ありがとうの時間(放デイ)

ありがとうの時間(放デイ)

 

お盆が終わりましたね。

お盆というと、たまにしか会えないいとこ同士でトランプをしたり、いとこの部屋で読んだことのない漫画を読んだりするのがとても楽しみだったことを思い出します。ちょっと怖いおじさんに、緊張しながら挨拶しなければいけないこともあり、挨拶が終わるとホッとしたものです。

 

まふぃんに来る子どもたちの中には、人前で挨拶することがとても苦手だったり、思うようにコミュニケーションが取れなくて学校で友達ができない、と悩んでいる子どもがいたりします。逆に思ったことを何でも口に出してしまうため、友達から誤解されてしまう子どももいます。私たちは、そんな子どもたちにどんな働きかけをすればコミュニケーション力が育つのか、いつも意識しながら活動をしています。

 

“コミュニケーション力”を育てる働きかけの一つとして、まふぃんでは5年ほど前から帰りの会の中で“ありがとうの時間”をもうけています。

その日にあったことで嬉しかったことを「ありがとう」の言葉で相手に伝える時間です。

 

「今日、“ありがとう”を発表したい人はいませんか」

と問いかけると、2~3人の子どもたちが手を挙げてくれます。

 

「今日は○○さんにありがとうを言いたいです。なぜかというと○○してくれたからです。○○さん、ありがとう。」

「どういたしまして」

この時間は心がほっこり癒されます。

言った子ども、言われた子ども、両者とも笑顔になります。

具体例を紹介しましょう。

 

段ボール遊びの活動中にR君と言い合いをしていたA君が、

「今日はR君にありがとうを言いたいです。なぜなら、一緒に段ボールの中に入って楽しかったからです。R君ありがとう」

と発表しました。言われたR君はびっくりして思わず、「どういたしまして」と答えました。

A君は思いついたらすぐに口に出してしまうタイプ。時々相手を怒らせてしまうことがあります。活動中は素直に「ごめん」が言えなかったのでしょう。自分なりに考えて、ありがとうの時間に自分の気持ちを伝える事ができました。

 

最近は1年生が積極的に手を挙げてくれます。

4月は緊張して座って話を聞くのが精一杯でしたが、上級生が発表する姿をみて“私も言ってみたいな”という気持ちがわいてきたのでしょう。

といっても、指名されて「………」と固まってしまう子どももいます。

でも大丈夫。

間違っても、少し時間がかかっても上級生は優しく見守ります。ちゃんと言えるかな?と心配そうに見ている子どももいます。最後まで言い終えると全体がほっとした雰囲気になります。

“失敗しても大丈夫、やりなおせばいいんだよ”と、安心して発表できる雰囲気を作っています。

 

また、いつも元気で活発な2年生のS君が帰りの会で発表してくれた時の事です。

「僕、帰りの会で初めて発表したよ。」

「えっ!、そうだったっけ?」

「うん…だって…恥ずかしかったんだもん」

「そうだったんだ。今日の発表、とてもよかったよ!」

人前で発表することは勇気が必要なんですね。S君にとっては大きな一歩だったことでしょう。

 

このように、発表することには個人差があります。人前に出ることが苦手な中高生では、ホワイトボードに感想を書いて発表してもらうこともあります。言葉以外でも感謝の気持ちを相手に伝える方法はあることを知り実際に使えるようになってほしいからです。

 

帰りの会のほんのわずかな時間ですが、ありがとうの時間の経験が積み重なって、学校での日直や発表の場面でできる土台になり、社会生活でも自然にあいさつや発言ができる自信へとつながってほしいと願っています。

 

あいさつをしたり感謝の気持ちを伝える事は相手との信頼関係を築く第一歩。毎日の何気ない会話や言葉を大切にしていきたいと思います。

まふぃん上之園 末吉