取り合いからやり取りへ

取り合いからやり取りへ


土砂降りの雨が降り雷が鳴ると、〝ばばばあちゃんのシリーズ本〞『あめふり』の絵本を思い出し、

ふと空を見上げ想像し思わず笑ってしまいます。

憂鬱になってしまいがちな雨や、怖~い雷も絵本の世界を想像しながら見ていると少し楽しくなってきます。

 

 

活動終了後のある日、「貸して」「嫌!」、「ちょうだい」「嫌!」の声が聞こえてきました。

1冊の〝乗り物の絵本〞を巡り取り合いが始まりました。

2歳のA君と3歳のB君です。

取り合いをしていましたが、なんと!

最後には[これ何だ?」と言い一緒にやり取りをしながら見る事が出来たのです。

しかし、そこに至るまでには、活動中の出来事があったからこそ、一緒にやり取りをしながら見るという事が出来るようになったのです。

どのような事があったのか・・・

覗いていきたいと思います。

 

その日の活動は『砂遊び』でした。

今回のねらいは。

『砂の感触に慣れる。』

『思い通りにならなかった時に感情のコントロールをする』です。

 

子ども達が遊ぶとき、トラブルが起きないように種類や数を多めに出すイメージがあると思いますが、まふぃんでは人数より少なめに出します。

この日は、3人だったのでスコップを〝1本〞だけ出しました。

 

何故かというと、遊ぶ道具を少なく出すことで、欲しいものがあった時、「貸して、ちょうだい」と言ったり、

自分の持っている物が取られそうになると「ダメ!」と言葉でのやり取りが生まれてきます。

このような、思い通りにいかない経験を大事にする事で、友だちとの関わり方が学べるようにしています。

 

さて、先にスコップを使っていたB君にA君が気付きました。

もちろん、使いたいので近くに行きすぐに取ってしまいました。

いつもなら、取られても取り返せずにいるB君ですが、この日は違いました。

何度取られても取り返しに行く事が出来たのです。

お互い欲しいので、譲らず引っ張り合いをする、取られたり、取り返したりする場面がしばらく続きました。

その中で、引っ張り合いをするだけでなく

「貸して」「ダメ!」「ちょうだい」「ダメ!」という言葉でのやり取りもあるという事に子ども達が気づき変化していったのです。

その出来事が初めにお伝えした〝一緒に見る〞に繋がっていったのだと思います。

 

お迎えを待っている間、同じ絵本に興味を示した2人。

引っ張り合う、絵本を持って逃げたり追いかけたりしていました。

それまでは、〝何で僕が持っているのを取るの?〞〝取らないで〞〝僕も欲しいのに!〞と『自分が』の世界でした。

対戦モードの表情をしていた2人でしたが、ふと笑顔に変化しました。

言葉でのやり取りは少なくても何か通じあったようです。

自然と2人が近くに座り、一緒に笑いながら絵本を見始めました。

その中で「これ何だ?」「すー(トーマス」と指を差しながら見て、〝一緒にやり取りをしながら見る〞事が出来たのです。

取り合いを経験するうちに『お友だちも同じ絵本が見たいのだな』と気が付いたのです。

このような経験を重ねる事で、相手にも思いがある事に気が付き、友だちを意識した関わり方ができるようにしています。

一つの物で遊ぶ事で友達に目が向けられるようになり、順番を待つ、ルールをも守る、我慢をするなど経験を通した学びになります。

そのような経験をし、気持ちを切り替えて我慢をした方が楽しく遊べると気が付いていきます。

 

今までは、取り合いが起きると泣いて終わる事(気持ちを受け止めてもらい)が多かったのですが、

取り合った絵本を一緒に見る事が出来た事に成長を感じました。

このような経験をしたからこそ学んだのです。

いろいろな場面で見せてくれる成長。次はどんな場面で見せてくれるかな?

 

まふぃん上之園

寺田