お知らせ
2021.08.03
ブログまふぃん(上之園)
新しい仲間の中で
夏休みに入りました。長期休みになると、まふぃん上之園は午前中が療育、午後が放デイの活動になります。
そのため、普段は3~4人で行う年少以下の子どもたちは、10人ほどの集団療育を体験します。3歳児と6歳児、この3年間の発達の差は大きいのですが、異年齢間で遊ぶことを通して、子どもたちはたくさんの経験をしていきます。
今回は、初めて大人数の療育を経験したA君の様子を通して、子どもたちがどんな経験をし、そしてどんな力が育っているのか、紹介したいと思います。
〇 いつもと違う…環境の変化に対応する力
普段通りに登園したA君。玄関に着くと、部屋の中が賑やかです。そして靴箱にたくさんの靴が…。環境の変化を素早くキャッチしました。いつもはすぐに靴を脱いで部屋に入るのですが、戸惑っています。
“今日は何かが違うぞ、どうしよう…”
A君の心の声が聞こえてきます。
しばらく玄関でもじもじしていました。自由遊びはA君が遊んだことのある積み木が用意されています。そして同じ幼稚園のお友達の様子を見ていました。
“だいじょうぶ。遊べそうだ”
A君は職員と一緒に部屋の中に入りました。準備が終わると自然にみんなの中で遊び始めました。
不安な気持ちを乗り越えて一歩踏み出した場面でした。心の中で大きな拍手をしました♪
大人になっても初めての場所へ行ったり、初めての人と会う時は緊張し不安になります。一歩踏み出す行動を起こすには、環境の変化に適応する力が必要です。ちょっぴり恥ずかしがり屋のA君、よく頑張りました。A君にとって、いつもと違うメンバーの中で遊ぶ事は、大きな勇気が必要だったと思います。子どもたちが不安な気持ちを乗り越えて集団の中に入っていく瞬間を見逃さないこと、がんばったね、としっかり認めていくことが大切だと再認識しました。
〇 異年齢の子どもとの関わり…周りを見て、考え、見通しを持つ力
この日の活動は積み木遊び。
積み木を2~3人で積む事を通して、友達との関わりが持てるようになること、と
高さ比べをすることを通して、積み木が崩れてしまったり、一番になれなかったりした時、感情のコントロールができること、がねらいです。
A君は積み木遊びは経験がありますが、友達と協力して高く積む活動に参加するのは初めてです。
自分がだれと組むのか、とてもドキドキしていたことでしょう。
ここで大切にしているのは、いきなり高さ比べの本題に入らない事です。
自由遊びで積み木遊びに親しみ、今度は明確な意図のもと、指定されたグループの中で遊ぶ事から始まります。
”今度は何が始まるの?”
”こうすればいいんだ”
はじめはどうしたらいいか戸惑っていましたが、自分から動き始めました。
一度動き出すとその後はスムーズです。
3人一組で作る高さ比べの積み木の活動に、いつのまにか入り、とても満足そうにしていました。
すごいですね!!A君の表情が柔らかくなっていました。
初めての環境で自分から行動することができたA君は、ちょっと自信がついたのではないかと思います。
まふぃんでは、子ども達の気持ちを感じ、大丈夫だよ、と見守る中で、
周りの様子を見せたり、友達の組み合わせを配慮したり、ちょっとだけ積み木を渡して積み木遊びのきっかけを作ることを通して、
子ども達が自発的に遊びに参加できるようにすることを大切にしています。
~してごらん、~するとできるよという言葉かけは、極力少なくして、子ども達が自分で考えてできた!という実感が持てることが
これから生きていく中でな力だと考えるからです。
後日、A君の保護者の方にこの日の事を報告すると、家では「ドキドキする・・・」と話していたそうです。
2回目の活動「絵具遊び」では、みんなの中に入って絵を描くA君のたくましい姿がありました。
小さな成功体験が、次の行動へ繋がるんですね。子ども達の変化と柔軟さには脱帽です。
暑さに負けず、次回の夏休みの活動もがんばります!!
まふぃん上之園 末吉
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