。『これができるようになったよ』と自分自身を認めてあげることで、「これもやってみたい」「こんな風になりたい」といろんなことに意欲的に挑戦できる大人になっていってほしいと思います。
施設長 伊集院
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