施設長通信 10月

放課後等デイサービスでは、今年度数名の子どもが支援の必要性がなくなり利用を終了します。社会で生活していく上で困らないよう、他者と協力しながら生活していけるよう、そして自分自身を大切にしていける心の余裕と、自信を持つために育つように支援してきました。

 

自分自身を大切にするということは、生活を整えたり、気持ちをコントロールできたりすることもありますが、自分に自信を持つ事もその一つです。加藤諦三さんの著書「子どもを伸ばすアメリカンインディアンの教え」の中に『人に認めてもらえる中で育った子は自分を大事にします』という一節があります。ここでいう人に認められるということは、頑張ったことを「頑張ったね!」と認めてもらうことです。また結果や、その結果に至るまでの道のりも同じことです。そのためにまふぃんでできる事は、目標を設定しチャレンジできる機会を準備してあげること。子どもが失敗しないように、困らないように準備してあげすぎることはせず、自分たちで考え・行動ができるようにと支援しています。

まふぃんでは放課後等デイサービスの子どもたちがお手伝い活動をしています。それは、普段、叱られることが多く自信が持てない子どもや、頼られる経験が少ない子どもたちが、「やってみよう」「努力してみよう」とする姿勢を認められ、目標を達成するためにあきらめずに試行錯誤する力を身につけてほしいという考えからです。

お手伝い隊には、地域の方やナガヤタワー事務局から仕事の依頼が届きます。先日は網戸掃除を依頼された中学生が、依頼者のご自宅を訪問しました。事前に網戸掃除の仕方を予習し、雑巾で縦拭き→横拭き→さらに縦拭きの順で掃除を行ったそうです。

依頼者から「網戸が見違えるように綺麗になり、夜が明けたように明るくなりました。ありがとう」と、頑張って掃除した姿を褒めてもらえた!と誇らしげに私のところまで報告に来てくれました。「自分たちになりに工夫して掃除して、みんなの頑張りで喜んでもらえたんだね!」そう伝えると、嬉しそうな表情を見せてくれました。

私が出会ったころの彼らは、「自分にはできないよ」「できるかな」と不安を口にする子たちでした。それがいろいろなお手伝いや失敗と成功から学び、今では「なんでも任せて」と言えるような姿にまでなっています。

彼らの自分たちで考えて行動した結果やプロセスを認めてあげることで、自信に繋がったと私は感じています。

そして、高学年の子どもたちがやっているお手伝いをする様子を見て、低学年の子どもたちも「自分たちもお手伝いをしてみたい」と意欲が沸いてきていたので、お手伝いについて行く機会も設けました。

11月に控えているカレー交流会は、小学生2名も企画に参加しています。まだまだ上手な話し合いとはいきませんが、意見交換が少しずつ形になってきました。交流会へ参加する方がどんな人かな?味は辛口?甘口どっち?など交流会に参加する方のことを考え意見を出してくれる子も出てきました。お年寄りだから具を小さくしたらいいんじゃないかな?そういった一人ひとりの意見から試作品を作ることにも発展しています。

 

最初から上手にできる子どもはなかなかいません。「できないよ」「無理だよ」と一歩踏みだせずにいた子どもたちが、活動やお手伝いを通してつけてきた自信。『これができるようになったよ』と自分自身を認めてあげることで、「これもやってみたい」「こんな風になりたい」といろんなことに意欲的に挑戦できる大人になっていってほしいと思います。

 

 

施設長 伊集院

災害に備える取り組み

8.6水害から今年で30年。

当時私の実家も被災し、水が飲めない、お風呂にも入れない…当たり前のことが当たり前に出来なくなった事を今でも鮮明に覚えています。被災直後の実家は大きなテレビや冷蔵庫が土間の方に倒れ、家の中には大量の泥が流れ込み、もしその場にいたら命の危険もありました。当時を思い返すと防災の大切さを改めて感じます。

今回は災害時に、まふぃんに通う子ども達や職員の命を守り、通常の業務を行うための取り組みについてお伝えします。

 

~まふぃん(上之園)の取り組み~

まふぃんは、8.6水害の時に氾濫した甲突川のすぐ近くにあり、浸水想定区域にあります。そのため、毎年水害を想定した避難訓練を行っています。

 

8月の避難訓練では、8.6水害の動画を視聴し、災害の恐ろしさを感じるとともに、防災の大切さを子ども達と話し合いました。水害時、本来なら入居ビル2Fに避難することになっていますが、今回は指定の避難場所である甲南福祉館まで歩いていきました。動画を見たあとの避難訓練だったため、「水害の時はここ(側溝)から水があふれそうだね」「この高さなら水は来ないね」等の自分の事として捉えながら歩いていました。

過去のブログはこちらから → 風水害に備えて

そのほかにも入居ビルの住人や近隣企業と合同の避難訓練(年に2回)、まふぃん単独で火災・桜島大噴火による地震を想定した訓練も実施しています。

 

~まふぃん錦ヶ丘の取り組み~

吉野町の中心部にあるまふぃん錦ヶ丘では、火災や地震による避難訓練に加え、昨年は災害時の引き渡し訓練を行いました。災害時に子どもの所在を保護者へ伝えることや、保護者が迎えに来られない時のために、どのような対策が必要か?など実際に訓練をして見直しています。隣接するこども園錦ヶ丘、こども園錦ヶ丘+と合同避難訓練も実施しております。

 

 

~認定こども園プラス(同法人姉妹園)での取り組み~

職員室棟の2Fにこのようなものがありました!

テントの中にあるのはカラー段ボールで組み立てられた、簡易トイレです。

テントの中にあるのはカラー段ボールで組み立てられた、簡易トイレです。

3.11の災害医療派遣チームを経験した看護師職員の提案で設置したものです。試しにトイレを組み立ててみたり、簡易トイレをこどもが使用するときに気を付けることは何か?を考えるきっかけにしています。防災月間の9月に、職員の防災に対する意識を高めようというねらいから、他にも非常時用バッテリーや水タンクが園のどこに保管されているかを確認するクイズをしています。

 

2024年4月から福祉業界では、BCP(業務継続計画)の策定が義務付けられます。BCPとは災害が発生した時や緊急時にも必要とされる福祉サービスを提供できるよう備えるものです。そのため、必要な方針や被災後の復旧についても計画しておくことが必要となります。

 

つい先日、BCP作成の説明に関する勉強会に参加しました。講師からはBCPは一人で作ろうとせず、事業所の職員も作成に携わることが大切だと聞きました。他の事業所のBCPを真似するのではなく、「こんな時、どうしたら事業を継続できるか?」と、環境にあわせたまふぃん独自のBCPの準備を進めてまいります。

 

また、講師から「事業継続の備えの大切さも去ることながら、最も大事なことはまずは子どもやスタッフの人命を守ること!」と何度も言っていました。事業継続を行うためには職員の力は不可欠です。お預かりする大事なお子様の命も、それを守りスタッフの安全も確保しなければと改めて感じました。

 

ここ数年、各地では大きな自然災害による、多くの被害が報告されています。いつ発生するかわからない緊急事態。もし被災した場合にも子どもの命を守り、育ちや支援を保証するための業務が継続できるように平常時の訓練と備えを継続致します。

 

ご家庭でも、おうちでできる防災についてお子さんとお話してみてくださいね。

 

施設長 伊集院

コンポスト作り① 

中学生の子どもたちが取り掛かっている現在進行形の活動があります。それは、コンポスト作り。

コンポストとは、「堆肥」や「堆肥を作る容器」のことです。

まふぃんの周りには街路樹があり、これからの季節落ち葉がたくさん出ます。

私が小学生の頃、秋になると落ち葉拾いという時間がありました。(田舎の学校で育ったんです)学校で育てる花の肥料を作るために、近くの山へ落ち葉を拾いに行っていたのです。

その経験があるため、まふぃんで落ち葉を掃除をして捨てるたびにもったいないな、と感じていました。そこで、子どもたちに落ち葉が土になることを伝え、子どもたちと一緒にコンポストを作ることにしました。

落ち葉が肥料になるなんて、ワクワクしませんか!!

子ども達も「畑の肥料になるなら作ってみたい」とコンポスト作りの提案に賛成してくれました。

 

【ねらい】

作ってみたい!という主体性をもとに、今回のコンポスト作りでは「話し合う、協力する力を育くむこと」をねらいにしました。

中高生の子ども達は、あと何年かすれば社会に出る事になります。社会に出るといろいろな人と関わりながら生活していかなくてはなりません。そこで、このコンポスト作りを通して中高生のコミュニケーション力が深まるようにしたいと考えました。

初めての事に挑戦することで、いろいろな困難にぶつかります。それをみんなで話し合い、問題を解決していく過程を大切にすることを支援の目標にしました。

 

【1回目:どんなコンポストにするか】

コンポストとは?

錦ヶ丘こども園の園庭にあるコンポストの写真を紹介しました。

上記の写真は同法人内の錦ヶ丘こども園の園庭に作られたコンポストです。

パソコンで調べ、材料や必要なもの、完成図など決める事がたくさんです。

園庭に出て、どこに置くのか、どれくらいの大きさにするのか話し合いました。

 

【2回目:設計図作り】

この日は中学生一人。Y君に設計図作りをお願いしました。ちょっと困った表情をしましたが、「やってみます」と引き受けてくれ、材料を確認し設計図作りに挑戦しました。平面で表現することはできるのですが、斜めから見た物の描き方が難しかったようです。パソコンで見つけた箱の設計図を参考にしながら、自分たちが作るコンポストの設計図をかいてくれました。

諦めずにやりとげたY君、ありがとう!!実際に描くことを通して、物を多角的に見る力、イメージする力がついたように思います。

ここまでの活動を通して感じたことは、子ども達の考える場面、問題を解決する時間を大人が奪わない事、じっくりと取り組める環境を提供することが大人の役割だと思いました。そして、困った時のよき理解者、一緒に考え見守る存在でありたいと思いました。

次はいよいよ作っていきますよ~ 3回目以降は次回紹介します。お楽しみに!

 

末吉

 

 

すいか割り🍉 ~ナガヤとの交流~

放課後等ディサービスの子ども達がナガヤタワーの住人さんと一緒にすいか割りをしました。

住人さんとの交流を毎回楽しみにしている子ども達。交流会を重ねてきた今では、顔見知りも増え会場で顔を合わせると同時に会話が始まっています。

その中でも今回、特に成長を感じた中学生のAさんについてお伝えしたいと思います。

 

【すいかを買いに】

明日は交流会。近くのお店に注文していた、すいか2玉を買いに行きました。

お店に到着し、箱に入っていたすいかを見て、あまりの大きさに驚きました。

持ち上げると想像以上の重さです。

「重いけど大丈夫!お米を買った時も手伝っているからね。」

となんとも頼もしい一言。すいかを肩に下げ、暑い中運んでくれました。

【会場設営】

高学年以上の子ども達は、食べる部屋の会場作りも行いました。長机やソファーを協力して運びます。

この会場作りもAさんが中心となり進めます。

「○○君そっち持って」「せ~ので持って」と自発的に行動し、周りの子へも的確に指示を出していました。

また、ちょっぴりふざけていた下級生に「今はこれをする時間だよ」と教えていました。場面や状況に合わせた行動をとり、下級生にも“今はちゃんとしなくてはいけない事”をしっかりと伝えている姿に感心しました。

【すいか割り当日】

時間になり、住人さんが次々会場に来られます。

受付に誰もいない事に気が付いたAさん。

「受付にいた方がいいよね?」「僕、やりますよ」自分から快く名乗り出てくれました。

そして、「お名前伺ってもよろしいですか?」「名札です。どうぞ」と丁寧な対応もできていました。

 

以前のAさんなら「どうしよう」「できない」と言っていたと思います。

日々の活動や体験的な活動を行う中で、ちよっと頑張れば出来るという積み重ねが

『自信をもって取り組む事が出来る』となっていったのではないでしょうか。

 

すいか割りスタート!

「もう少し右」「右ってどっち?」目隠しをしている人に分かりやすく伝えるのも、難しいですね。

声援の中、無事割る事に成功!

「このすいか甘いね」とみんな笑顔で食べていました。

食べながら「どこの学校」「好きなお勉強は何?」と、優しく子ども達に話しかけて下さる住人さん。

いつも楽しい時間をありがとうございます。

【今後に向けて】

今回、ナガヤタワー事務局との話し合いの場にAさんも参加してもらいました。

それは、

・自分達で話し合った事を、職員以外の大人に伝える力(提案の仕方)

・提案した内容に対して質問があった時に受け答えができる力

をつけて、コミュニケーション力や自分の考えている事を人に分かりやすく伝えられるようになって欲しいと思ったからです。

次回の交流会は11月の予定です。

今は、職員が企画をしている部分も多いですが、子ども達から住人さんと“○○の交流をしたい!”とワクワクするような提案が出て、”そのためにはどうする?”を自分たちで考え実行できるようになってほしいと思います。そのために、話し合い活動や協力する活動などの普段の活動の中で、自己発信ができ目的達成のための考える力がつくように今後も支援していきたいと思います。

 

寺田

 

わらべうたで交流会!

先日、ナガヤタワーの住人さん(ナガヤタワーについてはこちらをクリック)と交流会を行いました。児童発達支援の子ども達、2回目となる交流会です。

社会に出ると、人との関わりなくして過ごす事は出来ません。

小さい頃から人との交流を重ねる事で、人と関わることの楽しさを知り、そのために必要な社会性を育んでいきたいと考えています。

今回は『わらべうた』を通して交流を深めました。

わらべうたには、相手に合せたり、思いやったり、楽しい雰囲気を共有したり、子ども達の社会性を育む要素がたくさんあります。

そして交流会で緊張する子がいること、住人さんと子ども達が同じペースで楽しめることなども考慮し、普段の活動でも取り組む『わらべうた』を通して交流することにしました。

 

【 今回のナガヤ交流のねらい 】

● わらべうたを通して、相手に合わせた行動ができる。

● 話しかけに対して受け答えすることができる。

をねらいに取り組みました。

わらべうたを通してどのような関わりが見られたのか、その様子をお届けします。

 

【 当日の様子 】

自己紹介タイムからスタート。

自分の名前と好きな動物を順番に言っていきました。

大人数で緊張した様子の子もいましたが、全員みんなの前で自己紹介出来ました。

しっかり言えてほっとした子ども達に、住人の方々も「すごいね~」と声をかけてくださり自信になったのではないでしょうか。

この自信が次のやってみようにつながっていきます。

自己紹介が終わると、わらべうたの始まりです!

住人さんと子ども達がペアやグループとなり、一緒に取り組める内容でわらべうたを実施しました。

 

♪ おてぶしてぶし

歌に合わせてお手玉を左右に持ち替え、最後にお手玉を手の中に隠します。どちらの手の中にお手玉が入っているかを当てるのが楽しい「おてぶしてぶし」

子ども達は、歌を口ずさみながらしっかりお手玉の行方を目で追っていました。

「どーっちだ?」と聞かれ、積極的に答える子もいれば、緊張してもじもじしてしまう子もいました。

そんな中、前回交流会に参加した時は聞かれたことに対して応じられなかった子が、目を合わせて嬉しそうに「こっち!」と答える姿が見られました。

これまでの経験が活きているなと感じられた場面です。

 

 

♪ お寺の和尚さん  

住人さんも知っているわらべうた。歌に合わせてペアの人と手を合わせる動きをしました。

相手に合せて、歌に合わせて、手を合わせる様子が見られました。

「ジャンケンぽん」の掛け声でじゃんけんを楽しんでいました。

盛り上がって行動が激しくなりそうな場面でも、大人の声掛けを受けて気持ちを落ち着かせながら楽しむことができました。

相手やその場に合わせた行動が取れることもまふぃんでは大切にしています。

 

♪ もしもしかめよ

たくさんわらべうたで遊んだ後は、ありがとうの気持ちを込めて「もしもしかめよ」のリズムに合わあせて肩たたきをしました。

優しくトントン…住人さんも喜んでくださり、「ありがとう」と伝えられた子ども達も嬉しそうにしていました。

自然と優しくふるまう子ども達を見てこちらも嬉しくなりました。

どうしたら相手が喜んでくれるか考えることも、人と関わるうえで大切なことだと思います。

 

交流会が終わり感想を聞くと、「楽しかった」「ドキドキしたけど頑張りました」と答えてくれた子ども達!

ナガヤタワーの住人さんも「若返ったよ~」「元気になった!」と交流会を楽しんでくださいました。

子ども達が大人になった時、地域や周りの人と繋がって助け助けられ充実した生活を送ることができたらいいなと思います。

コミュニケーションの方法を学び、人と関わる楽しさを感じてもらえるように今後も継続して交流会を行っていきます。

 

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

高下

 

考える、話し合う力!~命を守る方法って?~

先月末、放課後等デイサービスの子ども達と「被災した際の行動」について話し合いを行いました。

「ゴミ捨て場から出火した場合」と「大雨で甲突川が氾濫した場合」の想定で「どうやって命を守るか」をテーマに、2チームに分かれ子ども同士で話し合ってもらいました。子ども達は、とても真剣に意見を交わし合い、相手に自分のイメージが伝わりやすいよう図説を交える事もありました。

子ども達が主体的に考え、相手に合わせた伝え方を選ぶ姿が、職員にとっても嬉しく思う活動でした。

 

【何故、話し合いなのか】

数ヶ月に1回程度、まふぃんでは避難訓練を行っています。子ども達は、大人の指示をしっかり聞いて手早く避難ができています。

避難行動で有名な「おさない・かけない・しゃべらない・もどらない」は完璧です。

しかし、放課後等デイサービスの子ども達は小学生や中学生!自分達でお買い物や遊びに出かけることが増えて来る年齢です。

被災した際に、学校やまふぃんにいるとは限りません。頼れる大人が周りにいない時、どうしたら良いのか分からず避難できなかったら……危険な場所に向かって避難してしまったら……考えると、心配になりますね。

そこで、今回は「被災した際、自分で考えて避難する力」を目標に、「こんな時、どうやって命を守る!?話し合ってみよう」と呼びかけました。

今回の話し合いの目標は上記の通りですが、更に大きなねらいがあります。

まふぃんに来ている子ども達の中には、学校生活の中で上手くいかないと感じた時に落ち込んだり、怒ったりする子もいます。子どもにとって「上手く出来ない!うまくいかない!」は、大事件です。しかし、一方的に落ち込んだり怒ったりを繰り返していると、学校で友達関係が上手くいかず困ってしまいます。

そこで、話し合い活動の中で上手く自分の意見が通らなくても「まあいいか」「大丈夫、次がある!」と気持ちに折り合いを付けることを、大きなねらいに定めました。

このねらいを達成するために、職員と打ち合わせて下記のようなちょっとした工夫を行いました。

 

【ちょっとした工夫】

その場で適当にチーム分けするのではなく、事前の打ち合わせでチームメンバーを決めました。

前述したねらい「自分の意見が通らなくても気持ちに折り合いをつける」場面を引き出すため、意見をお互いに主張し合うメンバーを意図的にひとつのチームにまとめました。

活動中、苛立っている子に対して「こうしたら?」と早々にこちらから答えは出しませんが、一旦その感情は「悔しいね」と受け入れるようにしました。もちろん、どうしても困っている時、説明が必要な時は職員からフォローします。また、ぐっと堪えて意見を受け入れたり、伝わるように言い方を工夫した時は「その言い方分かりやすいね!」とすかさず認めるようにしました。

 

上記は、今回の活動だけでなく普段から取り組んでいることでもあります。

 

【話し合いの様子】

●チームA「ゴミ捨て場から出火した場合」

そもそも、ゴミ捨て場ってどこ?小さい火だったら、消火器で消せるんじゃない?え、消火器ってどこ!?

と、スタートと同時にたくさんの疑問が湧き出た子ども達。一人の疑問点にしっかり耳を傾け、それに対して答えたり、その疑問に答えようと図説したりと真剣でした。

いつもの避難訓練をイメージして、「玄関から逃げよう」と言う子に対して、「ゴミ捨て場側だから、火が来てて危ないよ」と火の様子がイメージ出来ている子からの返答。言われた子は、しばらく考えて、「確かにそうかも…じゃ、どこに逃げよう…」と答えていました。

年齢も性格も違う子ども達。お互いの意見を真っ向から否定することはなく、「僕はこう考えたけど、あなたはどうですか?」と尊重しながら話し合えている姿が、素敵でした。地下室にこもって火が消えるのを待つ案も出ましたが、地下室も熱くなって辛いかもしれないとのことで、窓から共研公園まで避難することに決まりました。

 

 

●チームB「大雨で甲突川が氾濫した場合」

こちらのチームは、6年生と3年生、1年生の3人組でした。6年生の男の子が、低学年の二人にどう伝えたら自分のイメージが分かりやすいか工夫をこらしていました。具体的には下記の通りです。

・ゆっくり、簡単な言葉で話す。

・図説で水の流れや避難ルートを書き出す。

・「わかる?」と確認を取る。

相手の立場に立った気遣いを自ら出来る姿、すてきですね!

年長者としてのリーダーシップを発揮してもらうことを密かなねらいとして、このようなチーム分けにしていました。

リーダーとして頑張ってね!という励ましも事前に行い、ねらい通り一生懸命頑張ってくれました。

 

 

今回、子どもたちが感情をコントロールしながら、自分たちで考え話し合うことができたのは、普段の支援の効果が出ているのだと思います。

今後も様々な活動を通して、一人一人が学校生活や社会生活で困らないよう細やかな支援に取り組んでいきます。

 

櫻田

大人の学び! ~職員研修・公開療育~

まふぃんでは、療育の質を高めるために多角的な視点から様々な研修をしています。

7月は園内研修、法人全体の研修、公開療育と学ぶ機会がたくさんありました。

 

【園内研修】

7月8日(土)、まふぃん・まふぃん錦ヶ丘合同の研修をしました。

テーマは「子どもの安全管理について」と「支援の統一」についてです。

両園で起きたヒヤリハットを出しながら、子どもたちの命を預かっていることを再認識した後、危険個所、危険予測を行い、対応の仕方を共有しました。

安心安全な環境の中療育が行われるのは当然のことですが、“当たり前”になってしまうと気が緩み重大な事故に繋がります。

特に送迎や園外活動の場では、危険個所や子ども達の突発的な行動を予測しておくこと、何かあった場合の対応の仕方を職員全体が知っておくことが重要です。

子どもたちの安全に十分配慮して日々の療育を行う!と気持ちを引き締めた研修になりました。

 

【法人内合同研修】

7月22日(土)に心理学博士でNPO法人保育の安全研究・教育センター代表の掛札逸美(かけふだいつみ)先生の講話を、認定こども園、こども園+(プラス)、まふぃん、まふぃん錦ヶ丘、全4カ所からリモートで学びました。

内容は『職場のコミュニケーションと保育の安全について』。

掛札さんは、園内でコミュニケーションが成り立たなかったら、保育の安全は確保できない、保育の質も確保できないことを力説されました。そのために、年齢や経験に差があっても、おかしい、わからないと思ったことを「言う、訊く」ことが大切!!といろいろな例を出して教えてくださいました。

コミュニケーション力を高めることは、まふぃんの療育の目的でもあります。子どもたちの聞く力、相談する力、話し合う力を育てるために、まずは職員が日頃から相談し、話し合い、コミュニケーションを取っていることが重要なことを痛感しました。

わからないことがあったら「わかりません、教えてください」「教えてくれてありがとう」の言葉が今まで以上に行き交うまふぃんでありたいな、と思います。

 

【公開療育】

7月25日(火)まふぃんでは公開療育(放課後等デイサービス)を行いました。

公開療育とは、事業所で行っている活動や支援内容を他事業所や関係機関の方々に参観していただき、各事業所での取り組みを話し合い、さらに療育の質を高めていくことをねらいにしています。

活動は「運動遊び」。子どもたちの実態を把握しながら、発達や社会性を伸ばすための活動をしていることを説明した後、実際の様子を参観していただきました。活動後の質疑応答では「ほかにはどんな活動をしているのか?」「子どもたちの協力する姿を引き出すことができていて勉強になった」「子ども同士の関わりを深めるための取り組みは?」など、たくさんのご質問をいただきました。質問に答え意見交換を通して、普段行っている活動を見つめなおす機会となりました。また、まふぃんの環境や性教育、地域交流に大変興味を示され、どんな風にしているのですか?と踏み込んだ質問もあり、とても嬉しいでした。

他事業所との連携をこれを機会にさらに深めていきたいと思います。ご参加くださった関係者の皆さま、ありがとうございました。

「目的を達成するための支援を行う」「子どもたちの実態を把握したうえで、子ども自身が集団に合わせる力を育てる」というまふぃんの療育を目指して試行錯誤を繰り返しながら支援してまいります。

 

このように、様々な研修の機会を設けて、一人一人の専門性やチーム力を高め、子どもたちの支援に活かせるようにしています。私たち大人が学び続ける姿勢が、子どもたちにも伝わっていくと思います。

日々、これでいいのか? これは大丈夫なのか? と皆でコミュニケーションを取り改善しながら支援を行っていきます。

保護者の皆さまも疑問に思ったことやわからないことなどありましたら、どんどんご質問ください。子ども達のために、一緒に考えていきましょう。

よろしくお願いします。

 

まふぃん 末吉

蹴って蹴って!

まふぃんには、長時間座っている事が苦手なお子さんがいます。

様々な要因がありますが、そのひとつとして体幹が上手く使えていないことも要因のひとつです。

生活の中で必要な体幹を鍛えると、落ち着いて座ることができるようになり、将来的には集中して授業やお仕事ができるようになっていきます。

そこで、まふぃんでは「根っこの動き」を運動遊びを通して取り入れています。

「根っこの動き」とは赤ちゃんが立つまでの過程である寝返り・腹這い・四つ這い・高這いのことです。

子ども達の普段の「根っこの動き」の様子を見ていて「上手く足を使えていないな?」「片足だけ浮いているな」等、足で蹴る動きが不器用なお子さんが多い事に気付きました。

今回のブログでは、子ども達が足を上手に使うことをねらいにした活動の様子をご紹介します!

 

足を使うために用いたものとは…?

スライダーです!(板に小さな車輪がついた乗り物)

 

スライダーにお腹を乗せると、自然と腹這いの体勢になります。

足を交互に使って進んでほしかったのですが、片足だけや蹴伸び、腕の力だけで進んでいく姿がありました。

そこで、スライダーにジュニアシートを乗せることにしました!

「なに!?それ乗っけるの~?」

と、面白がって興味津々な反応が!

ジュニアシートの手すりの部分を手で持ち、足だけで蹴って進んでもらいました。

これが思ったよりも難しいんです。思ったように進まない!!

「どうやったら進むんだ?」と試行錯誤し、体の動かし方を学んでいました。

”足を動かしたら進む”というのを感覚で掴むと…使えていなかった足をどんどん使えるようになっているではありませんか!

両足を上手く使う経験が、道具一つ足すだけでできました。

 

このように、体の使い方に偏りがある場合は、足を使うような道具や環境を作り、実際に動かす事で動かし方に変化が生まれていきます。

 

【体の発達だけではなく…心の成長も!】

今回、2人同時にレースを行い、勝ち負けの場面を作ることで感情のコントロールが苦手なお子さんも負けた悔しさを我慢したり、悔しい気持ちに折り合いを付けたりする機会を作りました。

負けた悔しさから泣いてしまう子もいます。

しかし、泣いていては参加ができません。やりたいからこそ、悔しい気持ちをぐっと我慢して気持ちを切り替えています。

感情のコントロールが苦手なお子さんの悔しい気持ちを十分に受け止め、子ども自身が気持ちの切り替えが出来るようになること、職員の手助けがなくても、感情のコントロールできるようになることを目指しています。

今回も、負けて涙を流す子が、もう一回リベンジしてやる!と気持ちを切り替えて、涙を拭いて再挑戦する事ができました。

そんな子ども達の頑張りをこれからも見守って支援していきたいと思います。

 

 

まふぃん 松野

一緒に遊ぼう!

新年度が始まり3ヶ月が過ぎました。2歳児~3歳児中心のクラスでは、友達が遊ぶのを少し離れた所から見ていたお子さんが、友達がいても遊びたい遊具や場所に自分から行き遊び始めるようになってきました。前回のブログ(こちらをタップすると前回のブログに飛びます)も合わせてご覧ください。

今回は、2歳児から5歳児が一緒に活動した時の様子や子ども達の変化をお伝えしたいと思います。

 

〇異年齢での関わりを通して育まれる力

幼児期の1年の差は、運動、ことば、手先の使い方など発達面で大きな差があります。

この日は積み木遊びを行いました。積み木遊びひとつでも、1年の差を感じることができます。

 

2歳児は好奇心のかたまり!興味を持ち、積んだりくずしたりすることを何度も繰り返して、積み木の感触や遊び方に慣れていきます。

一方、年中から年長になると、目的を持って積み木で遊んだり友達と一緒に協力したりしながら目的のあるものを作る事ができるようになります。

今回の活動のねらいは、一緒の場所で遊びこむことができること、小さなお子さんが年長さんの作ったものを壊したりくずしたりする場面で、気持ちを切り替えて遊ぶことができることにして、活動を行いました。

 

初めは、年少々と、年中・年長の子ども達は別々に遊んでいました。

 

年少々の子ども達は、積み木を電車に見立て声を出しながら遊んでいました。

 

ですが、何か物足りないなと感じた年少々のお子さん。辺りを見渡すと、高く積み上げ遊んでいる年上の友達が目についたようです。

“何か面白そうな事をしているぞ~”“どうやったら一緒に遊べるかな?”“あっそうだ!これを持って行こう!”

積み木を素早く集め友達の所に持って行くと、にこにこ顔でちょこんと近くに座り、“一緒に遊ぼう”のアピールをしたのです。

「一緒に遊びたいの?」と年中のお子さんに聞かれ、満面の笑みで頷いていました。

 

 

一人遊びが中心だったのが、周りの友達や遊びに関心を持ち、『同じ遊びをやってみたい』『一緒に遊びたい』と遊び方に変化していました。

年中のお子さんも、「ここにおいてね」「壊さないでね」と優しい口調で話しかけとても集中して遊んでいました。大人が介入しなくても、子ども同士のやり取りの中で、伝え方や関わり方を学んでいくのですね。年少々のお子さんも壊さないように慎重に積み木を置く姿がありました。わざと壊したらいけないことを感じ取って遊んでいるのです!すごいな~!!

大人が教えなくても、子ども同士の関わりの中でコミュニケーションや我慢することなどの社会性が育っていくことを目の当たりにしました。

今後も異年齢で活動する日を設け、発達の差を念頭におきながら、子ども同士の関わり、遊びを通して『人と関わるって楽しい』という経験を深める支援をしていきたいと思います。

 

寺田

2023年度 児童発達支援 新規利用児童募集

2023年度 新規利用児募集のお知らせ(2/28現在)

 

まふぃんでは新規利用児童を募集しています。

 

【体験・見学について】

お問い合わせの時に以下をお知らせください。

①保護者のお名前 ②お子様のお名前 ③年齢 ④通園先(通園している場合)⑤利用を検討している理由 ⑥ご連絡先

 

児童発達支援事業所 まふぃん

児童発達支援    9:30~12:00 

月曜・水曜・金曜 (3歳~5歳)

火曜・木曜    (2歳~3歳)

 

※送迎については要相談です。お気軽にお問い合わせください。

 

【お問合せ先】

住所:鹿児島市上之園町3-1 ナガヤタワー1F

電話:099-250-9361

受付:9:00~18:00

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