言葉はなくても!

春休みになりました。子どもたちは新しい学年に向けてとても楽しみにしているようで、元気いっぱいです。

 

まふぃん(上之園)は中央駅近くにあるため、いろいろな校区の子どもたちが通所しています。

地域の学校と特別支援学校から通う子どもたちが一緒になって活動をしています。

さて、今日のメンバーの中には特別支援学校に通うO君がいます。

 

O君は自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手です。

自分がしたいことがあると職員を引っ張って指差しして教えてくれたり、逆に嫌なことにはゴロンと横になってしたくないことを伝えてくれます。

 

最近は登園するとトイレの介助をしてくれる園長先生のもとへすぐに行き自分をアピールしたり、車で迎えをしてくれる運転手さんに「バイバイ」と手を振ったり、O君と他者との関わりが増えてきました。

言葉はなくても意思疎通ができ、O君のできる事や好きなことがわかってきました。

成長を感じるO君ですが、活動中に寝転んだり友達や職員の服を引っ張ったり寝転ぶことがあります。

これは、他者へ迷惑をかけたり傷つけたりする行為なので、私たちは根気強く「それはしないでね」「起きてください」と伝えています。

 

今日の活動は「段ボール遊び」。

ねらいは、不安定な段ボールを倒さないように「くぐる」「すり抜ける」活動を通して、体と感情のコントロールをすること、自分の番がくるまで「静かに待つ」ことです。

O君に対しては、「みんなと一緒に活動の場にいること」「活動に少しでも参加出来ること」をねらいにして活動が始まりました。

どの子どもに対しても興味がわき、しかも課題が達成できるように考えて活動を組み立てています。

今日は参加してくれますように・・・!

 

まずは、“段ボールの間をくぐる活動“。

じっと友達の様子を見ていました。

「O君、する?やってみようか」

その声かけにO君は素直に反応し、通り抜けることができました。

“やったね!”

他のメンバーもじーっと見守っています。

装置を変えて2回目のチャレンジ!

次はどうかな・・・!?

”やったね!!”

みんなで大喜び!!

 

次の“すき間を通り抜ける活動”。

O君の番が来ました。

「O君!」

立ちあがったかと思うと段ボールの方へ・・・初めて通り抜ける活動に参加したのです!!

「やったー!!」

職員も子どもたちも大喜び。場が一瞬で明るくなりました。

O君の成功を心から喜ぶ子どもたちにも感動した瞬間でした。

 

O君に服を引っ張られていた子もそれを見て少し怖がっていた子も拍手していたのです。

“O君がんばれ”

という、私たちの願いと子ども達の思いは一緒だったのですね。

 

その後も活動に参加できたO君。順番を待つ間に何度か寝転んで起こされたことはありましたが、今日の活動は大成功でした。

 

O君と関わり続けてきた子どもたちは、自然にO君の行動やしぐさからO君の気持ちを読み取ったり、行動(服を引っ張られた)に対する対処の仕方、気持ちの切り替え方を学んでいました。

O君の成長と共に、私たち、そして周りの子どもたちも成長させてもらっています。

O君、ありがとう。

 

世の中は、いろいろな子ども達や大人が混ざり合い関わり合って生きています。

一人一人が大切な存在で、認められ幸せに生きられる社会であってほしい・・・。

寛容な気持ちを育てることと同時に、社会のルールを守ることや、自律の気持ちを育てることも大切だと再認識しました。

 

言葉はなくても気持ちが通じ合った瞬間、最高の喜びです。

 

まふぃん上之園 末吉

まふぃん号の中で♪

まふぃん号がお迎えに参上!!

スパ~ンとショッキングイエローのまふぃん号☆彡

どこに行っても一目瞭然!

このまふぃん号の中で繰り広げられるエピソードを紹介します。

送迎中の少しの時間に、なんともほほえましい出来事。

面白おかしいエピソード。

時にはさりげなく子供の心の声をひろう事ができます。

 

お昼休憩が終わったころ、Q幼稚園お迎えへ行きました。

いつも元気なQちゃん

まふぃん号が出発すると

「せみ時雨の夕暮れに ○※×△□☆彡💛・・・・・・」

突然つぶやき始めました。

せ・せみしぐれ・・・

Qちゃん。せみしぐれってなに?と尋ねると

「わかんない。発表会で覚えたの」

6歳のQちゃんから蝉しぐれという単語が出てきたときはびっくり仰天しました。

 

大辞林は以下のように説明しています

たくさんの蝉が鳴いているさまを時雨の降る音にたとえていう語。

音を感じることのできる貴重な言葉。

なんて美しい日本語でしょう。

今はなんとなく発しているこの言葉が、蝉の鳴き声を聴いてQちゃんの腑に落ちる日が来る日が楽しみでもあります。

先週の出来事です。
V幼稚園へお迎えに行きました。

送迎ルートにてまふぃん号の中は5名の子供たちで満席になりました。

※車は止まっています。

一時もじっとしていられない子供たちは、歌ったり、外を眺めたり、その時の思い付きで遊びが始まります。
K君が閃きました。

「色を見つけよう!じゃあ銀色見つけて!」

「あ、あった~!車にいっぱいついてる。」「マンションのベランダ!」

こども達は外を眺めて指さしながらいろんな色を見つけていきます。

K君「じゃあ次は金色!」

というと、子供たちは外を眺めて一生懸命探します。「ないね」と言い始めた子供たち。
後部座席のHちゃん。

「あった~!」と言いながら口をぱっか~んとあけて見せました。

(うしろであ~んをするHちゃん)

※車は止まっています。

 

全員?????という顔をしていると、

Hちゃんは「金歯!」と言いました。車内は大爆笑!

実際Hちゃんには金歯はありませんが、金歯という存在をしっている5歳児。

送迎員のFさんとお腹を抱えて笑いました。

 

そのHちゃんが今度は問題を出します。

「つ~ぎ~は~ピンク!」

 

すると年少のT君が

「あ、あった~」と指さした方向を見ると

ピンクのケーキ屋さん

 

おもちゃはなくても、ゲームがなくても、何にもなくても遊びを見つけ出して楽しんでしまう。

興味をもって没頭し、友達との関わりの中で、様々なことに感じたり気づいたりできる力を身につけ、

シンプルで純粋な中にもユーモアたっぷりに子供同士で分かち合い、

楽しんでいる姿になんともほっこりした一コマでした。

 

次は放課後等デイサービスの送迎の一コマです。

まふぃんでの活動を終え、自宅に送る途中のこと。

A君がぼそぼそつぶやきました。

「今日帰りの会で発表したかったことがあったのだけど、あててもらえなかったんだよ。
僕一週間に一度しか利用してないから、発表したかった。」
職員 「何を発表したかったの?」

「僕ね、家で卵焼きが作れるようになったの。それを発表したかったの」

 

職員 すごいね!A君。卵焼きは巻いていくのが難しいのに、できるようになったのね。
次にまふぃんに来たとき発表しようね!

 

帰りの会の限られた時間の中で発表できる機会は、その時の状況で発表できないこともあります。

A君は次の利用の際に、皆に発表して、とても嬉しそうに帰路につきました。

このように短時間の送迎の間にいろんな出来事があり、ドラマがあり、発見があり、学びがあります。

今回は車中での出来事を紹介しましたが、活動はもちろん、学習の時、おやつを食べる時、自由遊びの時、活動の合間、帰る間際、些細なひとときにもいろんな出来事があり、こどもの様子、変化、会話、遊び、などを感じ取り、職員へのメッセージを拾います。

 

どこをとっても子供たちの貴重な人生のひとこま。

せわしさに流されないように大切に過ごし、見守りたいと願い過ごす日々です。

上之園 有川

座ってまてるよ ~今年度を振り返って~

座って待てるよ!~今年度を振り返って~

 

いつの間にか甲突川の桜もつぼみを持ち始めています。朝夕は寒いですが、春がまた一歩近づいてきているのですね。甲突川沿いが桜で満開になる日が待ち遠しいです。早く咲かないかなぁ~と心待ちにしています。

 

本日は午前クラスの様子をお伝えしたいと思います。

まふぃんで一番小さな子どもたち。1歳~2歳児クラスの子どもたちが登園してきました。

「おはようございます!」と言える子や、お母さんの後ろに隠れて〝〇〇ちゃん見つけた〞としばらく職員とやり取りをしてから〝ばいばい〞とタッチしからお母さんと離れる子。

微笑ましい朝の光景です😊

時には「ママがいい~」とちょっぴり涙でのお別れの日もありますが…。

 

そんな午前クラスの子どもたち。この1年大きく成長しました!

 

4月の子どもたちは…

「お集りするよ~、おやつだよ~」と声を掛けても座ることなくふらふらと動き回っていました。座らせてもすぐに離席したり、走り回ったりする姿が目立ちました。

 

そんな子どもたちでしたが、今では「お集りだよ」「座って待っていてね」と声を掛けると座って待てるようになりました。

絵本を見る間も、おやつの時も最後まで座っています。

待つ時の姿勢も今ではすっかり、お兄さん、お姉さん。

表情も心なしか自信も持っているように感じます。

その中でも感動的な出来事が先日あったのです‼

 

その子の名前はAちゃん。今年度の途中から利用が始まりました。

利用開始の頃は

・座る事が出来ず、姿勢が保てない。

・走り回る事が多い。

・自分の思った通りにならないと怒る。

・順番が待てない。

などの姿が見られていました。

 

ところがこの日、Aちゃんが姿勢よく座り、最後に名前を呼ばれても怒ったり、拗ねたりせずにしっかりと待てていたのです。

おまけに両手を膝に乗せて!(職員は何も言っていないのに)

こんなに待てるようになるとは。嬉し~い😂

 

では、どの様な活動を行ったか見て行きましょう!

本日の活動は運動遊びです。

今回はいつもと違う内容にしてみました。

午後クラスと同じように

〝マットに座って待つ〞〝名前を呼ばれるまで待つ〞

という事をしてみました。運動遊びでは初めての試みです

 

今回のねらい。

『行動のコントロール』

『順番を座って待つ事が出来る』

 

しっかりと待てているお友だちから名前を呼ばれるので、みんな姿勢よく待っています。

Aちゃんはというと・・・

 

立ち上がる事もなく、ふらふらと動き回る事もせず姿勢よく待てていました。友だちがどうやって渡っているのかもよ~く見ています。

利用が始まった頃を思い出し、ここまで座って待てるようになるとは思ってもみませんでした。

様々な活動で「座っていたらお名前呼ぶからね」と声を掛け、一瞬でも座ったらすぐに名前を呼ぶすぐに褒める、事を繰り返し行ってきたことでここまで出来るようになりました。

この様な

「待てるようになる」「ちょっと我慢ができる」

という経験を今度は保育園や幼稚園などで実践できることができれば

子どもの成長、変化は飛躍的に伸びていきます。

 

待てるようになることでルールのある遊びに参加できるようになり、活動の幅が広がります。

ちょっと我慢ができるようになることで注意をされたり、怒られたりすることが少なくなります。

 

二つのことができるようになると今度は「友達」を意識して、集団の中で遊ぶことができるようになります。

 

こうして子ども達は

自分の視野やキャパシティを広げて

新たな世界に踏み出していくことができる様になるんですね。

 

私は、まふぃんに来てもうすぐ1年経ちます。

保育園での保育には慣れていても療育は初めてでした。

『何が大変だった?』と聞かれても・・・ ありすぎて選べません…😅

何となくの知識としてはありましたが、どのように対応していいのかも分からず、毎日が勉強。そして必死でした。

ついでに小学生以上の子ども達と接するのも初めて。

小学生との接し方、〝何を話せばいいの?〞などetc.

一日中戸惑いの日々でした。

 

今年度、子どもたちと接していて特に感じた事。

保育園に勤務していた時以上に、子ども達の成長、変化が嬉しく感じられました。

そして嬉しいだけではなく、子ども達が成長、変化する事は〝貴重なんだな〞〝当たり前ではない〞のだなと改めて気付きました。

 

今年度も後10日程になりました。

来年度も子どもたちに負けないように私も成長、変化!しようと思います。

 

 

まふぃん上之園

 

寺田

 

 

 

声かけひとつで・・・

先日放課後等デイサービスで「運動遊び」を行いました。

今回のねらいは「順番を待つ時、姿勢良く待つことができるようになる(その場に応じた行動ができるようになる)」

前回、運動遊びで、姿勢良く待たないといけない時、壁にもたれていたので、このようなねらいを立てました。

 

さて、活動が始まると「早く順番を呼ばれたい」気持ちから、姿勢良く座って待っていますが、時間が経つと姿勢が崩れそうになります。

 

前回はここから職員が何度も声をかけ姿勢を正していましたが、今回は少し言い方を変えてみました。

「早く呼ばれるにはどうしたら良いでしょうか?」

この一言で子どもたちは全員背筋を伸ばし、順番を待つことができました。

 

まふぃんに通う子ども達は実はどの様に待てば良いかを皆よくわかっています。

そして職員も皆が分かっていることをよく知っています。

 

ついつい口をついて出てしまう

「ほら!姿勢を正しくして!」

「ちゃんと座って!」

よりも

「どうしたらいいと思う?」

「どうするんだったけ?」

その一言で行動が改善されるとお互いストレスがなくなるばかりか、子ども自身が考えて気づくことができます。

(知らないことは教えないといけませんが・・・。)

 

まふぃんでは子ども同士でトラブルになった時にも極力見守りますが、(もちろん手を出しそうな時には止めます)

どうしても収拾がつかない場合は職員が介入し

「どうしたらよかったかな?」

の言葉を大切にしています。

 

最終的にはトラブルにならないようになることが目標ですが、今は子ども達はたくさんの経験を積む時期。

経験を繰り返し、学び、自分達でどうしたら良いのかに気づく。

そして自ら行動を変え改善に繋げていく。

大人は気づくヒントを与えれば良いんですね。

姿勢良く待つ事ができています!

 

実は冒頭で出てきた言い換えは家庭でも実践できます。

「危ないからダメ!」⇒「お母さんケガが心配なんだよね」

「何度言ったらわかるの!」⇒「どうしたら良いと思う?」

「早く宿題しなさい!」⇒「お母さん○〇時までなら付き合えるよ」

などなど。

 

あとは見通しを持たせて行動を促す方法もあります。

4月当初、楽しい自由遊びから本活動に移ることが中々難しい子もいました。

そんな子も

「自由遊びは5時10分前までね」

この一言でスムーズに次の行動に移れるようになりました。

大きな声を出し

「はい!片付けて!」

より、職員も気持ちよく仕事に励むことができます。

 

 

 

これからも子どもに望む行動を

大人からの一方通行の指示や命令だけでなく

子ども達自身の経験や気づきによって促していきたいと思っています。

 

まふぃん上之園
亀澤

事業所評価アンケート結果

まふぃん、まふぃん錦ヶ丘をご利用の保護者の皆様

 

平素より運営へのご理解・ご協力を賜り御礼申し上げます。

 

まふぃんのような行政から指定をうけた事業所は、1.事業所自己評価を行うこと、2.その利用児の保護者による評価を受けること、3.その結果を事業運営に反映させ常に質の改
善を図ることを目指し、毎年事業所評価を行うことが義務付けられています。

 

本年も保護者の皆様にご協力いただき、事業所評価を実施いたしました。
アンケートでは、私共が改善すべき点をご指摘いただきありがとうございます。
ご意見いただいた点の早期改善に取り組んでまいります。
また両事業所に対して励ましやお褒めの言葉もいただき、職員一同大変励みになりました。

 

皆様のお力をいただきながら、お子様のためにより良い支援を目指して参ります。
これからもお気づきの点やご相談事がございましたら遠慮なく、両施設職員へお声掛けください。

 

社会福祉法人塔ノ原福祉会
本部 堂園春衣

 

まふぃん 自己評価

まふぃん錦ヶ丘 自己評価

保育所等訪問支援

こんにちは。

 

いつもはブログで活動の様子をお伝えしていますが、今回はまふぃんが行っている「保育所等訪問支援」の事業についてご紹介したいと思います。

 

保育所等訪問とは、まふぃんの利用児が通う幼稚園や保育園、小学校などに、職員が訪問をすることです。

その時に、子どもの様子を観察するだけではなく、担任等と情報交換を行ったり、子どもの育ってほしい部分を確認したりしています。また、支援の質を高め、その子に今必要な支援を丁寧にアプローチすることができるように、「支援の統一化」も行っています。

 

さて、私はつい先日、ある幼稚園と小学校の保育所等訪問に行きました。

まずは、幼稚園の保育所等訪問について。

去年の夏頃にも、その幼稚園に行きましたが、その時は「落ち着きがない」「活動に入れない」など、気になる姿が見られたので、担任の先生とどのような支援をしたら良いのか話し合いました。

また、その子が落ち着かない時は、クールダウンできるような対応をしていくこと、活動に入れない時は、できるだけ集団の場にいられるように環境設定をすることなど、幼稚園とまふぃんが一貫した支援ができるようにしていきました。

 

そして、夏の保育所等訪問から約半年が過ぎた先日。

再び幼稚園に行き、担任の先生と話をすると「○○さん、とても落ち着いていますよ」と、嬉しいお声を頂きました。

子どもの今必要としている支援を丁寧にアプローチし、統一化をしたからこそ、効果が見られたのではないかと思います。

 

次に、小学校の保育所等訪問について。

初めて訪問させて頂き、授業や休み時間の様子を見ることができました。

授業では、国語のプリント(読解問題)をしていましたが、担任の先生は、ただ解かせているだけではなく、その子が答えに気づけるようなヒントも伝えていました。ほかの子どもも、読解問題のプリントをしていましたが、同じヒントを伝えるのではなく、その子のレベルに合わせたヒントを伝えていました。

個々の学習レベルに応じた「ヒントの伝え方」は、まふぃんでも共通している部分です。

実際にまふぃんでやっていることが学校とも共通していることを確認することで、子どもも混乱せずに学習に取り組むことができます。

それだけでなく、多様な学習の方法を見させていただくことでまふぃんの職員にとっても勉強になります!

 

今年度は、色んな幼稚園や学校に行かせて頂きましたが、その時に嬉しかったエピソードは「まふぃんの手法で子どもが変わった!」の言葉でした。

 

とある幼稚園には1年に何度も訪問させていただいています。

今ではまふぃんの療育を理解してもらい、まふぃんで行っている支援も実践してくれています。

そのおかげで、子どもの変化がより早く見られるようになっており、「保育所等訪問支援」の効果を感じることが出来ました。

これからも、保育所等訪問をしていきますので、もしご希望がありましたら、職員にお声掛けください。

まふぃん上之園 亀澤

 

学習の様子

学習の様子

放課後等デイサービスのまふぃんでは、登園後、まず学習室で宿題やまふぃんプリントを取り組むことから活動がスタートします。

 

学校の宿題をする子ども、まふぃんで用意されたプリントをする子ども様々です。

 

7年前の開所当時は、子どもたちがうろうろ歩き回ったり、学習をしたくないと言って取り掛かるまでに時間がかかることがあり大変でした。

その当時の学習面のねらいは

「学習室での過ごし方がわかること(挨拶や物の準備・片付け)」

「学習する習慣をつけること」

でした。座る場所やプリントの内容を見直したり、その子に合った声掛けや見守りを工夫したりすることにより、学習室での過ごし方やプリントに取り組む習慣を確立してきました。

 

次の段階では

「わからない所を質問できるようになること」

をねらいにしました。

当たり前のように感じるかもしれませんが、困ったときに自分から「ここがわかりません、教えてください」と言えるようになることは、社会生活の中でとても大切なことです。

学習支援の中でソーシャルスキルの要素も意図して入れてみました。

また、間違いを伝えると「もうしない」と拒絶していた子どもが「あっ、そうか」と受け入れてやり直しができるようになってきました。成長を感じる嬉しい瞬間です!

 

そして、現在の目標は、学習したことを日常生活に活かすこと、です。

学習したことが日常生活で役に立つことが分かるととても嬉しいですよね。

例えば

・計算ができる➡500円以内で買い物ができる、クッキングの予算を立てる

・時間と時刻➡お出かけの時間を調べ、日程を立てる

・文字を書く➡招待状やポスターを丁寧に書く

・野菜を育てる➡できた野菜で調理する

・ローマ字入力ができる➡分からないことを調べる、文章を書く

等々、まふぃんの活動で取り入れ、実現化できるようにしています。

 

また、内部研修で「漢字が覚えられない」「計算が苦手」といった悩みを持つ子どもたちに対して、認知機能を高めるトレーニング「コグトレ」のことを学び合い、見る・聞く・想像する力を伸ばす支援の方法を考えています。

“学びを活かす”とは

学んだこと(知識)を使って、問題を解決していく能力(知恵)をつけること。

学びを活かせると生活が豊かになり、自分自身の成長を感じることができるので自己肯定感も高まります。また疑問に思うことも増え、次はこうしてみようと工夫していく力が育っていきます。

私たちの周りは学ぶ教材であふれています。

子どもたちの得意なことをさらに伸ばし、活動の中で興味のあることを増やすこと、学びを活かす場面を作って考える体験をさせたいと思います。

私も子どものころ、宿題がないと嬉しいものでした。大好きな漫画や本、アニメやスポーツ番組からいろんなことを学んで成長してきました。

子どもたちの興味のあることに目を向けつつ、基礎基本の学力の定着や学習習慣の確立を大切にしていきたいと思います。

 

大人になったら、宿題がなくなる・・・!?

子どもたちが楽しく学べる教材作りを私も頑張ろうと思います。(笑)

 

まふぃん 末吉

話す・伝える・話し合う(錦ヶ丘)

4月にまふぃん錦ヶ丘が開所して,もうすぐで1年が経とうとしています。
放デイの子ども達と日々接する中で,特に意識して行ってきた活動に「言語活動」があります。

まふぃんに通所してくる子ども達は,小学校のクラスの中やまふぃんでの活動の中で,自分の思いを伝えたり気づきを発信したりすることがちょっぴり苦手な子ども達がほとんどでした。自己紹介でさえも恥ずかしくてなかなか出来なかったり・・・

そして,なかなか相手の意見を聞き入れることが出来ずにいる子も中にはいました。

そこで,まず子ども達に身につけて欲しいことは何かと考えて「発表する経験」ということに重点を置いてみました。

発表と言っても,自分の意見を述べたり考えを話すことではなく,まずは簡単な出来事や感想をみんなに伝えていくことからです。

例えば・・・
毎日の活動が終わり,さようならの前の5分間。

「今日の昼休みは何をして遊びましたか?」「今日の給食でおいしかったのは何ですか?」等々・・・低学年の子ども達でも答えやすく,そして聞いている他の子達もイメージしやすくて共感しやすいお題での発表です。

発表するときの挙手の仕方,姿勢,声の大きさ,相手に伝わるように話す方法を繰り返し経験していきます。

聞いている子ども達も,聞く姿勢を身につけていきます。

初めは,限られた子しか手を挙げていなかったこの発表も今では「ハイ!」「ハイ!」と我先にと全員が手を挙げています。

その時もどうやったら当ててもらえるか考え,背筋も伸ばし指もそろえてまっすぐ伸ばし「あてて!!」と猛アピールの子ども達です。
この「発表する経験」はこれからも継続していきます。

ちょっとずつお題も難しくしていこうかなあ~

 

次に取り組んでいることが「話し合う経験」。
1人1人が素晴らしい考えや意見を持っていることは,毎日子ども達と接していて分かります。

しかしそれを他者に発信することが少し苦手なようでした。
子ども達が,考えを深めたり新しい発見をするのには他人の意見を聞いたり質問されたりすることが不可欠ではないかと思います。

そこで,考えを伝え合う,相手の考えを聞き合うなどといった言語活動,話し合うということが大事になってきます。

とはいっても,発信することが苦手な子ども達です。どうやったら自ら楽しく取り組む話し合いになっていくのでしょうか?

今年度何度か取り組んでいる,付箋を使っての話し合い。


自分の考えを付箋に書き,1人ずつ順番に発表していきます。発表の前に,紙に考えを書くため子ども達もすらすらと発表が出来たり,「あ!これも!」と付箋を追加してどんどんアイデアがあふれてきます。

1人1人が出した付箋に書いたアイデアをまとめていく作業も,今では子ども達だけで出来るようになってきました。みんなで意見を出し合いながら作業を進めていくので,友達の意見に文句を言う子は1人もいません。むしろ,「これいいいね~!」と共感することの方が多いです。

他者の意見をきちんと理解し,素直に評価する姿勢が身についてきています。

そして,意見を出す方も,自分の知識や経験を基に考えればいいんだ!と,自信を持って考えられるようになってきています。

自分の考えを表現して評価される場がなければ,思考は深まりません。友達から賛成されて自信を持ったり,反対されて考え直したりする経験を通して,思考力・判断力・表現力が育っていくんですよね。学習指導要領でもこの「思考力・判断力・表現力」については「三つの柱」の中の一つとして育成すべき資質・能力として掲げられています。

小集団だからこそできる,1人1人を大切にしたまふぃんでの「言語活動」。これからも少しずつ発展させながら継続していきます。

ハロウィン,クリスマス,お出かけ・・・たくさんの楽しいことを話し合ってきた子ども達。

現在進行中の話し合いのお題は
「新1年生にやってあげたいこと」です

もうすぐ一つ学年が上がり,お兄さんお姉さんになる子ども達。ぴかぴかの1年生を迎える準備に大忙しの毎日です。
新1年生のみなさん。

発表も話し合いもかっこよく出来るようになった,まふぃんのお兄さん,お姉さん達が首をながーーーーくして待っていますよ!

まふぃん錦ヶ丘 吉村

童具あそび

だんだんと暖かい日が増えてきて、春の訪れを感じられる日が増えてきました。

先日、児童発達支援の活動の中で、童具を使った活動を行いました。

童具は、錦ヶ丘幼稚園、保育園でも使われている積み木のようなもので、いくつかのピースを重ねたり、並べたりしていくと、必ず高さや長さが一致するようになっています。

積木や収納箱、わくわくトレイなどと組み合わせても、ぴったりと揃うように作られています。
子ども達は、積木遊びをする中で、童具の寸法の秩序を自然に感じることができ、この感覚が、ゆくゆく小学校の算数や理科の基礎に繋がっていきます。

今回は、年少から年長の異年齢のクラスでの活動です。

子ども達を3人ずつ、3チームに分けて行うのは
『高さ比べ』

この活動、これまでにも何回か行ってきていましたが、初めのうちは、同じチームの中でもそれぞれが違うタワーをつくってしまうことがあり、一緒に協力する、ということの難しさを感じる活動でした。

ルールは、わくわくトレイの上に3人で協力してタワーをつくって、一番高いチームの勝ちです。

よーいどん!

職員のかけ声で、みんな一斉に積木を取りにいきます。
するとすぐに・・・

「あー!そうじゃないよ、2れつにしないと!」
「ちがうし!たおれるじゃん!!」

一つのチームで言い争いが始まりました。
早く積み重ねないと、負けてしまう!と考えている子と、土台をしっかりしないと崩れてしまう!と考えている子とで、積み進め方に不満があるようです。

他のチームでは自分の積み重ねた積木が崩れてしまい「どーしよ!崩れちゃった!」とショックを受けている子もいます。
そのまま、崩れた部分をどかして、もう一度積み重ねることができれば良いのですが、なかなか気持ちを切り替えることができないようです。そうかと思えば、また、他の子が崩してしまい、崩れた部分をじっと見つめて、静かにショックを受けています。

 

もう一つのチームは、静かに進めることができていたようでしたが、お互いに声をかけることがあまりなく、同じチームの年少さんがよく分からないままに積み重ねたり、トレイからはみ出していることにもなかなか声をかけられません。
(こっちに作ってほしい、はみ出してる・・・)と、分かっているのですが、自分から言葉をかけることが難しいようでした。

今回は「物の共有をしながらチームで協力する」という事をねらいにして、あえて、性格の似た者同士のチーム構成を職員で考え、その中で子ども達がどのようにして課題を乗り越えていくのかを見守りました。

みんな、目指しているところは高く積み上げることなんですが、それぞれで前に進めなくなる場面は違ってきます。

その中で、他のチームの積木が高くなってきていることに気づき、(これではいけない!)と、周りの意見に耳を傾けたり、勇気を出してお友達に指示を出してみたり、気持ちを落ちつけて、協力しながら積み木を積み上げることができたチームが勝つことができるのです。

今回は、言い争いをしていたチームが、言い争っている場合ではない!という事にいち早く気づき、後半に追い上げを見せた結果、高さ比べで一番になることができました。

この遊びの中で、子ども達なりに(ああすればよかった、こうすればよかった)という事を感じているようで、この後に行った童具を使った『もの隠し』では、さきほど年少さんに声をかけられなかった子が、「ここだよ。ここに置いてみて。」と話しかけていたり、童具が崩れてしまった友達に対して、「大丈夫だよ。」と声をかけてくれる子もいました。

友達の存在や言葉が自信に繋がり、気持ちの後押しをしてくれることもあるので、友達を意識するということを大切にしながら、実際に活動の中で、小さな課題を設定し、その中で子どもたち自身が(どうしたらいいんだろう)と考えられるような活動を今後もたくさん計画していきたいと思います。

 

まふぃん錦ヶ丘 岡田