卒園・卒業や、1年の締めくくりとなる3月。私も、まふぃんでの1年間の研修期間が終わろうとしています。新たな環境を目の前に不安な気持ち、楽しみな気持ち、みんなとのお別れが寂しい気持ち…いろんな気持ちがかけ巡っています。まふぃんのみんなも新たな環境を目の前にした今、どんな気持ちでいるのな？と気になる今日この頃です。

新たな環境で、新たな出会いもあるのではないでしょうか。子ども達が出会い、関わっていく人達と良好な関係を築いていけるよう「気持ちに折り合いをつける力」を育む活動も行ってきました。

「気持ちに折り合いをつける力」とは譲り合ったり、お互いに納得出来る妥協点を見つけていったりする力です。

友達との関わりの様子

気持ちに折り合いをつけることが難しい子ども達には、

・自分の意見を押し通そうとする

・物の貸し借りができない

などの姿が見られます。

折り合いがつけられない事で、友達とトラブルになったりすることもしばしば。

折り合いをつけてみんなと一緒に

今回は、〇君の様子をお伝えします。自分の意見を押し通そうとしたり、友達に受け入れてもらえず「聞いてくれないなら僕やらない！」と活動に参加することをやめてしまうことのある〇君。

これまで友達と関わりながら問題解決していく活動に取り組んできました。自分のやりたいように進め友達そっちのけで一人で進めてしまう時には、友達の意見にも耳を傾けられるように「全員で取り組む」ことをクリアの条件にしました。

友達の意見に耳を傾けられるようになってくると、今度は自分の意見との違いに折り合いがつけられず、自分の意見を通そうとする姿が見られるようになりました。〇君に思いがあるように、～ちゃんにも思いがあるんだよという事を伝えていました。

先日、ゴールまでのコースを友達と一緒に完成させることを目標に、グループで「ドミノ倒し」に取り組みました。友達と一緒に完成させる過程で意見を出し合い、譲り合ったり、妥協点を見つけたりしながら折り合いをつける力を育みます。そこで見られた〇君の様子です。

「こんな風にカーブさせてみない？」「あ、いいね～」とやり取りするグループの友達を横目に、

「いや、こうした方がいいって！」と積み木を並べ主張する〇君。

いつもであれば自分の意見を押し通し続けようとする場面でしたが、今回は違いました。

終了の時間が迫っていた事や、周りの友達も意見を曲げないと思ったのか、「よーし！～ちゃんの方法でいこう！」と言ったのです。

相手の考えを聞き入れ、自分の気持ちに折り合いをつけたからこその発言です。

みんなが納得したかたちで進め、ドミノ倒しも無事クリア！グループの友達と喜び合っていました。

その日の最終チャレンジで失敗もしましたが、「こうしとけばよかったね～」と〇君。

気持ちに折り合いをつけて取り組んだからこそ、友達と一緒に嬉しい成功を経験し、失敗した時に文句ではなく次に向けた前向きな発言が出たのだと思います。繰り返しこういった活動を行ってきたことで見えてきた変化です。

自分も、相手も、お互い良い方向に向かうには？という気持ちが持てる人は、この先社会に出た時に周りの人達と分かち合いながら良好な関係を築いていけるのではないでしょうか。

この一年まふぃんで出会ったみなさんからたくさんのことを学ばせていただきました。ありがとうございます！

人は出会いの中で自分を成長させていくと思っています。まふぃんは、子ども達がこれから出会う人達と良好な関係を築き成長し続けられるよう支援できる場所です。このお仕事に携われたことは、私にとって大きな第一歩となりました。

子どもも大人も共に成長できる、そんなまふぃんが大好きです。

高下