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2019.11.28
ブログまふぃん(上之園)
小麦粉粘土からの学び
小麦粉粘土からの学び
朝夕、空気が冷たく肌寒くなってきましたね。銀杏の木は一段と黄色に色づき、地面も黄色に染まり〝きれいだな~〞と眺めてしまいます。銀杏並木を通ると、見上げて見とれてしまいます。
タライを囲んで座った子どもたち。職員が袋を手にし「これ、何かな?」と問いかけると
子どもたちの表情が、〝ワクワク感〞や、ちょっぴり〝いたずらっ子〞の表情に変化します。
〝早く入れて!待ちきれない!〞といった感じです。
これは未就学児(1歳~2歳)クラスの小麦粉粘土を始める前の子どもの様子です。
この小麦粉粘土、学童でも行うのですが〝ねらい〞ちょっと違ってくるのです。何が違ってくるのか…まずは未就学児の様子からお伝えしたいと思います。
◎未就学児クラス(1歳児~2歳児)
今までに何回かお伝えしましたが、まずは小麦粉のさらさらの感触に触れその後の抵抗 が少なくなるようにします。最初は慎重に触れていますが、次第に慣れてくると腕につけたり、両手ですくっては〝ポーン〞と上に投げ落ちてくる粉の様子を目をキラキラさせて見ています。ここまでくると職員の服も…もちろん、真っ白!子どもたちは顔も髪も真っ白になってしまいます😅
さらに遊び方が大胆になってくると、タライの中に足を踏み入れ座り込み遊び始めました。それを合図に2人、3人と中に入りタライの中は〝ぎゅうぎゅう〞です。このような環境を作る事で『場の共有』や『接近』になり自分と友だちとの距離感を意識できるような仕掛けを作っています。
いつもは粘土を〝作って遊ぶ〞までを活動にしていますが、今回は〝さらさら〞〝ポロポロ 〞の段階をいつも以上に楽しんでいたので、ここで終了にしました。
何かを作り上げる事も大切な経験ですが、そこに至るまでの過程、子どもたちの言葉にならなくても感じ取っている表情。大人にとって日常になってしまった様々な当たり前の、感触や変化していく様子が子どもにとっては大切な感触の経験や、気づき、学びになっているのだなと思います.
では、学童になるとどのようになるのか…
先日『比べてみたよ』のブログお伝えしましたが、学童になると〝学び〞や〝探求心〞とそれを『生活の中に取り入れて』が入ってきます。どのようなことかと言うと、『これは、何だろう?』『何故だろう』『~したらどうなるのだろう?』と考え、発見したり、意見を出し合い、試す。そして試したことを自分の『生活の中に取り入れて』いきます。
小麦粉粘土の体験を沢山してきた子どもたち。9月にはだんごの粉で団子づくりも経験しました。そこで、子どもたちが「いつもと違うみたい…(小麦粉粘土の時と)」と気が付いたのです。
なので! 実験の始まりです😊
どのような実験かというと、3種類の粉〝小麦粉、片栗粉、だんご粉〞『触った感触はどうちがうのか?水を入れたらどうなるのか?その後はどうする?』『だんご粉は食べられたけど他の粉は?』と様々な疑問が出てきました。
まずは、それぞれの粉を触れ感じた事も発表しました。
〝片栗粉は固い、ぱさぱさ〞〝だんご粉はさらさらし過ぎ、おもちの匂いがする〞〝小麦粉は柔らかい、握ったら固まる〞などいろいろな意見が出てきました。片栗粉に水を入れてすくってみるとすくった時、指の間から『どろっ』と出てきた事にも驚いていました。
だんご粉は食べられることを知っている子どもたち。
「他の粉はどうしょうか?」と聞くと「煮る!」と意見が一致しました。
それぞれの粉を茹でた後は、味見です。グループごとにお皿に入れて〝1人何個づつ食べられるか〞ここにも学びがでてきます(数、量)
小麦粉は野菜をたっぷりのお汁に入れてお昼ごはんに頂きました😋
同じ小麦粉粘土。手段は同じでも、未就園児と学童このように目的が違ってきます。
小麦粉粘土というと、作って遊ぶという事が目的になってしまいがちですが、それはあくまでも目標なのです。
未就園児クラスの小麦粉粘土のねらいは。
「場の共有から友だちを意識する」
「変化のある感触に慣れる」です
一つのタライを使う事で『場の共有』や『接近』をし経験を通して自分と友だちの適切な距離感や関わり方を学んでいきます。これが対人関係、社会性になっていきます。
学童になると、いつもは粘土を作り遊んでいる小麦粉が『あれ?この先どうなるのかな?』と疑問を持ち、いろいろな方法を試す事で探求心や好奇心に変わり、学びへと変わっていきます。それが学びに向かう力となり、実生活にも繋がっていきます。
また友だちと意見を出し合う事で、自分になかった気づきや視点もでて友だちの存在が重要なってくるのです。
今日は未就学クラスと学童クラスで同じ手段でもねらいが違ってくることをお伝えしました。
見方を変えると同じ活動でも結果は大きく変わってきます。
発達段階を踏まえ、どこにアプローチしたいのか。
日々考え、同じように見えても視点を変えていく訓練を私たち職員も積み重ねています。
そうして療育の奥深さを知っていくと子どもも自分も成長していけますね!
まふぃん上之園
寺田
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