小麦粉粘土(錦ヶ丘)

本日の児童発達支援部門の活動は「粘土あそび」でした。

まふぃん の粘土遊びは「小麦粉粘土」を使うことが多いです。

口に入っても安心な事(もちろん口に入れないように注意して見ています)、

小麦粉粘土を作る過程にも療育的な要素が多く取り入れられているためです。

 

材料は「小麦粉」「水」「油」、この3つ。

 

 

さあ、この3つの材料からどんな療育の世界観が広がっていくのかご紹介します!

 

まずは大きなタライに小麦粉を入れます。サラサラサラ〜

それいけ~!

子どもたちの反応は……「わあ〜」と言いながら両手で触ってみる子、

恐る恐る触ってみて「ふわふわだね」と笑顔になる子。

初めて見る真っ白な粉にビックリして固まってしまう子。

初めて見る、触ったことない……

 

でもみんなが触るなら自分も触ってみようかな!

 

これは1人で遊んでいても起こることのない感情で、

苦手だけれども挑戦してみようと思うその子なりの大きな一歩となっていきます。

 

次は、水を入れます!ドボドボドボ〜

ちゃんと待てるよ!

 

このタライの縁を掴む手。

「ちょっと待ってて」の時間です。粉で存分に遊んだ後に水が入ります。

子どもたちにとってとてもワクワクする瞬間ですね。すぐに触って遊びたい!

その気持ちをちょっとだけタライの縁を掴むことで「待ってて」をしてもらいます。

 

保育園、幼稚園、小学校での生活は自分本位な衝動だけでは過ごせません。

相手に合わせたり、待たなければいけない場面がたくさんでてくるかと思います。

そのためにもまずは、やりたい気持ちを我慢してちょっとだけ待ってみる。

まふぃんではこの「ちょっと待つ時間」を日々の療育に取り入れ、徐々に待てる時間が長くなっていく子ども達を見てきました。

錦ヶ丘での子ども達の成長も楽しみですね。

 

さて、小麦粉と水の入ったタライはというと、まだドロドロの粘土です。

 

ドロドロの感触が苦手な子どもはタライから手を離し、じっくりと様子をうかがっています。

そんな時私たち職員は、無理に触らせようとしたり言葉で誘導することはしません。

その子が触りたくなる瞬間を待ちます。それが今日の活動中でなくても、

繰り返しの活動の中で必ず自分から「やってみたい」という日がやってくるからです。

 

 

ここからは油を入れて一気に混ぜていきます。油を入れることによって、手にくっつきにくくなるんです。

「まーぜまぜ」「もーみもみ」、子ども達と呪文のように唱えて、ようやく小麦粉粘土の完成です!

 

粘土が出来上がると、今まで様子を見ているだけだった子たちも笑顔になり「ちょうだい」と粘土をもらいにきます。

ちぎったり、丸めたり、伸ばしたり・・・思い思いに感触を楽しみます。

指先を使って丸めたり、手首をひねってちぎったり。

何気ないこの動作も、力加減や指先の感覚などなど刺激がいっぱいです。

 

おいしいパンを作りま~す

 

粉から作る小麦粉粘土遊び。まふぃんでは定番の活動の一つです。

定番な活動だからこそ見えてくる、子ども達の変化が楽しみです。

 

まふぃん錦ヶ丘  吉村

絵の具遊び

まふぃんで行っている感覚遊び、感触遊びの一つに、絵の具を使った遊びがあります。

絵の具遊びでは、子ども達によって反応が分かれることが多いのですが、手を使って楽しそうに塗っている子もいれば、「手に絵の具が付いたからしたくない」ということから活動の様子を見学する子もいます。

 

今回の絵の具遊びの様子はどうだったのでしょうか?

 

初めはクレヨンで自由に書きましたが、クレヨンは手に付いても大丈夫なようで、「電車」や「キツネ」など色んなものをイメージしながら描いていました。

まふぃんでは、1枚の画用紙をみんなで使っています。1人1枚ずつ渡すこともできますが、同じ画用紙を使うことによって、友達と場所を取り合ったり互いに自分の思いを主張したりして、気持ちの折り合いや譲り合いの経験ができるので、あえてそのような環境を設定しています。

その為、時々場所の取り合いが起こります。

 

今回も自分の描きたい場所に描かれ、「そこに描かないで!」と言い合いをする子ども達がいました。職員が「描いてほしくなかったんだね」と気持ちを受け止めると「うん」とうなずくその子…。しばらくじっと止まった後に、違う場所を探して描き始めました。自分の中で気持ちに折り合いが付けられた場面でした。

 

「けんかしないで、仲良く」とその場を収めたくなりますが、職員は子ども達の中で解決できるように様子を見守っています(時々、収拾が付かない場合は介入して思いを代弁する事もありますが)

そうすることで、相手の気持ちに気づき、少しずつ自分の中で折り合いを付ける事ができるようになります。

 

「自分の中で折り合いをつける」って大人にもなかなかできないですよね。

小競り合いが起こるように敢えて意図して活動を設定する療育施設はなかなかないと思います。笑

作品を完成させるのが目的ではなく、作品を完成させる中でどこに「社会性に必要な場面を作れるか」をまふぃんは常に大事にしています。

 

次にママボールを使って画用紙に色を塗っていきました。

ママボールとは、乳房の柔らかさと弾力をもったボールで、当たっても痛くない安全なボールです。

(ママボールのことについては、いずれ別な日にお伝えしたいと思います)

これがママボールです😊

ママボールを絵の具遊びで使うのは初めてですが、子ども達は躊躇することなく、ママボールを握り、絵の具を付けて楽しそうに塗っていました!

しかし、塗っている途中に絵の具が手に付いたのでしょう。「付いちゃった」と嫌な顔をする子に対して「あ、付いちゃったね」とその子の今感じている気持ちを一緒に共感する職員。

いつもなら「嫌だ」「したくない」と泣いて訴える場面でしたが、今回はその気持ちをぐっと我慢して塗っていました。「やりたい!」と思う気持ちがあったからこそ、自分の気持ちを切り替えて活動に参加できたのだと思います。

 

絵の具遊びを通して「慣れない感覚に少しずつ慣れる」「みんなで同じ場を共有し、折り合いのつけ方を学ぶ」ことを経験した子ども達。

次の絵の具遊びではどのような姿が見られるのでしょうか。楽しみです。

あっ!こいのぼりだ~

パンケーキ作るぞ(錦ヶ丘)🥞

前回は放課後等デイサービスでパンケーキを作ろうとみんなで決め、材料の買い出しをしたところまでご紹介しました。

今回はいよいよパンケーキを作るところをご紹介します!

パンケーキ作りと言ってももちろんただのパンケーキ作りではありません。

作る工程の中に様々な療育的目線を取り入れることもまふぃんはこだわっています。

今回はその中でも「発見」「気づき」「力の加減」「他者との協力、共有」にねらいを設定しました。

 

 

まず、ホットケーキミックスのパッケージ裏に作り方が書いてあることを発見した子ども達!!

 

「まずは、粉を入れて、牛乳と卵を入れるんだね」

と作る工程を子ども達で確認していました。

 

ホットケーキミックスの袋をハサミで切りながら

「僕が入れたい!」

「私がするんだから!」

 

と、お互い譲れませんでした。

そこで職員は一言声をかけます。

 

「ふむ。これではいつになっても出来上がらないなー。」

 

このヒントで子どもたちはハッとします。

子ども達は経験値としてその先どうすればよいかを知っているんです。

「ほら、順番譲ってごらん。」「交代ですればいいじゃん。」

ただ大人が正解を言うのは簡単ですが、そこで「どうしたらいいんだろう?」を考えるきっかけを大人が意図して作ってあげる。

そうすると自ずと子ども達同士で解決策を導き出せます

ここに大きな意味があるんですね。

 

その後もどうするのかと見守っていましたが、ちゃんと自分たちで「粉入れ係は〇〇君」「混ぜる係は〇〇君」と役割を決めることができました。

 

次はホットケーキミックス1袋ををボウルに入れて、

計量カップに慎重に牛乳を入れていきました。

ジッと計量カップを見つめながら集中して線のギリギリまで入れることができました。

100mlで止めるの難しいな〜

 

次の工程は卵割り。

「お母さんがよく家で卵焼き作ってて、割るの見てるからできるもん!」

と机の角に卵を数回コンコンと当てヒビを入れ、自信満々で卵を割ろうと試みましたが…

 

 

ん゛ん゛ん゛……

わ、割れない……

あ゛あ゛あ゛……

 

力を入れすぎ卵は見るも無残な姿に・・・

 

あーあと落胆するかと思いましたが二度目にチャレンジ!

今度はゆっくりそーっと力を加減しながら割ることができました。

失敗しないように力を調整し、イメージ通り卵を割る。

ただこれだけの工程にすぎませんが、自ら試行錯誤し成功した時の子ども達の笑顔はなににも代えがたい達成感に満ち溢れています。

 

みんなに見られてると緊張するな〜

 

 

さあ、材料を混ぜていきます。

 

混ぜるから押さえてて〜

 

混ぜるのも加減が必要です。

友だちに押さえててもらいながら、なんとか材料が混ざり合いました。

 

 

さて次はいよいよ焼いていきます。

 

あ、くっついちゃった…

 

ホットプレートの火傷に気をつけながら一緒に行いますが、一人でできそうになったら徐々に手を離して、出来る部分を増やしていきます。

 

 

焼きあがる前には食べる為のセッティングをします。

工程を確認し次はなにをしたらいいのかなと見通しを持つことも大切です。

 

「僕は何をしたらいい?」

「じゃあ、お茶の準備お願い!」

 

役割分担が定着してくると、そんな会話が自然と生まれます。

↑同じ量を注げるかな?

焼いたパンケーキはみんなで実食!

 

先生も食べていいよ!

 

 

「焼きたては格別!」

「みんなで食べると美味しさ倍増だね」

 

職員にも大好評!

 

食べ終えたあとはお片付けです。

ここでも役割分担して、「食器を洗う」「水で流す」と協力して片付けを終了しました。

 

 

これにてホットケーキ作り完了。

 

今回のクッキングでは子ども達の「人生で初めて」という体験もありました。

そんな子ども達の瞬間に出会えるのも療育の魅力だと思っています。

まだまだ始まったばかりのまふぃん錦ヶ丘ですが、これからもまふぃんの魅力を伝えていきますね!

 

 

 

まふぃん 錦ヶ丘 鈴木

パンケーキ食べたい!(錦ケ丘)

放課後等デイサービスでのクッキング。

 

まふぃんで行うクッキングはただ楽しい!美味しい!

で終わらせるのではなく、

子どもの主体性を育てる事 や 自立に向けた経験を積む 

ねらいにしてクッキングを行っています。

 

その為に、職員がメニューや工程を決めたり、示したりすることはありません!

 

どうやったら 子どもの主体性を育てる事ができるか

どうやったら 自立に向けた経験を積むことができるか 

を職員同士で話し合いを重ね、当日に臨んでいます。

 

 

今回は開所して初めてクッキングを計画しました。子ども達発案で様々なメニューにも対応できるように、ホットプレートやボウル、計量カップ、包丁、フライ返し、おたまなどの調理器具を用意しました。

 

さあ!子ども達が通所し、いよいよ今日のクッキングのメニューを決めるところから始まります!

子ども達が

「あれ?決まってないの?」「自分たちで決めるの?」

 

少し困惑気味の子どもたち。

 

事前に決められた材料で、決められた料理を作るのがクッキングだと思っていたようですが、自分たちで決めていいとわかると大喜び!!

 

調理器具を前にして、自分達が作れそうなものや自分たちが食べたいものをイメージしてシンキングタイムスタート!!

 

これを使って何が作れるかな〜

 

それぞれの意見を発表します。

 

「ぼくね焼肉食べたい」(ん?作る程の工程ある?)

「私はお好み焼」(お~野菜たっぷりだけど、食べられる?)

「ぼくやっぱり焼きそば」(麺は王道ですね!)

「私やっぱりパンケーキがいい」(今どきの呼び名ですね~)

 

 

自分達で決めるからこそ、作りたいイメージがどんどん出てきて、収拾がつかなくなるほどでした。

 

次に4つのメニューから、みんなの意見を1つに絞るための作業が始まります。

 

「お好み焼がいい!」「パンケーキがいい!」

なんとか2つに絞ることができましたが、これではまだまだです。

 

 

なかなか決まらないので、職員が「じゃあ、どうすれば決まるかな」と子ども達に問うと、

一人の子が「多数決にすれば?」と。

 

すぐさま多数決が始まりました。

 

多数決の結果は……

 

2人対3人で パンケーキ に決定しました!!!!!

 

 

やっとメニューが決まりましたが、材料はありません。

「どうしようか…?」の職員のつぶやきに子ども達が気付き

「買い物に行かないと」

「材料を調べないと」と、どんどんアイディアや活動に対する、やる気が出てきます。

材料はまふぃん専用のタブレットを使って調べることにしました。

 

卵、牛乳、ホットケーキミックスで作れることが分かると、早速買い物へ。

 

すると「先生、紙をください」と言いにくる子がいました。買う物をメモして行くとの事。

 

職員からの発信ではなく、子どもが自ら気付き行動できたことに感心した出来事でした。

 

お母さんがいつもこんなしてるもんね~♪

 

スーパーに着き、メモを見ながら探します。

「牛乳は大きいパック?小さいパック?」

「卵は10個入り?6個入り?」

と、1つのものを選ぶにも意見がぶつかり合います。

 

どのサイズがいいのかな〜

 

「こっちの牛乳の方がいい」と言う子に「どうして?」と聞いても「だってこっちのほうがいいから」と……。

自分の意見に理由をつけて話すこと。難しいですよね。

これからも話し合いの経験を積み、自分の意見に理由をつけて話すことができるようになったらなと思います。

 

今回の話はここまでで! 次回はいよいよパンケーキを作るところを詳しくご紹介しますね!

 

さあ、帰ったらパンケーキ作るぞ〜!

 

まふぃん錦ヶ丘 鈴木

母子分離(まふぃん)

今年度がスタートして2週間、午前中の療育に通っている子ども達は3、4人で活動を楽しんでいます。

年齢は主に1歳から3歳までの子ども達で、利用を始めて2、3年になる子もいれば、利用を始めたばかりでお母さんと一緒に活動に参加している子ども達もいます。

 

そんな中、今週から2名の子ども達が母子分離を始めました。
まふぃんの利用を始めてから3か月。

お母さん以外の周囲の友達とも関わる場面が増えてきたので、友達との関わりをより深め、活動への興味をさらに引き出せるようにするため、お母さんと離れて過ごす母子分離での活動に移行しました。

 

 

初めての母子分離。
登園した後、お母さん達と別れると大粒の涙が。職員に抱っこされながらもドアを指さしながら「お母さんがいい!」と必死に訴えていました。
30分程泣き続け、最後には泣きつかれて寝てしまいました・・・

母子分離3日目。
お母さんと離れると初めは泣いていましたが、母子分離を進めていく中で泣く時間も短くなり、30分経つ頃には落ち着いていました。

 

活動の「段ボール遊び」の時間。

遊んでいる姿を職員の側に座ってじっと見ていました。私たち職員は”見ている子ども”に対して「遊んでみようよ!」と促すようなことは行いません。

それは、遊びの中に無理やり入るよう促すと、自発的な行動ではない為、結果として「やっぱり、やめた」「したくないのに」という状態に陥ってしまうからです。周りの様子を観察することで、徐々に自分のタイミングで入ることができるようになっていきます😊

友達の様子をじっと見ています。

いないいないばあっ!(目はくぎづけ・・・)

このような対応をしてきたことで、母子分離をして1週間経った頃には子どもの行動に変化が見られました。

 

初めは周りの様子を伺っていましたが、友達の楽しんでいる姿を見て「やってみたい」と思ったのか、少しずつ友達が遊んでいる段ボールに近づく姿が・・・!しかし、不安になってくると何度も職員の所に戻ってきます。

その時職員は、子どもを抱きしめて不安な心を受け止め、安心できるように対応しました。不安な心を十分に受け止めてもらえると、安心できたのか、もう一度段ボールに近づこうとします。この繰り返しが何回かあったことで、最後には職員から離れて段ボールで遊ぶことができ、さらには友達の近くに行って同じものを使いながら遊ぶことができました♪

段ボールに近づいてみようかな・・・

友達に近づいて遊んでいます😊

 

 

母子分離にはもうひとつ目的があります。それは「自立への一歩目を踏み出す」ということです。

子どもは母子分離を始めると多様な価値観が生まれます。そして自らこの世界を冒険しはじめます。時には困難にぶつかることもあるでしょう。しかし、いつも頼っていた親はいません。自分で考え、困難に対応していく術を子どもは自ら身につけます。

家に帰り親に今日の出来事を言葉や行動で伝え、親といる安心感の中たっぷり充電。

 

そして再び冒険へ。

 

この繰り返しが「自立」に繋がります。

 

 

お母さんがいなくて不安になる子ども達も、その子なりに新しい環境や友達に関わっていこうと頑張っています。そんな子ども達の日々変化していく姿を感じ、とても嬉しく思いました。

 

新聞遊び(まふぃん錦ヶ丘)

今日の児童発達支援部門の療育は「新聞遊び」を中心に行いました。

活動のねらいは「集中して遊ぶ」「新聞紙を使って手先や指先の感覚を味わう」でした。

一見するとシンプルな新聞紙遊びですが、「ビリビリ~」と手に響く感覚を味わったり
小さく丸めて手や指先を使うなど、子ども達には身近でかつ扱いやすい素材です。

さて、まず大きな新聞紙を子ども達の目の前に広げ破って見せると、子ども達も同じようにやってみようと試みます。

「破れない…」「できない〜」と、保育士がやっていたように破れなくて苦戦。自分の思うようにいかず、イライラして遊びに対する意欲が落ち、活動に取り組めなくなったりする事があります。そんなときは「ここをもってごらん」と手を添えてみたり、上手に破ることができたら「それでいいよ!上手だよ!」と、子ども達が自らの力で、活動に対する集中力やイメージする力を伸ばすためにやる気を引き出せるような前向きになれるような言葉 = ポジティブになれる言葉 を選びながら、声掛けを行い子ども自身のやる気を引き出します。できたことを認められると、その喜びが楽しみに変わり、徐々に活動に対する意欲が定着してきます。それが「集中して遊ぶ」に繋がってきます。

しばらく活動していると、「破りやすくなるようにしてほしい!」と言ってくる子がいました。新聞紙に少しだけ切り目をつけてもらった子はスムーズに破り始めゆっくり、ゆっくり時間をかけて長くなるように破りながら、手に響く「ビリビリ~」の感触を味わっていました。新聞紙を破った時の手のびりびりはいくら口で説明しても体験しないとわかりませんよね。小さなことでも自分で体験するということがとても大切です。最初は思うように破れなかった新聞紙を、あきらめずに上手に破ることができたことが嬉しかったようでそれから集中して20分ほど破り続けていました。

 


破れた新聞紙が増えてくると、段ボールで囲いを作り「新聞紙の海が出来上がり~」と子ども達は大喜び。自らの手で破った新聞紙を両手ですくって頭の上に投げて、ひらひら落ちてくる新聞紙を「雨みたーい!!」と大はしゃぎでした。

また、お友達同士転がり、職員に新聞紙を渡して、「お布団にして~」といろいろなイメージを膨らませながら一緒に遊ぶ姿も見られました。気づけば1時間ほど集中して活動を楽しんだ子ども達でした。

活動の後は、ゴミ袋にしっかりと片付けもできました。今後も遊びの中で子ども達に身につけてほしい感覚を育てていけるよう工夫して参ります。
まふぃん錦ヶ丘 児童発達支援管理責任者 鈴木志穂

 

 

 

職員研修(まふぃん)

10日の午前中に職員研修がありました。

新しい職員も増えたことから、今回は「発達障害」の基礎的概要を確認しました。

発達障がいの子どもには、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動性障がい(ADHD)、学習障がい(LD)と大きく分けて3つの診断が出る場合が多いです。

 

・自閉スペクトラム症・

毎日同じ過ごし方ができないと、不安になる。相手の表情を読み取る事が難しい。冗談が理解できないなど

 

・ADHD・

物をなくすことが多い。集中して人の話が聞けない。ずっと待つ事が難しいなど

 

・LD・

「読む」「書く」「計算する」などの特定の分野の学習が苦手

 

まふぃんでは診断が付いていても、いなくても療育的アプローチにより、発達の課題や特性に働きかけます。

 

私が出会った3歳児のお子さんの話をしたいと思います。

初め来た時は、オウム返しと1語文が見られ、じっと座るのが難しいお子さんでした。しかし、1年たった今では2語文になり、その場に即した行動をとったり、双方向のコミュニケーションがみられるようになってきました。

 
お子様自身の成長はもちろんですが、療育活動でもこのような変化を後押しするための工夫を数々行ってきました。自由遊びでは友だちと多く関われるような環境を準備しました。ただ自由に遊びまわるのではなく、子どもが自然に友達を意識しながら遊べるような、そしてちょっと小競り合いも起こるような設定を敢えて意図して作りました。職員はもめ事が起こっても止めないで見守ってきました。(もちろん気持ちがたかぶり手が出てしまいそうな時には止めます)
 
人気のある遊具には順番待ちの渋滞をする事がよくあります。そのお子さんは自分が何度も遊びたかったのでしょう、怒った顔で友達を押しのけようとします。このような「何かをしたい」気持ち、それが通らず「怒ったり悲しくなる」気持ち、それから嬉しい気持ち・楽しい気持ちなど感情が動くときが、言葉を出すきっかけに繋がっていきます。

 
この3歳児のお子さんも友達とのかかわりを通じて感情が動いたことで、「いやだ」「ダメ」という言葉を出すところから始まり、その後活動を通じて「好き!」「楽しい!」「やる!」「できた!」というプラスの発語も見られました。

 
また、まふぃんでの運動遊び中、こどもたちは自分の順番が来るまで座って待ちます。ただ職員が「待っててね」と言葉をかけるだけで待てればお子さんも苦労はありません。どうしてもやりたい!という気持ちと、順番をまたなくちゃ、という気持ちの間で必死の葛藤をしている姿を見ることがあります。最終的に、自発的に座って順番を待つことができるような仕掛け・工夫をするのが職員の力量です。

 
子どもは、おかれた環境や大人の働きかけにによって大きく変わることができます。お子さんたちが、日々変わっていく姿、「できたよ!」と目を輝かせて伝えてくれるその姿を間近で見るたびに、私たち自身が学び続け向上し続けなくてはいけないのだと肝に銘じております。

おにぎりピクニック(錦ヶ丘)

こんにちは😃

まふぃん 錦ヶ丘、児童指導員の吉村です。まふぃん 上之園で6年間、療育指導員としてたくさんのお子様たちと過ごしてまいりました。4月からは吉野でたくさんのかわいいお子様たちとの出会いを楽しみにしています。

 

春休み最後の土曜日。桜も満開のポカポカお花見日和🌸、

放課後等デイサービスの子供達と御所覧公園までお花見に出かけました。

 

この日は初めてのお昼ご飯をはさんでの活動です。そう!この日のお昼ご飯は幾度も練習を行った「おにぎり」です。1週間の活動の中で何度かおにぎりを作ってきた子供たち。

 

はじめは ラップの切り方やふりかけの量で手こずっていましたが、回数を重ねるうちに少しずつ手際よくなってきました。

 

 

おにぎりをお花見に持っていくことを伝えると、「やった〜」「海苔のおにぎりにする!」と意欲満々でした。

 

それぞれで自分のおにぎりを作り、お出かけ前の約束をいくつかして、いざ!公園へ出発!

 

いつもは通学路として通っている片道5分の公園も、みんなで出かけるとなんだかワクワクしてきます。

 

公園に着くと早速お昼ご飯。「どこで食べようか?」と職員が尋ねると、「桜の木の下がいい」「暑いから日陰がいいんじゃない?」「食べたらすぐに遊べるように遊具の近くがいい」といろんな意見が出てきました。意見に意見を重ね、なかなか譲り合うことができずにいましたが時間をかけて話合う中で子供達の中で「ちょうどいい場所」を見つけ、シートを広げます。この「ちょうどいい場所」を見つけること。これが今回の活動の狙いのひとつです。

つまり、どういうことかと申しますと

 

ちょうど良い場所を見つけること=他者の意見に共感する、他者の意見を受け入れて折り合いをつける

 

ことに繋がってきます。

みんな自分の意見を通したい、自分の思い通りにしたい、そう思うのは当たり前。でもそこで相手の意見に少し耳を傾けられたらいいですよね。

その入り口を今日は少し体験してくれた様に思います。

 

外で食べるおにぎりは最高です!

 

食べ終えて遊ぶ時間になるとおにごっこをしたり、遊具の順番を待ったりと遊んでいました。

その遊びの中でも小さな揉め事がたくさんおこります。でも私たち職員は過剰に仲裁に入ったり、話聞かせたりすることはしません。子どもは子ども達の社会の中で問題を解決することがほとんどです。どうしても問題解決に至らない時や手を出しそうになる時だけ職員が介入します。

この小さな揉め事が子供たちの成長へと確実に繋がっていきます。

 

他者に合わせられるということは、一方的に喋ってしまうのではなく、相手の話を落ち着いて聞けるようになる事に繋がってくると思います。(授業中は特に大事ですよね)

 

そして相手の話が聞けるようになると、自分の意見も相手に伝えられるようになっていきますよね。

 

 

まふぃん 錦ケ丘での初めての戸外活動。「楽しかった」「またみんなで行きたいね」と、大満足の子供たちでした🍙🌸

子供たちは楽しかった思いはもちろん、悲しい悔しい、いろいろな気持ちの中で日々成長しています。

まだまだ先の話になるかと思いますが、今後は自分たちで行先などを話し合い実行に移していきたいと思います。

 

私たち職員も日々の活動や体験を通して、子供たちの心と体が成長していく姿を楽しみにしています。

 

 

お花見(まふぃん)

まふぃんの近くにある共研公園に桜が咲き始めてきました。「桜きれいだね」「いっぱい咲いてきたね」と嬉しそうに話す子ども達。

そんな時、ちょうどナガヤタワーの方からお誘いいただき、一緒に花見をすることになりました。

 

前日…。お花見に食べ物を持っていくことは決まりましたが、何を作っていこうかはまだ決まらず…💦 子ども達が以前からサンドイッチを作りたいと話していたことを思い出し、サンドイッチを作ることに決まりました!

 

当日…。花見をすることを知った子ども達。「やったー」「楽しみ」と期待を膨らませていました😊

 

さあ、サンドイッチを作ります!しかし事前にサンドイッチの材料は買ってきていないので、高学年の子に買ってきてもらいました。職員が見守る中、1人で材料を買うことが出来ました✨

 

しかし、初めから1人で買い物が出来ていたわけではありません。頼みごとをしても、1つのことしか覚えられなかったり、周りの環境に緊張しすぎて、カゴ持ちをするのが精一杯の時もありました。その為、職員が声掛けを行いながら何度も買い物活動を行ってきました。何度も体験してきたことによって、見通しを持ちながら経験を重ねることができ、今では自信を持って買い物をすることが出来ています。

「実際に体験して学ぶ」ことが、次回の活動にも影響し、「次はもっとこうしたい」という思いも芽生え、自発的な意欲にも影響を与えているんですよ。

 

買い物に行っていない子ども達はというと…

ナガヤタワーに住む人と交流が出来るように、自己紹介カードを作りました。上には名前を書いて、下には自分の知ってほしい事を書こうと決まり、子ども達にどんなことを知ってほしいかを聞いてみました。「好きなテレビ番組を書きたい」「好きな動物がいい」など様々な意見がありましたが、話し合った結果「好きな食べ物」を書くことに決定!

 

さて、買い物の子が帰ってきたら、楽しみにしていた「サンドイッチ」作りです。

 

①ニンジンやキュウリを食べやすい大きさに切りました。

事前に、材料を支える手の形を確認してから1人ずつ行いました。手を切りそうな時以外は、職員は見守っています。1人で経験する事で「どうしたらもっと自分で上手くできるようになるのか」と考えるきっかけになり、今までになかった新たな経験として繋がっていけるからです。

教えてできた時よりも、自分から学んでできた時の方が喜びが大きく、より自信をもって取り組むことができます。

初めは、包丁でうまく切られない子も自分で切れた時には「できたよ」と笑顔になっていました😊 その後も「いっぱい切りたい」と意欲的な姿を見せてくれましたよ。

②パンに具材をはさみました。

ウインナーやレタスなどの好きな具材を挟んでサンドイッチを作りました。子ども達が自由に作れるように見本は見せませんでしたが、それぞれ試行錯誤しながらサンドウィッチを作っていました。パンからはみ出さないように具材を入れる子、友達と話し合いながら具材を入れる子など様々でしたが、みんな真剣な顔つきです。

先生に作ってくれる子は、「何を入れたらいい?」と聞いてくれ、一生懸命に作ってくれました。相手のためを考えて作れるようになってきているのを感じ、とても嬉しく思います!

 

準備が終わったら共研公園にレッツゴー♪

「さくら、きれいだね」「ナガヤタワーの方は来るかな?」と楽しみにしている子ども達。

全員集まる前まで、いろんな方と会話をする機会がありました。事前に作っていた自己紹介カードがあったおかげで、名前を伝え合ったり好きな食べ物を聞いたりして話が盛り上がっていましたよ。

地域の方と交流する事で「いろんな人とのコミュニケーション力を養う」「言葉に気を付けながら話す」などのことを学んでいます。以前は、「あの人の隣は嫌だ」と言ったり、知っている人だけで会話をする姿がありました。しかし、定期的にナガヤタワーの方と行う「ナガヤ交流会」を経験してからは、言葉に気を付けながら会話をする姿が見られるようになり、自分から話しかける子も増えてきました。

これからも交流会を続けて子ども達の成長と学びを追っていきたいと思っています😊 次は、ナガヤの方とどんな話をするのか楽しみです!

おにぎりプロジェクト始動!(まふぃん錦ヶ丘)

 

まふぃん錦ヶ丘の放課後等デイサービス部門がスタートし、元気な子ども達が通所してきました。早くも1週間が過ぎ、3名のお子様が通所し始めています。

 

今日はまず おやつの おにぎり を作るところからはじまりました。

そうです。すでにご存じの方もいらっしゃるかと思いますがまふぃんのおやつは「おにぎり」なんです!

詳しくはこちらをごらんください。)

 

初日は保育園からもみ付きのお米を頂いたので、利用している子ども達とそのまま精米に行きました。

さすがは吉野ですね! まふぃん錦ヶ丘から車で5分圏内にコイン精米所(通称コメ太郎)がいくつもありました。笑

 

コメ太郎にお米を運び「ここは何をするところ?」と尋ねるT君。

 

精米機にgo!

 

「お米を精米するところだよ」と説明しましたが、それでも小学生には理解が難しいようでした。 一俵のお米を機械に入れ込み、硬貨を入れ、いざ精米スタート!

 ゴーーーーー という大きな音とともに少しずつお米が減り、反対側の出口から 再び  ゴーーーーー  と鳴りながら、大量のお米が一斉に飛び出してきました。

 

白米になって出てきた!

 

「わーーーーーー!!!!」 機械の音に負けないくらいの、大きな声で驚きを隠せない子ども達。

「僕ね、こんなの初めて見たよ」

「今日来て本当によかった~!」

と驚きと感動を表情豊かに表現してくれました。

 

それと同時にもみが取れて、白米になったお米を見て、やっとこの正体がお米だった事に気が付いた子ども達でした。

 

 

まふぃん錦ヶ丘に到着し、おにぎりの準備を始めました。

 

精米したてのお米を水で洗います。「わあ、お水が白くなった」

 

すぐに白くなった!

 

お米が流れないように、水を捨てるのが難しいようでした。

 

数回お米とぎをして、いざ炊飯器へ!

 

精米や米とぎをしているうちに「あ~待ちきれない」「早く炊き上がらないかな」と、食べたくなってしょうがない様子でした。

 

さて、ご飯が炊きあがり、おにぎりを作ろうとするのですが、ラップの準備をするのに悪戦苦闘…

うまく伸ばせられなかったり、切れなかったりして、自宅にあって見た事はあるけど、初めて使うようで手こずっていました。

 

うまく切りたい…

 

職員が手を添えて、一緒に持ったり、切ったりすることでコツを掴み、2回目からは一人でなんとか切れるようになりました。

 

自分の好きな味付けをして、ラップで握り、人生初のおにぎり完成!!

 

 

余ったご飯で、職員の分も作ってくれましたよ。

 

 

おにぎり作りから見えてくる子どもたちの様子も療育に繋がってきます。

我々はそれを「おにぎりプロジェクト」と呼んでいます。

 

 

おにぎりプロジェクトには

①他の人のことも考える

②臨機応変に対応する

③おにぎりの具材で苦手な食べ物にもチャレンジする

といった3つのねらいがあります。

 

今はまだ少人数で、ご飯の量は2合でも余るくらいなのですが、登録数が増えてくると2合では足りなくなってくる事があると思います。

職員で調整する事は可能ですが、そこを敢えて「この人数に対して〇合必要」といったマニュアルは作っていません。

 

大体足りる量を見込んで、ご飯の用意は行いますが、子ども達で「今日は〇人だから、これくらい次の人の分を残しておけば足りるかな」といった感覚が生まれるように意図的にご飯を炊くようにしています。

 

それが①「他の人の事も考える」に繫がってきます。

 

また、他の人の事を考えていたのにも関わらず、足りなくなってしまう事はあると思います。そんな時にも、自分の事ばかりでなく、相手の気持ちになって考えられるようになったり、足りなくなって怒ってしまう、で終わらせるのではなく「足りないのなら、代わりの方法を考えよう」といった考えが出てきてほしいですよね。

それが②「臨機応変に対応する」に繫がってきます。

 

今は市販のふりかけを使っていますが、おにぎりの具も徐々にバリエーションを増やしていこうと思っています。上之園のまふぃんで行ってきた取り組みとして、切り身を焼いて、身をほぐして「鮭フレーク」を作ったり、自家菜園で育てたピーマンを塩昆布で敢えて、おにぎりのお供にしてきました。

他にも梅干や豚みそ(自家製)を提供していました。始めは「食べたことないから食べない」「苦手!」といったお子さんもいました。ですが、友だちの「おいしい!おかわり!」「初めて食べたけど、美味しかった!」という言葉を耳にすると、その言葉や雰囲気が徐々に周りにも広がり「じゃあ一口だけ食べてみる」に繫がっていきました。

それが③「おにぎりの具材で苦手な食べ物にもチャレンジする」に繫がってきます。

 

おにぎり最高!

そういったおにぎりプロジェクトから見えてくる、またブログを通して、皆様にお伝えしていけたらと思います。

 

(児童発達支援管理責任者 鈴木志穂)

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