発達のねらいと学習のねらい(錦ヶ丘)

まふぃんでは、運動遊び、構成遊び、感触遊びなど様々な活動を行っています。ブログでも活動についてお伝えすることがありますが、その際活動の「ねらい」も一緒に出てくると思います。

まふぃんでは、ねらいの無い活動は存在しません。それは、私達職員がねらいを元に活動を組み立てているからです。

 

ねらいって?

まふぃんでは子供たちに身につけて欲しい力や、行動の変化の為に引き出したい姿のことなどをねらいと呼び、学習面と発達面、それぞれのねらいを立てて活動に臨んでいます。

 

学習のねらい

・友達と場所の共有ができる。

・順番を待つことができる。

・勝負事で気持ちのコントロールができる。

など、周囲との関わりの中で身につけてほしい力のことを学習のねらいとよんでいます。

 

例えば、友達との遊びで負けてしまうと、悲しい気持ちを抑えられなり大声で泣いたり暴れたりしてしまい、なかなか気持ちを切り替えられない。

気持ちが崩れないように、勝負事や苦手なことから遠ざけていれば楽しく過ごすことはできます。しかし、まふぃんでは悔しい気持ちも感じながら、自分で気持ちを切り替えられるようになっててほしい為、敢えて気持ちが崩れるような場面もたくさん経験できるようにしています。

負けて、悲しい気持ちが止められず、大きな声で泣いてしまう時には、職員に気持ちを十分に受容してもらい落ち着いて戻ってくることができる。というねらいをたてたり。

落ち着けるまでの時間が短くなってきたら、職員の声掛けで気持ちを落ち着けて、次の勝負をその場で待つことができるようになる。など、子どもの姿に合わせて、ねらいも少しずつステップアップしていきます。

学校で、悲しくなった時や悔しくなった時、教室から飛び出してしまったりすると本人も危険ですし、周囲も困ってしまいます。

気持ちを落ち着けて、次の行動に移れたり、落ち着いて友達や先生に自分の気持ちを伝える等、自分の気持ちが崩れた時の対応方法を身に付けてほしいと思います。

 

発達のねらい

・指示の違いに気付く

・手足を伸ばして取り組む

・多様な感触に慣れる

などの、活動に取り組む中で促したい発達面でのねらいです。

汚れるのが嫌だから、絵の具で遊ぶのはやりたくない…

周りをよく見ずに走ってしまい、怪我をしてしまう…

そんな子ども達に、苦手に感じている事も、受け入れられる事を増やしてほしい。体の動かし方も沢山経験して、怪我なく安全に遊ぶことができるようになってほしい。活動の中でも「ちょっとやってみようかな?」と思い、参加できるような工夫をしています。

 

運動遊びでは子ども達の動きのアセスメントを行い、子ども達の苦手を把握してより具体的な発達面のねらいを立て、活動に繋げています。

いろんな身体の使い方

また、作業療法士のアドバイスを受け、発達のねらいと活動を見直す機会も設けています。

ねらいと活動を考える

『園や学校で一斉指示を聞いて動けるようになってほしい。』

『感触にとらわれ過ぎずに過ごせるようになってほしい。』

『部屋や教室から出なくても最後まで授業や活動に参加できるようになってほしい』

大きな集団の中でも、自分が困らずに過ごすためにはどんな力が必要なのか、子ども達のこんな風になったらいいなの姿を想像しながら、こんな力を付けてほしい…と職員同士で活動毎に打合せや振り返りを行い、検討する日々です。

今後も毎日の活動の中で、子ども達が頑張った!悔しい!等の感情を沢山感じながら、発達・学習のねらいを一歩一歩達成する姿を支えていきたいと思います。

 

まふぃん錦ヶ丘 岡田

お米の発表(錦ヶ丘)

参観週間の最終日に、子ども達が保護者に向けて、今年度のお米プロジェクトの発表を行いました。

お米の発表は、昨年度の活動報告(活動報告会(両事業所)

夏休みに学校の先生方に向けた「おもてなしプレゼンテーション」(バケツ稲作りを通して(錦ヶ丘)

そして今回の参観週間の3回になりますが、利用日の関係から3回とも同じメンバーではなく、毎回違う子供たちの組み合わせ。

発表の経験が3回目のベテランもいれば、今回が初めましての子どももいましたが、自然に経験のある子が初めての子に教えてあげる姿も見られ頼もしく思うことでした。

子ども達は、人前に立つという経験やそれを重ねることで、さらに成長したようです。

 

日々の小さな積み重ね

人前に立って話をするって、私たち大人でもドキドキしますよね。

まふぃんの子ども達の中には、相手に自分の思いを伝えることや、人前で発表するのを苦手だと感じる子もいます。

自分が「こうしたい」「こう思う」などの気持ちを言葉にできないために、誤解されてしまったり、せっかくの良いアイデアを伝えられなかったり…。という困りごとが少しずつ解消できるように、まふぃんの日頃の活動の中で小さいグループを作り自分の意見を言う経験や、帰りの会などでお題に対して自分の意見をみんなの前で発表する経験を重ねてきました。

自分を知る・友達の事を知る

発表に向けて、高学年の子を中心にパワーポイントをつくり、みんなでポートフォリオを作成しました。

昨年度は意見がぶつかったり、気持ちが崩れたり、喧嘩になったり、気分が乗らずになかなか進まなかったりする場面もありました。それでもみんなで一つの目標に向かって同じ方向を向き、やり遂げた時の達成感が自信となりました。

この昨年度の経験が団結力や自信に繋がり、今年度は、職員がたくさん声掛けしなくても、「パソコンが得意だからスライドを作るよ。」「人前で話すのは苦手でも受付や席への案内は大丈夫。」「クイズを考えるのが好きだ。」など、子ども達は自分や友達の性格や得手不得手をよく分かっていて、子ども達で役割分担ができていました。

 

まさしく子ども達同士で適材適所を見極めて、それがドンピシャ。職員も納得の役割分担でした。

それは、お米の発表を通してだけでなく、日頃のまふぃんの活動の中で、友達と関わったり協力したり、時には意見がぶつかってケンカをしても仲直りできたり…。

そんな子ども達の姿を、療育の中で引き出したり、見守ったりしながら関係性を築いてきたことで、友達の良いところや苦手なところも見えてきたのだと思います。

今回の発表。みんなが一つの目標に向かう事で、友達の苦手なところをカバーする力も育っている事を感じました。

 

泣こよかひっ飛べ

どんなに用意周到に準備していても、当日何があるか分かりません。

今回は、クイズの途中に答えの食い違いからヒヤリとする場面がありました。

どうなるかなと職員も少しドキドキしながら見守っていると…。

進行役の子がひょうきんな仕草とともに、「そっか。まちがえた!」と…。会場に笑いが起こりました。

そのおかげで、緊張していた重い空気が一変。和やかに進んでいきました。

間違えも「えい!やっ!」と、笑いに変える度胸。まさしく薩摩郷中教育の教え、結果を恐れずに行動してみる「泣こよかひっ飛べ」。

敢えて失敗させて気持ちを切り替える経験、友達の間違えを受け入れる経験を日頃の療育で繰り返してきたから、思い切ってやってみようとするチャレンジ精神も育ってきたのだと嬉しく思う瞬間でした。

 

ドキドキの発表が終わった後は、お父さんお母さんと一緒に橋口農園で収穫したおにぎりを食べました。

子ども達もさることながら、保護者の皆さんのいい笑顔。

みんなで一つの目標に向かって進むって素晴らしい!

この笑顔が、来年も見られるようにお米プロジェクトは進みます。

 

お米プロジェクト担当 田尻

2月 園長のつぶやき(錦ヶ丘)

療育参観週間には、たくさんの保護者の皆様にお越しいただきありがとうございました。昨年度までは年度末に活動報告会として、職員から一年間の取り組みや子ども達の成長、変化についてプレゼンテーション形式でお伝えしていました。今年度はより多くの保護者の皆様にまふぃんに来ていただき、日頃の活動の様子を見ていただきたい、お家で見せる姿とはちょっと違うまふぃんで頑張る子ども達の姿を是非見ていただきたいとの思いで参観週間を実施いたしました。

子ども達が小集団の中で友達と関わりながら、いろんなことができるようになり、たくさんの自信をつけていった姿を実際に見ていただき、そこに私たちが療育の中でどのように関わり、支援を行ったのかを、お伝えできたのではないかと思います。

 

 

楽しいことが大好きでいろんなことに興味があり、椅子に座ることが苦手だった子。まふぃんの小集団で、「やりたいから我慢する」の経験をたくさん積み、小さな出来た!を繰り返し今では保育園でもまふぃんでも、きちんと椅子に座り名前を呼ばれる順番をワクワクしながら待って、元気よく「はい」と返事ができるようになりました。座って話を聞けるようになったことで、今は何をする時間、次はこれをする時間と少し先の見通しを持って生活することができるようになりました。周りを見て、みんなと一緒に活動することで友達との関りも増えてきています。「やりたいから我慢する」「本当はまだこれをやりたいけど今は我慢する」。これから先、学校に行き社会に出ていくための大切な力、自分自身が困らないためにも周りを困らせないためにも大切な力ですね。

 

友達と一緒に遊びたいけれどどうやって関わっていいのかが分からず、学校でもまふぃんでも何でも受け身だった小学生が、「僕もあの子みたいにかっこよくなりたいな」と友達に憧れを抱き、自分からいろんなことにチャレンジできるようになりました。初めは自分の興味のあることを相手に伝えることから練習し、「やればできる」の自信をつけました。協力する活動、話し合い活動、お手伝い隊、全ての活動がこの子の力になっていることを感じます。

 

ここには書ききれないほど、子ども達それぞれに成長と変化があります。

先日、まふぃん職員が書いたブログにこんな文章がありました。

「苦手な部分だけでなく得意なところ、出来るようになったことにも注目することで自信にもつながっていくことを感じました。」

いろんな身体の使い方 (錦ヶ丘)

療育には、家庭や園や学校での困りごとでつながってくることがほとんど。まふぃんの使命は子ども達が社会に出るうえでの困りごとが少しでもなくなるように支援していくことだと思っています。日々子どもと接しているとついつい出来ないことにばかり目がいってしまいがちですが、子ども達のできるようになったことにも目を向け、そっと背中を押してあげたり少しのきっかけや道標作ってあげたりすることも大切な支援です。

 

マジックミラー越しにお子様の頑張る姿を見る保護者の皆様の笑顔。我が子だけではなく、他の子ども達にも思わず「頑張れー」と声を出して応援する笑顔。子ども達のたくさんの笑顔と、保護者の皆様の優しい笑顔を見ながら、まふぃんでの療育の効果を実感し更なる支援の質の向上を目指していこうと改めて感じた参観週間でした。

 

まふぃん錦ヶ丘

施設長 吉村佳代

 

 

 

【ザリガニ、なんでいたらいけないの?】(錦ヶ丘)

今年度、錦ヶ丘のビオトープの生態系を守るためにまふぃんで取り組んできたアメリカザリガニの駆除、通称『ザリガニバスターズ』のお仕事。

夏が過ぎ、しばらくお休みしていたバスターズに新たな仕事依頼が舞い込みました。さて、今回はどんな依頼でしょうか?

 

 

お願いのあった依頼は

『園の子ども達に、ザリガニを駆除しないといけない理由を教えてほしい』

というものでした。

まふぃんの子達同様、隣接するこども園や保育園の子達もザリガニ捕獲に挑戦したようですが、捕まえた後に駆除しないといけないことを伝えると「えーかわいそう!!」となり、園の職員もどうすれば分かってもらえるかを考えたそうです。

そこで、理由をよく知っているザリガニバスターズ諸君に依頼がやってきたのです。

 

そもそもアメリカザリガニは、外国から運ばれ、日本で繁殖した【外来種】です。

その中でも『条件付き特定外来生物』に該当し、捕獲や飼育などは良くても、放流や運搬、販売は禁止されています。

アメリカザリガニ | 日本の外来種対策 | 外来生物法(環境省のHPに詳しくのっているのでぜひご覧ください)

 

でも

「特定外来生物だから」

「飼育はせずに処分しましょう」

と説明したところで、幼い子達はきっと「?」ですよね。

 

どうやったらザリガニを駆除する理由を伝えられるか、幼い子でも理解してもらえる方法は何かを考えた結果、馴染みのある紙芝居にして伝えることに決定!

内容も子ども達に話し合ってもらい、ザリガニが日本に広がった経緯を含めてビオトープの中にいる小さな生き物を守りたいことを中心に描いていくことになりました。

 

 

分かりやすく伝える

完成した紙芝居、まずはまふぃんの子達や職員に読み聞かせしてもらいました。

その様子を動画に収め、担当の子に自分で見た時にどう感じたか聞いてみることに。

すると

「すごいそわそわしてる…」と一言。

客観的に自分を見ることで、相手からの見え方・感じ方に気づいたようでした。

また、本番前に

「園の子ども達に分かりやすく伝えるためにはどうしたらいいかな」と伝えると

・ゆっくり丁寧に読む

・小さい子達が分かりやすい言葉で伝える

という意見が出てきました。自分の視点からではなく、相手の視点や年齢の違いによっても話し方・伝え方を考える必要があるのに気づき、本番まで練習を重ねていきました。

いざ、本番。園の子ども達に披露する時に見せた姿は、

・立ちながらなのに見えやすさを考えて持つ

・一場面ごとにゆっくりはっきり読む

・相手の反応(掛け合い)を大事にする …などなど。

「外来種を知ってる人は手をあーげて!」

「分からなかった人はインターネットや図鑑でも調べてみてね」

と、子ども達の反応を引き出すのもとても上手でした。

 

ザリガニ捕獲や駆除のこと以外にもザリガニの生態などの質問も飛び出しましたが、一つひとつ丁寧に答え、難しい話になると「なんて言えばわかりやすいかなぁ」と真剣に考える様子は、とても立派でした。

 

自分達が調べたことを発表したりまとめたりするのは、学校の授業などでも経験があると思います。

しかし、『相手の立場になり、伝えたいことを分かりやすい言葉で伝える』ということは、意外と難しく経験がない子も多いかと思います。今回の経験を通して、聞き手の立場になって考える・伝える経験が実生活にも結び付き、これからの学校生活にも影響していってくれたらと思っています。

 

ビオトープ前に看板も立てました!ザリガニバスターズ達の力作です!

保育園園舎前に立ててありますのでぜひご覧ください。

「ふぅー緊張したぁ!」という子ども達に

「次は保育園の子達も読んでほしいな」という新たな依頼も!

ザリガニバスターズの活躍はまだまだ続きそうです。

 

 

まふぃん錦ヶ丘 今屋

みんなで一緒に隠れよう!(錦ヶ丘)

児童発達支援でよく行っている段ボール遊び。

段ボール運びや段ボールツムツムなど、いろんな遊びがありますが、今回は段ボールかくれんぼを行いました。初めは1人1個の段ボールがあったので、うまく隠れる事ができた子ども達でしたが、だんだん段ボールの数が少なくなると、みんなで隠れるのが難しくなってきました。さて、うまく隠れる事ができたでしょうか。

 

まふぃんに来ると「今日は何をするの?」と聞いてくる子どもたち。どんな遊びをするのかな…と毎回楽しみにしています。

部屋の中の段ボールを見て、

「もしかして段ボール運び?」「段ボール積みじゃない?」

と予想していましたが、段ボールかくれんぼをする事を伝えると「よっしゃー!」とワクワクした表情に。

みんな段ボールかくれんぼが大好きです。

 

段ボールかくれんぼ

最初は1人1個の段ボールを準備し、段ボールかくれんぼに挑戦!

「どこに隠れようかな」

と段ボールを探して中に入ります。

隠れる時間は10秒しかありません!急いで、急いで~!

「さて、どこに隠れたかな…」

職員が探しに行くと

見つからないように、じっと隠れています・・。

座って見ている子ども達も、真剣な表情で見守ります。

上から見るとうまく隠れていましたが

しゃがんで見てみると…

あらら~・・・

体がひょっこり見えていました。

次はどうやって隠れたら良いのかな?

再チャレンジです!

 

みんなで隠れるにはどうしたら良いか?

次はレベルを上げて、段ボールの数を少なくしてみました。

すると、1人1個の段ボールに隠れることができなくなるので、段ボールの取り合いをする場面も。

「ぼくが先に入る」「1人で入りたいからどいて!」

お互いなかなか譲れません。

「早く入らないと、時間が来ちゃうよ」と声を掛けると

「隠れないと見つかっちゃう!」と、慌てて2人で入りました。

 

2人で段ボールの中に入った子ども達。

初めは段ボールの取り合いをしていましたが、今では仲間です。

職員に見つからないように、お互い縮こまって静かに隠れていました。

バレないように、見つからないように…。

頑張って隠れていたので、最後まで見つからずに逃げ切る事ができました。

「すごいね!2人で隠れたんだね」と、職員や友達から言われると

「すごいでしょ!」と誇らしげな顔をしていました。

 

初めは段ボールを取り合ってまでも「1人で段ボールを使いたい!」と思っていた子ども達。

でも、いくら引っ張っても段ボールを取り上げる事ができない。

時間が迫っているので、どうにかしてでも隠れなきゃ!

ゲームに勝ちたいので最終的には友達と一緒に隠れる選択しました。

「絶対1人で隠れたい!」とずっと段ボールを取り合っていたら、きっと隠れる事もできなかったでしょう。

「成功したい」「ゲームに勝ちたい」気持ちが強かったからこそ、「友達と隠れても良いかな」と考えを変える事ができたのではないかと思います。

また、友達と一緒に隠れられた!という体験をした事で、協力し合えば成功する事を知った子ども達。

自分が入っている段ボールの中に友達が入ろうとすると、以前は「ダメ!」と言っていましたが、今では「一緒に入っていいよ」「早く入って」と協力し合う姿が見られるようになってきました。

時には、「自分がしたい!」という気持ちが強く、相手の意見を受け入れられない時もありますが、今回の一緒に隠れる事を通して、「自分1人で隠れたい」から「まぁ、友達と一緒に隠れてもいいかな」と折り合えるようになったことがとても嬉しかったです。

活動が終わると

「もっとやりたい!」「まだしたい!」

とエネルギッシュな子ども達。

最後までとても楽しそうでした。

これからも、友達と一緒に楽しく取り組む経験をたくさん積めるような活動を行っていきたいと思います。

 

まふぃん錦ヶ丘 亀澤

いろんな身体の使い方 (錦ヶ丘)

まふぃんの子ども達は、運動遊びの時に、床に落ちてはいけない。という分かりやすいルールのもと、机や椅子などを組み合わせたものに身体の動きを合わせながら渡ったり、よじのぼったりすることに挑戦しています。

子ども達は、このように環境に合わせて身体を動かしていく中で、体の動かし方や危険予測などの力を身に付けていきます。

最近は、より具体的に子ども達の苦手な動きはどのようなところなのかということに注目して活動を行っています。

 

苦手な動きのアセスメント

動きのアセスメントのため、くぐる、わたる、よじのぼるなど、環境に合わせて動く運動遊びに加えて、根っこの動きに取り組んでいます。

人間は、生まれてから、寝返り、腹ばい、よつばいなど、床に近い動き(根っこの動き)を経験し、2本足で立って歩くための体幹を身に付けていきます。

この、根っこの動きをが充実することで、多様な動きを身につけられたり、怪我をしにくい身体となっていくそうです。

実際に子ども達に根っこの動きをしてもらうと

・腹這いで片方の足しか動かしてない

・蹲踞でバランスを崩して途中で倒れてしまう

・四つ這いの時に膝から下が浮く

など、うまく体を動かせていない部分が見えてきました。

 

苦手な動きを取り入れながら、楽しく動く

私も昔から運動は苦手で、運動会や持久走では、早く時間が過ぎてほしいと願いながら過ごしていました。

でも、昼休みに遊んだブランコや鬼ごっこでは、とても楽しく身体を動かして遊んでいたのを覚えています。

ただ苦手な動きに取り組むだけでなく、

・捕まらないように…

・負けないように…

・落ちないように…

など、子ども達がワクワクするようなちょっとした工夫で、「またしたい!」「どうしたらできるんだろう?」と楽しく取り組めるのかもしれません。

 

蹲踞相撲

腰を低く落としてバランスを取る蹲踞の姿勢は、動きの途中で手をついてしまったり、膝をついてしまったりと、苦手な子が多い動きです。

普段はなかなかしない動きで少し難しいのですが、まずはこの動きが嫌いになってしまわないように、楽しみながら蹲踞の動きができるように考えました。

お相撲さんになって、土俵入りしてみたり

一対一のお相撲にも挑戦!

力が強い子よりも、上手くバランスを取れる子が勝ち進む中で、負けた子からも「すごい!横綱だ!」と相手を賞賛する声もあがり、勝ち進んだ子の誇らしげな表情も見られました。

蹲踞の姿勢を通して、つま先で体を支え足指にぐっと力を入れること、バランスを崩して「おっとと・・」となった時に体を立て直す感覚を身に付けてくれたらいいなと思います。

子ども達の色々な動きを行い細かく見てみると、少しずつ得意不得意な部分が見えてきます。

また、苦手な部分だけでなく、得意なところ、出来るようになった動きにも注目する事で、自信にも繋がっていくことを感じました。

私自身も苦手なことが沢山ある運動ですが、苦手な私だからこそ、こんな運動ならやってみたいかも、ということ沢山考えられるはず!

こども達の行っている動きを実践して、正しい動きを身につけ、子ども達が「またやりたい!」と思うような運動遊びを考えていきたいと思います。

 

 

まふぃん錦ヶ丘 岡田

わらべうたってすごい!(錦ヶ丘)

まふぃんの活動の1つに「音楽あそび」があります。

 

・音に合わせて体を動かすリトミック

・相手に合わせたり、お手本を見て行うわらべうた

 

同法人のこども園、保育園でもわらべうたの活動を行っていることもあり、

今回こども園のわらべうた研修に参加させて頂きました。

 

わらべうたってなに?

 

わらべうたとは・・・

日本で古くから歌い継がれてきた遊びです。

音を耳で聞き、仕草を目で見て、真似をしたり体を動かす等、体全部を使う遊びです。

 

皆さんも一度は聞いたことある!という曲も多いと思います。

わらべうたは子ども達にとって耳にも止まりやすく歌いやすい遊びです。

 

わらべうたの研修を受けて

 

0歳の小さな子どもでも音に触れる事が出来る、体と心の成長に合わせて歌を変えていくことが出来るのも特徴だと知る事が出来ました。

小さい頃は大人と子どもとが触れ合い、少しずつ大きくなると体を動かしていき、お友達に合わせて行う、集団で行う歌へと変化させていきます。

私自身、わらべうたを行う際についつい・・・

 

「せーの!」

 

と掛け声をかけて一斉に始めてしまう事がありました。

 

主になる人に合わせて、自然と子ども達が阿吽の呼吸で合わせていくもの。

こちらがさせようと思ってしまってはいけない。

 

と言う事を学ぶ機会になりました。

思い返すと、少しざわざわしている中でも歌を歌い始めると自然と子ども達が注目し、徐々にみんなが合わせていく。そんな光景を今まで何度も見てきました。

 

まふぃんのわらべうた

 

まふぃんのような小集団の中で周りを見て合わせたり、大きな集団では恥ずかしくてなかなか前に出れない子も馴染みのあるわらべ歌で繰り返し遊ぶうちに、少し恥ずかしがりながらもみんなの前に出る経験を積み自信へ繋げて行きたいと思っています。

 

「おてぶしてぶし」や「ちゅっちゅっこっこ」など座って行う指遊び

 

・しっかりと座って取り組む

・よく見て真似をする・みんなのお手本になる

 

「おふねがぎっちらこ」や「なべなべそこぬけ」等、お友達と一緒に行う遊び

 

・相手に合わせる

・手を握ったり引っ張る際の力加減

 

「かごめかごめ」や「あぶくたった」等の集団遊び

 

・周りに合わせて動く

・順番やルールを守る

年齢や歌によってねらいが様々です。

 

子ども達の変化

まふぃんに通所し始めた頃、座っていられず活動途中に立ち上がったり、自分の順番が待てなくてつい先走ってしまっていた子が、つい最近のわらべ歌遊びでは30分間しっかりと参加し、職員の真似をしたり、合図と共に動くことが出来るようになっていました。

前に出てみんなに注目されることが苦手な子も、始めは3人で前に出て、次は2人で・・・と経験を重ねる事で自信を付けていき、今では1人で前に呼ばれても堂々と取り組む姿が見られます。

 

子ども達が小さいうちは繰り返し行うことで発語を促したり、体の動きを遊びながら知る事が出来るわらべうた。

相手に合わせたりルールを守るなど、まふぃんが子ども達に身に付けてほしい「社会性」へと繋がる要素が沢山詰め込まれています。

 

わらべうたの心地よさを感じながら、療育で行う活動として、子ども達の「できた!」と言う成功体験や社会性、対人関係(コミュニケーション能力)が養われていければと思います。

 

 

まふぃん錦ヶ丘 日髙

1月 園長のつぶやき(錦ヶ丘)

10年に一度の大寒波と言われた雪の日。皆さま、ご無事だったでしょうか?

私はまふぃんから自宅まで車で10分ちょっとの道のりを、2時間かけて帰りました。車で自宅に向かったのですが、目の前で次々にスリップする車を見て怖くなり車を置いて徒歩で帰宅することに。どんどん降り積もる雪、つるつる滑る道、寒さでガタガタ震える体・・。自宅までの道のりが果てしなく遠く感じた夜でした。

 

雪道を歩きながら、ふと「あれ?これって・・」と感じることがありました。

 

まふぃんの活動で行っている運動遊び。くぐる・わたる・のぼるをメインに子ども達の発達段階に合わせて課題が変わっていく、未就学児も小学生も大好きな活動です。子ども達は目の前の課題に対して「どうやったらわたれるかな?」「こっちを行ったら落っこちちゃうかな?」と考えながら手足を伸ばしたり、身体の向きを変えたりしていきます。

運動遊びでは危険予測、危機回避能力を意識したねらいを立てて活動を行うことがあります。子ども達ってちょっと危ないことが大好きですよね。私もそうでした。大きく揺れるブランコからジャンプしてみたり、川の淵ギリギリを歩いてみたり。大人になってもその時の感覚はしっかりと覚えています。高いところからジャンプして足がキーンとなる感覚、川の淵でぐらつき必死に身体を立て直す感覚。そんな経験をしながら子どもなりに「これ以上やったら危険!」という感覚を身に付けてきました。

運動遊びではもちろん怪我をしないように大人が安全管理をしっかりした環境の中で、ちょっと危ない?でもやってみたい!の経験をしています。1回目失敗すると、次は絶対に失敗しないように行動が慎重になり更に手足をいっぱい使ってわたったり、滑って落ちないようにつま先にぐっと力を入れ両手でしっかり握ってのぼったりと、経験を重ねるごとに子ども達の動きが変わっていきます。

慣れない雪道を早く家に帰りたい一心で歩いていた私は、緩やかな坂道でツルっと滑り尻もちをついてしまいました。痛いやら恥ずかしいやら、何とも言えない気持ちで立ち上がり次に歩き出した時にはとても慎重になっていました。一歩一歩長靴の底で道路の凍り具合を確かめ、坂道ではつま先にぐっと力を入れて歩く。もう絶対に転びたくないという気持ちでした。全く子ども達と一緒です。

子ども達は自分の体験や経験からしか身に付けられない力がたくさんあります。「これ以上やったら危ない!」の感覚を得るためにも、遊びの中で小さなリスクを経験することはとても大事なのかもしれませんね。思わぬところで大きな怪我や事故につながらないためにも危険を予測できる力を付けていきたいと思います。

 

10年に一度の大寒波ですので、次はまた10年後なのでしょうか?その時は今回の尻もちの経験を活かし雪道を颯爽と歩く人になっている・・はず?

 

まふぃん錦ヶ丘

施設長 吉村 佳代

 

 

ぐんぐん成長中!(錦ヶ丘)

子ども達の進級、入学まであと3か月です!

児発の子ども達に「なんだか、もう小学生みたいに待てる人が沢山いるね!」と声を掛けると表情がさらにキリっと引き締まります。みんな、なんとなくではありますが、もうすぐ一つお兄さん、お姉さんになる事を意識しているみたい。最近の子ども達の様子の中でも、成長を感じられる出来事があったのでご紹介します。

周囲に注目されるのが苦手で、前に出られない姿や、名前を呼ばれても返事がなかなか出来なかったAさん。見られていると恥ずかしい…という気持ちもあったようなので、本人があまり意識しすぎないように楽しい雰囲気で前に出る場面を作ったり、大好きなお絵描きの活動で前に少しだけ出る場面を作るなど、少しずつみんなの前に出る事にも慣れるように、活動の中で工夫してきました。

先日、運動遊びの中で、少しだけ待つ時間のある運動遊びを取り入れた活動を行いました。

まだ、友達の前に出る事は少し苦手なAさん。みんなの前で運動遊びに挑戦するのは少し難しいかもしれないと思い、Aさんがいつもの自由遊びでよく遊んでいる机の滑り台と似た形のものを準備しました。

自由遊びとは少し違う空気感を感じて少し緊張しているのか、最初の順番が回ってきた時には「やらない」と言ってマットの上で友達の様子を見ていました。

次に「床に落ちると、ワニに食べられちゃうから気をつけて~」そんな声掛けをしながら、机を出しました。

すると、急に座りなおしたAさん。なんだかすごくやりたそうな表情になりました。

その瞬間を見逃さずに名前を呼ぶと、みんなの前で自信満々に取り組むことができたのです。

すかさずにハイタッチして「すごい!頑張ったね!」と声を掛けると最高の笑顔を見せてくれました。

また、まふぃんに体験の子がやってきた時のことです。

「今日初めてまふぃんに来たから、どうするのか教えてあげてね」と声を掛けると、一緒に手を洗いに行き、自分の隣に座るよう声を掛けていました。

そして、おあつまりの時間。お名前を呼ばれるといつもは小さい返事が、この日はしっかりと前を向き、右手を挙げて、部屋に響くほど大きな声で返事ができたのです。

「こうやってするんだよ♪」

という心の声が聞こえてきそうなほど堂々とした様子でした。

スモールステップで自信をつけてきたことで

・少しずつ友達の前に出られるようになったこと。

・初めての子にお手本を見せてあげられたこと。

この2つの出来事はAさんの成長を強く感じる出来事でした。

このような変化も、通園先の担任と連絡会や送迎の時に共有しています。

今後もAくんが、まふぃんの少人数の中で、自信をつけたことを園での集団活動の中でも発揮できるよう連携して支援を行っていきます。

私達まふぃんの職員間でも、子ども達がどうしたら変化していくのかと話し合い、活動し、振り返り、次のステップに繋げていけるようにしています。

これからも活動の中で、子ども達が「やってみよう!」と思えるような機会を作り、それを乗り越える姿を支えていきたいと思います。

 

まふぃん錦ヶ丘 岡田

お米プロジェクト~錦ヶ丘~

まふぃん2023年の年明けをしめ縄と門松が迎えてくれました。

このしめ縄と門松、昨年度は職員が作るところを見学するだけでしたが【 門松作り 】、今年度はまふぃんの高学年2人がメンバー入りし、職員の手ほどきを受けながら作りあげました。

 

話をしっかり聞き、土を運んだりスコップで竹の筒に入れたりと取り組む様子に、お手伝い隊の経験を生かして、集中して話を聞いたり積極的に行動したりする姿が育っていると感じました。

さて、まふぃんのバケツ稲や橋口農園で育てたお米。しめ縄以外でも大活躍!

しめ縄つくり

子ども達は、しめ縄の由来やそれに使われている物の意味を聞いた後、自分達のしめ縄をつくる体験しました。

しめ縄に使う稲束は、千歯扱きで籾をおとした後のバケツ稲の稲束。【千歯扱き体験(錦ヶ丘

稲束を右(時計回り)にねじってから左に回す事を繰り返し行うことでしめ縄ができます。

しっかりとねじらないと稲束が緩まってバラバラになってしまうので、初めての子や1年生が少し苦戦していると、昨年経験した子がアドバイスする姿が見られました。

足で押さえる力もねじる手も力強い!

また、ねじる・引っ張るを日頃の活動の中でたくさん経験してきたため、昨年度のしめ縄よりも硬くしっかりとねじることができ、経験を積み重ねる事の大切さを改めて感じました。

まふぃん米を精米

精米機で精米する前と精米後の籾の重さを上皿はかりで計りました。

何gかメモリを読めるかな

「精米後のお米は、精米前より重いでしょうか。変わらないでしょうか。軽いでしょうか。」の質問に、昨年度お米を精米した子ども達は、経験から「軽くなっている」とすぐに回答。

「じゃあ何グラムになっていると思う?ピタリ賞がでたらすごいね」の声掛けに子ども達は、はかりのメモリとピッタリの重さを当てようとお米の入ったビニール袋をじっと見たり、持ってみたり…。

ピタリ賞のチャンスは2回。1回目のバケツ稲のお米は、少なく予想してしまったためピタリとはかけ離れてしまいましたが、2回目の橋口農園の黒米は、軌道修正してピタリに近づいた子ども達が増えました。

ここでも体験的な学びを通して、数量や増減の認識が感覚的に身についている事を感じました。

 

まふぃん米の味は?

バケツ稲のまふぃん米は、精米するとほんの少しになりましたが、おにぎりを作ってまふぃんみんなで頂きました。

いつもより小さいおにぎりでしたが、自分で育てたお米で作ったおにぎりは格別だったようです。

そのままのお米の味を味わってほしかったので、あえて一口目は塩やふりかけなど何もつけずに食しましたが、「おいしい」と言いながら、最後まで何もつけずに完食する子がたくさんいました。

「もっと食べたかった」との声もたくさん聞かれ「じゃあ来年はどうしたらいいのかなぁ」と来年度の米作りに思いをはせていました。

 

橋口農園の黒米は、まふぃんで育てた野菜で作ったカレーと一緒にいただきました。

赤飯のような色や、いつもと違うお米の匂い。視覚や嗅覚や味覚などたくさんの感覚を使って満喫!

普段は、見た目や初めての物に抵抗を示してなかなか口にできない子も「おいしい」といっておかわりをしていました。

まふぃんカレーはおいしい!

 

稲を育てる体験をすることで、普段何気なく食べていたお米作りに関わる人達の苦労や収穫の喜びを身をもって知ることができました。

また、稲の成長だけでなく田んぼの生き物や季節の移り変わりなど理科的な学び、稲の長さや籾の重さを計るなど算数に通ずる学び、観察した事を記録することで国語の語彙力や文章力の向上など学習効果の見られた子どももいました。

さぁ、いよいよお米プロジェクトの集大成に動きだします。

夏休みに学校の先生方にプレゼンした子ども達とは別の利用日の子ども達が、一年間の取り組みを保護者に向けてプレゼンする予定です。

前回の「おもてなしプレゼン」のように、子ども達全員で主体的に作り上げていく様子を、職員はそっと見守り、時には鼓舞激励しながら支えていきたいと思います。

 

まふぃん錦ヶ丘

田尻

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