数えてみよう

 

本格的に梅雨の季節になりました。

雨の日は、子どもたちが嬉しそうに傘をさしてきます。

雨の日を心から楽しんでいるように思います。

一日一日が新しい体験で、何かを発見をしているのです。素敵です！

 

今日はまふぃんで大切にしている“体験的な活動”の紹介です。

(といっても、すべてが体験的な活動なのですが !)

 

「ゼリーのカップを集めました。何個あるのかな。友達と協力して答えを出してみよう。」

たくさんのものを“友達と協力して数える”ことを通して、

“学校で学んだことを日常生活にいかすこと”

がねらいです。

 

誰が早く答えを出すのか、ではなく、どんな方法でもよいので、正確に答えを出すことが大事です。

また、ゼリーのカップを複数で数えるので、数え方がバラバラになると答えを出すのも難しくなります。

どうやって友達と折り合いをつければいいのか、その力が必要です。

友達の話を聞いたり自分の意見を伝えたりすることができるでしょうか！？

 

〇　数えてみよう！

 

メンバーは、好奇心旺盛でおっちょこちょいなA君、算数が苦手なB君、機転が早くすぐに行動に出るC君の３人です。

「じゃあ、始めよう」

としっかり者のC君が早速、数え始めました。

ほかの子もつられてそれぞれが数え始めます。

みんなばらばらにこのまま進むのかな・・・と思っていた時、A君が

「作戦会議してもいい！？」

発言！！（さすが、アイディアマン！）

思わずにっこり。

「どうぞ～」

 

みんなでごそごそ意見を出しています。

そうそう、それが大事！！黙って見守ります。

C君も自分の意見だけでなく、他の子の意見を聞いて折り合いをつけているようです。

 

「じゃあ、始めるか」

どうやら１０個ずつまとめて数えることで話はまとまったようです。

算数が苦手なB君も「１０個できたよ～」と声に出しながら楽しそうに１０個の束を作っていきます。

自然と作業分担していました。

 

ずら～っと並んだゼリーカップ。

「いったい何個あるんだろうね～」

 

一人ずつ数えてもらいました。３人三様の方法で。

すると答えが３０２と２９２に分かれました。

あれれ・・・！？

 

こんな時が学びを深めるチャンスです！

またまた話し合いの時間。

１００で一まとまりを作ること、並べ方をきれいにし直すなどを経て、２９２個であることがわかりました。

やったね！！

 

その後はゼリーカップで算数の問題を作ってもらおうとしましたが、子どもたちはどんな問題を作ればいいのかちょっと困ったようでした。

ちょっと難しい問題だったようです。

 

協力して数えることにより、互いの意見を聞いたり役割分担をしたり、自分の得意なことを生かしたりすることができました。

また、

 

“実際にものを数える“

”１０のまとまり、１００のまとまりを作る“

 

具体物を使って数えたり、数と照らし合わせながら、整理整頓し、友達と話し合いながら答えを出すことができました。

算数で学んだこととも結びついたようです。

 

学校では、”おおきな数”　”１０００までの数”　”１００００以上の数”というように、勉強していきます。

まふぃんでは、学校と違い、少人数ならではでできることがあります。

 

具体物を使った体験で基本的な学習の復習になったり、自分で解けないことも友達と考えながら解決したり、自分がわからないところやつまづいている所に気づけたりすることができるのです。

数え方が分かっている子どもも、友達と協力してサポートすることを経験する機会になります。

また、たくさんの数を整理整頓してまとめ数える体験が、繰り上がり繰り下がりの計算や筆算の理解につながっていくのでしょうね。

 

体験したことが、学校の勉強で役に立ったり、学校で習ったものが日常生活で生かされたりすることはとても楽しく、自信となり、人生を豊かにしてくれます。

 

まふぃんでは、就学前の療育でも物の質感や量感を感じさせる活動を大切にしています。

新聞遊び、小麦粉粘土ではたっぷりの量で遊ぶことにより、形や重さ、質感が変わっていくのを肌で自然に感じさせるようにしています。

“頭ではなく、肌で感じる”

ことが大事です。

そんな経験をたっぷりした子どもたちは、学校で勉強している時にイメージが広がり、柔軟な対応ができるようになるのではないでしょうか。

 

子どもたちの発想や何でも吸収してしまう柔軟な能力を伸ばし、集団の中で生きる社会性も育てる活動を目指して、毎日の活動を大切にしていきたいと思います。

 

私自身も新しいことにチャレンジし、柔軟な思考の持ち主であり続けたいな～、と思っています。

まふぃん上之園　末吉