お知らせ
2024.10.15
ブログ
感情のコントロール(錦ヶ丘)
「押さないで、押さないで!」
一つの遊具の場所の取り合いで2人の子どもがせめぎ合う場面が起きました。
大人から見ると、2人で仲良く遊んでほしいと思うシーンです。
場所や物を一緒に使う場面では、一人ひとりの子どもの思いが違うため「感情のぶつかり合い」が起こります。年少さんや年中さんは遊びたい気持ちを大きくする時期です。その気持ちを引き出しつつ、お友達と一緒に遊ぶ中で、思い通りにいかない時ちょっと我慢する、気持ちを切り替える、言葉で伝える等の社会性を育むための支援をしています。
気持ちの発信
「おさないで!」と感情を素直に表現したAさん。まふぃんに通い始めて2ヶ月経ちました。
通い始めた頃は、お友達より職員に対して関わりを求めることが多く、まずは遊びに集中して参加できることを目標に支援していきました。
次のステップは友達の中に入って遊ぶこと。遊びたい、という遊具を提示していると、友達がいる中にも入って遊べるようになりました。
他の子どもたちも同じです。ちょっとした隙間や面白そうな場所を見つけると「これで遊びたい!」「ここで遊びたい!」という感情が芽生え、場所や物の取り合いが生まれます。
このような時、仲良く遊んでほしいと大人が仲裁することは簡単ですが、まふぃんでは思うようにいかない時の感情のコントロールができるようになるビッグチャンス!と私たちは捉えてしばらく子どもたちの様子を見守っています。
「押さないで」というシーンも平均台の場所の取り合いで起きた出来事でした。
立ち直る
「押さないで」と必死に訴えるAさん。もう一人のBさんもここで遊びたいのです。思い通りにいかない気持ちでいっぱいになったAさんは大きな声で「ばか、ばか、ばか!」と泣き出してしまいました。
Aさんのどうしようもないはがゆい気持ちを受けとめつつ、気持ちの切りかえをする場面だと捉え抱っこして「涙が止まったら遊びに戻ろうね」などと声かけをし、気持ちが落ち着くことを待ってみましたが、Aさんの気持ちはなかなかおさまりません。
そこではっとしました。Aさんの本当の気持ちは?
「あそこで遊びたかったんだね」
「うん」
「押されてイヤだったんだね」
「うん」
大声で訴えていた言葉はピタッとおさまり、全身の力が抜けていきました。十分に気持ちを受け止め
「遊びに戻る?」と聞くと「うん」とうなづき涙を拭いて活動に入っていきました。
支援とは
AさんとBさん。その後は何事もなかったかのように仲良く遊んでいました。
子どもたちの柔軟な心やたくましさを感じます。
自分の子育てを振り返ると、子どもの失敗や泣いたり暴れたりすることをさせたくない思いから、先回りして環境を整えたり声をかけたりしていたことを思い出します。
お友達との関わりや集団の行動がちょっぴり苦手な子どもたちが、小集団の関わりを通して、遊びこむ、感情を表現する、お友達と遊ぶ、思うようにいかない時の気持ちを我慢する、気持ちを切り替えることができるようになる姿は本当に嬉しいです。
思う通りにいかないことがあった時、感情的にならずに、自分の気持ちを相手に伝えられるようになることができたら、友達と楽しく遊べるようになって関わりも広がっていくと思います。これからも子ども自身が立ち直るところまで考えた支援を日々みんなで話し合い療育に携わっていきます。
そして、些細な子どもたちの成長や変化に気づける支援者でありたいと思います。
まふぃん錦ヶ丘
末吉
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