お知らせ
2024.12.18
ブログまふぃん(上之園)
主体性について
「主体性を育もう」とよく耳にします。
保育所保育指針、放課後等デイサービスガイドラインといった指針にも、主体性については必ず触れられています。
保育士として保育園で働いていた際、「主体性って大切なんだ」と感じながら子ども達と関わってきました。まふぃんで働き出してからも同じように思っていますが、改めて「主体性って何だろう」「主体性がどうして大切なのか」と考えることが最近増えてきました。
主体性とはなにか
「主体性は大切」だと思うからこそ、整理してみたいと思います。
大辞林(アプリ版)という辞書で主体性をひいてみると、「自分の意思・判断によって、自ら責任を持って行動する態度や性質」と出てきます。自分の言動に責任を持つこと、とも取れます。この力が育っていると、自信を持って物事に挑戦したり周囲の人と協力したりする中で、人生の選択肢が増えていくことが想像できます。しかし、大人でも完璧にマスターしているとは言い難い力です。
これまでの私は、「主体性」とは、自分から行動すること…というイメージを持っていましたが、その認識は不十分だったということが分かりました。とは言っても、まふぃんに来ている子どもたちの中には、そもそも「自分から行動すること」が苦手な子もいます。保育所等訪問支援で園や小学校に行くと、自信がなく消極的な様子だったり、したい事や訴えたい事はあるもののどうしたらいいのか分からない様子だったりと子ども自身が困っている現状がありました。
「主体性を持つこと」は、最終目標。まずは、「自分から行動すること」が大切だと感じました。
自分から行動する
自分から行動できるようになるために、まふぃんで行っていることを3つお伝えします。
① 安心できる場所
まふぃんが子どもたちにとって、安心できる場所であるようにしています。
不安だったり上手くいかず気持ちが崩れていたりする時、職員は必ず気持ちに寄り添い気持ちが切り替わるまで関わります。遊びに向かわせようと無理強いはしません。かと言って子ども本人はもう落ち着いているのに、ずっとそばに居続けるということもしません。その子の表情を見ながら、その子自身が遊びや活動に向かう瞬間を大切にしています。
自分から遊びに行っても、上手くいかないことがあって気持ちが崩れることもあります。そんな時は、すぐに職員が気持ちを受け止めます。そしてまた、子どもが自分から遊びに向かう瞬間を作っていきます。この経験が積み重なり、子ども達にとって職員やまふぃんが安心できる場所になります。まずは安心できることが、自分から行動するための最初の一歩目です。
② やりたい!と思える
子どもたちの現状に合わせ、興味関心を引き出せるような計画を練っています。
子どもたちの中には興味はあるものの、自分からはなかなか遊びに行かない子もいます。友達がたくさんいる場所は尻込みしてしまったり、自由に遊んだ経験が少なくて遊び方が分からなかったり…原因は様々です。職員は、一人一人の発達状況や様子を情報共有し、その子がどうなったらいいのか、原因は何なのか、どんなアプローチをするか話し合っています。
例えば、友達がたくさんいると尻込みしてしまう子に遊んで欲しい時は…
この写真のように、ぎゅうぎゅうと押し合いへし合いする狭い運動遊具ではなく、下記の写真のように色んな方向から出たり入ったりすることが出来るゆとりが確保された運動遊具を出したりします。
③ 行動の結果が分かる
行動の結果が分かるようにしています。
4歳児以降は、自由に遊ぶだけではなく、提示された課題へ取り組む活動もスタートします。
自分の順番をマットで待ち、呼ばれてからは皆に見られながら課題へ挑戦します。
その際、課題をクリアしたのか、しなかったのか職員からはハッキリと伝えるようにしています。
成否が分かることで、友達の様子を観察して真似したり、「次はこうしてみようか」と考える力がついたりします。
中には、クリアできないとショックを受けて「こうしてみようか」と考える余裕がない子もいます。そんな時、職員は気持ちに寄り添い、自分で気持ちを切り替えられるようフォローします。また、活動中、いくつもの課題を難易度順に出すようにしています。課題をたくさん設けているので気持ちを切り替えた後は、再び挑戦することができます。
気持ちを切り替えて挑戦する経験を積むうちに、失敗しても「まあいっか、次こそ出来るぞ」と失敗への恐れが減ってきます。失敗することを受け入れられるようになると、自分から行動する勇気も出てくるかと思います。
こういった支援の効果か、子どもの自発性を感じる出来事もあります。
じっと静かにしていることが多かった子が、お手伝いをしてくれる人を募集した際に真っ先に手を挙げたり…友達と一緒に協力する活動の際に自分の考えを言わなかった子が、ボソボソっと小声ではありますが友達に伝えるようになったり…。
自由に運動遊具で遊ぶ場面では、じっと立ち止まっていることが多かった子が、自分から笑顔で遊びに行くようになった、なんてことも!
活動後に行う職員同士の振り返りで、「自分からお手伝いに立候補したんだよ!」「⚪︎ちゃん、自分から遊びに行くようになったね!」と子どもの姿を共有する時、とても嬉しい気持ちになります。小さな一歩にも見えますが、子どもたちのことをよく見ていると、大切な一歩のように感じます。
主体性を育もう、という目標は大きな山のてっぺんをいきなり目指すようなものだと思います。
あの山がある方角がいいんだな、と意識はしつつ…まずは子どもひとりひとりのことを考えて、一歩ずつの小さな目標を立て、支援にあたっていきたいと思います。
櫻田
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