ピタゴラスイッチ

21日、22日の放課後等デイサービスの活動は製作でした。

 

段ボールを使って全員で1つのものを作る事を伝え、何を作りたいか意見をだしてもらいました。

家、巨大迷路、ピタゴラスイッチ・・・

 

多数決の結果、ピタゴラスイッチに決定!

 

しかし、どうやって作ればよいかイメージが持てていない子もいるようだったので、動画を見ることに

「すごーい!どうやって作ってるのかな?」

「これ作れそう」「積み木も使いたい」「机とか壁も使っていい?」など動画を見ながら話し合いが始まりました。

 

さて、ピタゴラスイッチ作りスタートです。

 

段ボールの箱を並べ階段を作ったり、机を斜めにしてそこにトイレットペーパーの芯を使いビー玉の転がる道を作ったり、3,4人のグループになってそれぞれ作り始めました。

そんな中、高学年の男の子2人、段ボールとトイレットペーパーの芯を使って何かを作り始めました。

少し不安な表情のA君、あまり器用な方ではなくハサミを使うのも苦手、以前行った巨大迷路づくりでは段ボール同士を貼り合わせる時にガムテープをどう貼ればよいのかイメージが持てておらず、うまく貼れないという事もありました。

「これスタートにしよう」「ここに穴開けたい」と2人は話し合いながら作っていきます。

「先生、ここに穴を空けてください」といいに来たので、段ボールカッターを渡し自分でやってみるように伝えました。

さてA君上手にできるでしょうか?

普段は「無理かも」「できなかったらどうしよう」と不安を口にする事の多いA君ですが、友達に協力してもらい、穴を空ける場所を確認したり、段ボールを支えてもらいながら穴を空ける事ができました。

 

その後も、各グループで作ったピタゴラスイッチを積み木でドミノを作って繋げ、2時間かかってやっと完成しました。

完成したピタゴラスイッチに子ども達も大喜びです。

「5,4,3,2,1、スタート!!」カウントダウンをしてビー玉を転がしました。

 

結局はドミノの所で止まってしまいましたが、子ども達は満足した様子でした。

 

始めは完成するのかと心配していた職員でしたが、子ども達同士で意見を出し合い、友達と協力して作り上げる事ができました。

数か月に1度行っているみんなで1つのものを作る製作活動、以前、巨大迷路を作った時にはなかなか意見が出てこなかったり、道具の使い方が分からなかったりしていた子ども達でしたが、子ども達の成長を感じる活動となりました。

 

A君のように不器用な子、物の使い方をイメージする事が苦手な子の多いまふぃんの子ども達。

特に高学年になると、結果が予測できるため、「失敗したらかっこ悪いから」と苦手な事に挑戦したがらない子もいます。

今はできない事は手伝ってもらえますが、大人になればそうもいきません。

楽しく活動を行いながら分からない事も1つ1つ経験し、使い方を知っていく事が大切だと感じました。

 

 

まふぃん中村

池掃除をしました!

池掃除をしました!

 

「えっ~この中に入るの?」「気持ち悪い~(水が汚れていたので)」

池を目の前にした子ども達が、思わず〝ぽろっと〞言ってしまった言葉でした。

それもそのはず。

池は泥が入り、落ち葉が浮かび見た目も汚れていたからです。

お盆明けの放課後等デイサービスの活動は・・・

隣接するメディカルハウスの池掃除でした。

ですが、この池掃除から思わぬ気づきが二つありました。

詳しくは後ほどお伝えしますね。

 

実は、この池〝めだか〞〝おたまじゃくし〞〝ヤゴ〞が生息しています。

なのに、汚れていては〝めだかたちが可哀想〞と、まふぃんの子ども達にお掃除の依頼が舞い込みました。

日頃、ナガヤタワーの住人さん、メディカルハウスの皆さん。いろいろな方たちに支えられ、見守られているまふぃんの子ども達。

子ども達に伝えると、「やろう!」と頼もしい返事が返ってきました。

 

掃除当日。

デッキブラシ、ほうき、魚をすくう網を持ってやる気満々で出かけました。

しかし、汚れていたので、「えっ~。入りたくないな」としばらく池を見つめている子ども達。

どうするのかな?と思い反応を見ていると・・・

「よっし!やろう!」「やるしかないでしょ!」と気持ちを切り替え素足で中に入り、落ち葉をすくったり、デッキブラシできれいに磨いていました。

 

この、思わぬ展開になった時に〝やらない!〞ではなく気持ちを切り替えてやれるという事が大事になってきます。

自分がやりたくない事でも、

〝決まった事は我慢してする〞

学校生活でも社会に出てからでも

〝気持ちに折り合いをつけて〞

出来るという事は身に付けておきたいスキルの一つですね。

 

さて、池掃除での気づきとは。

それは・・・

①股つきのサンダルを履く時に何処に指を入れていいのか分からず履けない事。

(鼻緒を親指と人差し指で挟んで履くということが認識できない)

「このサンダル壊れてる。履けない」

と言うので見ると、鼻緒を避けて指を入れていたのです。

②おたまじゃくしを網ですくう時、下からすくわず、とんぼを捕まえる時のように上から網をかぶせる

勿論、すくえないので「全然捕まえられない」と言ってきます。

 

今まで、経験をした事が無かっただけでは?と思われるかもしれませんが〝使い方が分からない〞〝想像できない〞のは

認知力の弱さ〞にあります。どのような事かというと、

『見たり、聞いたり、想像する力が弱い』という事。

 

例えば

・見る力が弱い・・相手の表情やしぐさが読めず、不適切な発言をしてしまう。

・聞く力が弱い・・友だちが何を話しているのか分からず話についていけない。

・想像する力が弱い・・相手の立場が想像できず、相手を不快にさせてしまう。

など、認知力が弱いと対人関係を築く時に困難さが見られることがあります。

 

今回のサンダルが履けない、網の使い方が分からなかったのは、

『自分の目の働きと手(足)を結び付けて動かす事』が苦手だという事も見えて

きます。

これは、文字を適度な力加減で書く〞〝しっかり見て、認識して書く事にも繋がっていきます。

 

私たちは日常生活の中で〝初めての物(道具)〞を使う事があります。

その時に、似たような経験、目の前の道具、状況の中から〝どのように使えばいいのか〞を

想像して使います

 

日常の何気ない事から(出来ていて当たり前と思い込んでいる事)見えてくる子ども達の

〝あれっ?〞〝こんな事が出来ていなかったのだな〞という事。

 

今回、池掃除を通して、子どもたちの新たな一面が見えてきました。

そのような事を見逃すことなく、しっかりとした視点で日々見ていく大切さを感じた出来事でした。

そして、出来ないと何故困るのか(どのような所に繋がるのか)など、考えて子どもたちの普段の様子を見ていきたいと思います。

 

参考文献

ケーキの切れない非行少年たち 著者「宮口幸治」

 

まふぃん上之園

寺田

 

 

 

 

 

 

 

 

 

段ボール遊びから学んだもの~放課後等デイサービス(上之園)

今回は放課後等デイサービスの活動をご紹介します!

この日の活動は段ボール遊び。

活動に参加したのは小学1年生~6年生と年齢的にも体格的にも差があるお子さんでした。

 

 

狙いとしては‘‘段ボールを落とさないように、‘‘慎重に体を動かす‘‘ ‘‘感情のコントロール‘‘を設定しました。

 

まずは段ボールが床に落ちないように段ボールと段ボールの隙間を ‘‘くぐる‘‘ をしました。(この時の段ボール下の幅は低学年も高学年も同じ幅で行いました。)

 

 

この時に子ども達に伝えたのは「段ボールを落とさないでね。」の一言です。

幅が変わらないので、体が大きくなるほど段ボール下の幅は狭く感じられます。

 

段ボールに当たらないように素早く段ボールの下をくぐる子、段ボールの様子を見ながらそ~っとくぐる子…。

くぐり方はそれぞれでした。

‘‘落とさないように‘‘を全員が意識することが出来、全員とてもほっとした表情でした。

 

 

 

次に段ボールと壁の隙間を ‘‘すり抜ける‘‘ をしました。

簡単にすり抜けられるよりも、「どうやったら、くぐれるかな~?」と子ども達が考えて行動し、出来た時に達成感を味わえるように、敢えて隙間を狭くしていました。

 

すり抜ける前から「うわっ!」(狭い!)と言葉にする子ども達。

 

さて、どのようにしてすり抜けるでしょう…。

ただ、すり抜ければいいわけではありません。この時の約束事はやはり「段ボールを落とさないこと。」

段ボールの隙間と自分自身の体の大きさを頭で考えて、それを行動に移さなければなりませんでした。

 

段ボールが崩れないようにそ~っとすり抜けていく子ども達。

その時の子ども達の表情は真剣そのものでした。

 

 

 

 

最後にチームに分かれて高く段ボールを積み上げるをしました。

(大きい物から小さい物…様々な大きさ・形の段ボールを準備していました。)

 

最初にどの段ボールを置いたら良いか、次にどの段ボールを置くか、考えながら積んでいきます。

 

一生懸命に積み上げた段ボール。安定感がないと、倒れてしまいます。

「こうやったらいいんじゃない?」「次はこれを乗せようよ!」自然と作戦も聞こえてきました。

少しずつ高くなっていく段ボール。この時に、より子ども達は協力をしています。

身長よりも高くなってしまうと、なかなか積むことが出来ません。

台の上に乗って段ボールを積む係と段ボールを運ぶ係に分かれて作業のスタートです。

段ボールを積む係はただ段ボールを積むわけではありません。

バランスを見て倒れないように積んでいきます。

 

そのバランスを下から見るのは段ボールを運んで来る係の大事な仕事です。

この両者がお互いのことを考え、協力し合わないとせっかく積み重ねた段ボールの塔は崩れ落ちてしまいます。

 

そのチームワークの良さによって最後には1チームだけ天井に着きそうな高さまで積み上げることが出来ていました。

 

「なぜ崩れなかったの?」「どうやったら崩れないかな。」

今回の経験が次回、どのように繋がっていくか、とても楽しみです。

 

人は床に近い場所に視線が近くなると圧迫感を感じると言われています。

また、狭い空間の中にいると、その先が見えずに人は恐怖を感じます。

『くぐる』『すり抜ける』を経験することで空間認知をすることが出来、物と自分自身の距離感を測ることができるのです。

さらに距離感を知る事で危険予知にも繋がり、怪我を予防することも出来ます。

まふぃんでは体を動かすことが苦手なお子さんもいるので体の動かし方を知る為にはこの経験が大切です。

(※空間認知とは、物体の位置関係・大きさなどを素早く正確に認識する能力。空間認識力が優れていると、紙に書かれた図形を立体的にイメージする力が育ちます。)

 

 

活動には楽しさがあり、それを追求していくことで学びとなっていきます。

その学びはその時だけではなく、子ども達が今後大人になっていく上でも生かされていく大切なものです。

私自身、思い返してみると、今できること・知識は子どもの頃に体験し、学んだものが生かされているのではないか、と思います。

多くのことを学び、吸収していく子ども時代。

これからも吸収されるエネルギー(学び)の元を作れるように支援していきたいと思います。

 

まふぃん上之園 岡部

こども園でお手伝い②(錦ヶ丘)

先日、まふぃんに隣接する『認定こども園 錦ヶ丘』でのお手伝いをするにあたって、話し合いとお手伝いの件で子ども園に電話連絡をしたことをお伝えしました。

(詳しくは『こども園でお手伝い①』をご覧ください)

 

さあ、実際にどんなことをしたのか、その様子をお伝えしていきますね!

実は事前の確認では靴箱掃除と本棚の整理をすることになっていたのですが、日常ではあまり経験のない椅子のラベル張りと書類のシュレッダーかけをしてみませんか?という子ども園からの提案を受け

『どうせなら普段できないことをさせてあげたい』

という思いから、子ども達にこの二つのお仕事を任せてみることにしました。

 

卒園した園といえども、今回は成長した姿を見せるお手伝い。

こども園に行く前に、今回のもう一つのねらいである『任されたことを最後までやりきる』ということを伝えます。

これから学年が上がるにつれ、係り活動や班活動などで“何かを任される”場面は増えてくると思います。そんな時に「その係りは嫌だからしたくない」「最後まで頑張るのは面倒くさい」などと言っていたら一体どうなるのでしょうか?

さらに、その中で「今から始めます」や「終わりました」などの挨拶や報告をしたり、上手く進めるためにグループ内で話し合って物事を決めていったりすることも必要になってくると思います。

 

今回のお手伝いを通して、その時々の状況に応じた挨拶をしながら、決めたことや任されたことを最後まで行い、達成感を持ってやり遂げてほしいと思いながら、いざこども園へ!

 

まず、ラベル張りチームはラベル作りと椅子への貼り付けとで別れました。

ラベルの枚数も数えながら作ります。

ここは私の担当!

シールを剥がすのが難しい…

自分の力で頑張ります!

最初はあまり入ったことのない場所(錦坤館2F会議室)に少々浮かれていた子もいましたが、

実際にお仕事を始めると とても真剣な表情で取り組んでくれました。

 

必要なラベルの枚数を確認し、

「あと2枚足りない」

「ここは終わった?」

などとお互いに確認し合いながら進めていく子ども達。

自分の任された仕事、範囲などを確認しながらそれぞれ分担して作業にあたる姿は、本当に立派だなと感じました。

 

そしてシュレッダーチーム。

厚さ10cmはあろうかという書類の束を一緒になってシュレッダーにかけていきます。

職員がついてはいたものの、3年生のA君が1年生のC君に「交代でしていこう」と声をかけ、テンポよくシュレッダーにかけていきます。

使い方を教えてくれています。

ドキドキする…!

吸い込まれていくシュレッダーの書類を見て、C君から「どんどん食べていってる!」とC君らしい可愛らしい発言もありました。

職員室での作業だったので、行きかう先生方から「あ、久しぶりだね」「お手伝いしてくれてるの?ありがとう」など

たくさん声もかけてもらい、とても誇らしげにしていました。

惜しくもシュレッダーの機械がオーバーヒートしてしまい、途中で終わってしまったのですが、「あーぁ、まだできるのにな」というほどやる気満々で取り組んでくれましたよ。

 

もちろん、最後は「終わりました」と「ありがとうございました」の挨拶をして終了。…と思いきや、一人ずつお礼にジュースをいただけることになりました。

ご褒美など一切気にしていなかったからこそ、喜びもひとしおだったと思います。

こんな経験もアリですよね✨

 

今回のお手伝いで、子ども達の成長した姿、一生懸命に取り組む姿を子ども園の先生方に見せることができました。

でもそれ以上に一人ひとりが自分の任されたことに対して最後まで真剣に取り組んでいる姿を見ることができ、私たちはとても嬉しく感じました。

いつもとは違う場所で自分の力を発揮したり、発言したりすることはなかなか難しいと思います。

その与えられた場所で力を発揮できると、今までよりも自信を持って行動に移すことができると思います。

 

夏休みも残りわずか。

子ども達が楽しみながら、達成感を持てるよう夏休みならではの活動を計画していきますね。

 

 

保育士 今屋

砂を触れるようになったよ!

こんにちは。

8月も後半に入り、夏休みが終わろうとしています。まふぃんの子ども達は、夏休みの宿題をコツコツを終わらせて「もう宿題が終わりそうだよ」と余裕を持っているお子さんもいます。

 

残りの夏休みを楽しみつつ、しっかり宿題を終わらせてほしいと思っています。

 

さて、療育クラスでは「砂遊び」を行いました。

 

どの療育施設でもよく行われている感触遊びですが、なぜ行っているのかというと

 

「感覚統合を促すため」です。

 

感覚統合とは。

脳の中に流れ込んでくる感覚を整理する働きの事です。

 

例えば、教室で先生の話を聞いている時。

校庭から聞こえる体育の笛の音や、学校の近くを走る救急車など色んな音が聞こえるなか、その音をシャットダウンして先生の声だけを集中して聞くことができるのは「感覚統合」のおかげです。

 

このように、私たちは生活の中で、視覚、聴覚、味覚、触覚、痛覚などの色んな感覚が絶えず脳内に入ってきます。

しかし、色んな感覚が一気に頭の中に入ってくると、脳内がパンクしてしまいます。

 

その為、私達の脳は必要な情報を分別・整理する事で、周囲の状況を把握しながら行動する事ができるようになります。

 

これが、感覚統合です。

 

では、感覚統合がうまくいかないと、どのようなことが起こるのか。

 

例えば、シャワーが肌に当たると、「痛い!」と感じたり、洋服がチクチクしてしまったりなど

人が何も感じないと思う感覚も、感覚統合がうまくいかない人にとっては、過剰に感じてしまいやすくなります。

 

その為、まふぃんでは、感触遊びを通して感覚統合を促しています。

 

ただ、まふぃんでは、感覚統合を促すだけでなく、

 

感触に慣れる」事も目的としています。

 

 

まふぃんでは、月に何回か感触遊びを行っており、その中の1つが“砂遊び“となっています。

 

例えば、粘土など手にべたっと付いてしまうのが苦手、手に何か付いてしまう事が苦手など、人には好き嫌いな感触がありますが、

ある程度我慢しながら生活できています。

 

しかし、中には苦手な感触を触ってしまうと、ゾッとしてしまったり、苦痛になってしまったりする人もいます。

 

そうすると、生活に支障が出てきてしまい、ストレスを感じてしまう体質になるかもしれません。

 

 

色んな感触に少しでも慣れて、生活の幅を広げられるように、まふぃんでは楽しみながら感触を触れるよう工夫をしています。

 

では、活動の様子はどうなのか。

これから紹介していきたいと思います。

 

 

今回参加した子ども達は年長が多かったので、「宝探しゲーム」を行いました。

 

早く砂の中に隠してあるボールを見つけたい子ども達。

早くやりたいなー

 

「よーい、スタート!」と始まると、急いでボールを探し始めました。

初めはなかなか見つかりませんでしたが、砂の中をたくさん掘っていくと・・・。

 

「あったー」と次々にボールを見つけることができました。

 

「先生、まだしたい」「楽しいね」と、宝探しゲームを楽しんでいた子ども達ですが、

実はこの中に感触が苦手なA君も参加していました。

 

今回の活動を通して感触が触れるようになった!のではなく

これまで「感覚遊び」を経験し、触る経験をしてきたからこそ、現在砂を触れるようになってきています。

 

以前の様子はというと。

 

絵の具や小麦粉粘土など、少しでも手にべたっと付いてしまうと

 

「嫌だー、手を洗いたい」

 

と、手を洗うことに頭がいっぱいだったA君。

 

活動に参加することも難しかった状態でした。

 

そのため感覚遊びでは、楽しい雰囲気の中でついつい触ってしまうような場面を作ったり、

一緒に触る経験をしたりしていったところ

 

約3か月後には、手にべたっと付いても気にする事なく参加できるようになり、

「まぁ、後で洗えばいいよね」と、我慢することができるようになりました。

 

感触を何度も経験することで、少しずつ触れるようになる事がA君の変化を見て分かると思います。

 

さて、

先ほど、苦手な感触を触ってしまうと、ゾッとしてしまうと書きましたが、具体的にどのような様子が見られるのかいくつか挙げると。

 

・服のタグ、縫い目、などが触れるとチクチクしたりかゆくなったりする

・ベトベトした粘り気のある粘土やのりを触れない

・重さ、窮屈さ、素材の感触などにより、服や靴下を身に付けるのが苦痛

などが見られます。

 

実際に、まふぃんでも感触遊びが苦手で、少しでも手足が濡れたり、何かが引っ付いたりすると、反応して泣いてしまうお子さんがいますが、洋服も特定の服ばかり着ていました。

 

そして、特定の服ばかり着るようになると、今度はそれしか着たがらなくなり、

暑い日にも長袖を着たり、学校の指定の服を着ないで登校をしたりしていました。

(現在では、色んな洋服を着られるようになってきています)

 

では、特定の服だけを着て過ごすことが、将来的にどのような影響が出るのか。

 

例えば、会社でスーツを着ないといけない時。

「スーツを着られないから、特定の服で会社に行こう」とする事は、

社会のルールに合わせないことにもなります。

 

規則やルールは、社会や集団で生きていく為に守らないといけないものです。

 

もし、1人でもルールとは違うことをしてしまうと、「マナーを守らないひとなんだ」と、相手が不愉快に思ったり、周りの雰囲気を壊してしまったり、あまり良くない影響が出てしまいます。

 

その為、まふぃんの感触遊びでは「感触に慣れる」だけでなく「社会に合わせて行動」する事を目的とした活動も行っています。

 

将来子ども達が大人になった時に、どのようなことに困ってしまうのか、

その為にどのような支援が必要なのかを常日頃考えながら、これからも支援を行っていきたいと思います。

 

まふぃん上之園 亀澤

感触遊び~小麦粉粘土編♪錦ヶ丘

日差しがまぶしい夏真っ盛り。

 

児童発達支援療育クラスの感触遊びの時間です。

日々の生活の中でも様々な感触があります。

まふぃんでは、様々な感触に触れる機会を重ね、苦手を克服し、手指の発達を促しながら、お友達の関わりや、接近、共有などにも通じる活動を準備しています。

 

今回の感触遊びの活動は小麦粉粘土の活動です。

活動のねらいは、「場所の共有」「手指の巧緻性」です。

 

さぁ。活動スタート♪

まずはタライに小麦粉投入です!

早く触りたくてたまらない子どもたち。

「待ってね」の言葉にタライに手を置いてじっと待っています。

中には写真のように、友達の手を「ここだよ!」と促す姿もあります!

 

小麦粉をさらさらさら~っとタライに入れると

「うわぁ」と言いながら見ています。

「はい!どうぞ」の言葉に子ども達はサラサラの粉に触れて遊びます。

粉を交互につかんだり、降らせたり、手をつっこんだり

感触を味わいます。

「はい!ちょっと待ってね」

その言葉かけに「はっ」と気づいて準備の待つ手をすぐにするチーム!

職員はその瞬間を見逃しません!

しっかり待てているチームを先に次の工程へ促します。

次はお水が投入されます。

 

まふぃんに通い始めて5か月

いつもなら小麦粉にお水を入れた途端に触らなくなるA君。

お水を入れてから粉と混ざってべちょべちょになる感触が苦手のようです。

そこで、前回の小麦粉粘土遊び活動時に職員が

「手をだしてごらん」と言って、

手に水をかけてみました。

すると、少しずつ水の入った小麦粉を触ることが出来たのです!

A君はきっかけを元に、苦手だったべちょべちょの小麦粉粘土を少しずつ触れることが出来て、自信となり今回の活動へつながっています。

前回の少しの成長から、今回も同じように手に水をかけてから促すと

「べとべと」「べちょべちょ」の彼が苦手だった感覚を気にすることなく

まんべんなく遊んでいるではありませんか!

 

途中、「先生!これとって」と

小麦粉粘土小麦粉粘土が手を差し出しました。

A君の中では、この感触は「もういいかな。」という感じでだったのだと思います。

 

「これをとってしまうともう遊べなくなっちゃうよ!」と伝えると

一瞬考えて…「そうだね」とにこっとして遊び続けました。

 

今までは水を入れた途端に、見ているだけになったA君。

べちょべちょの感触を味わい楽しみ、そして、塊になっていく過程を先頭きって、こねこねしている姿がありました。

「すごいぞ!A君。頼んだよ!」その声掛けにますますやる気沸騰です!

粘土が出来上がると、それぞれ自由遊びです。

足で踏んでフミフミ~

♪足裏の感触も楽しみながら粘土を伸ばします。

見て!お相撲さんのまわし!(すごい発想☆笑)

見て!のびたよ!びよ~ん♪

 

小麦粉粘土遊びは

粉から塊になるまで、いろんな感触があり

それを手指で触ることにより、感触や力加減を調整しながら遊びに没頭します。

 

粘土からお相撲さんのまわしまで想像してつくってしまう子どもたち!

感触体験とともに、創造性を育み、またひとまわり成長した子どもたちの様子。

べちょべちょの感触が苦手だったA君が、チームのリーダーのような動きをして率先して粘土をこねたこと。

「今日A君すごかったね!」の声掛けに満面の笑み!

自己肯定感も高まったのではないかと思います。

 

その後、こども園でのびっくり出来事!

A君はこども園で全く着用しようとしなかった体操服を着ることが出来ました。

A君の心の変化が見られた嬉しい報告でした。

そんなA君の成長に職員一同ほっこりしたひと時でした。

 

まふぃん錦ヶ丘 有川(アリー)

調べる ~氷~

連日35度超えの猛暑が続きます。

皆様お元気ですか。

そろそろ、夏休みの課題に手を付けたほうがよさそうな・・・特に自由研究!!

自分自身もどうしようか、と悩んだのを思い出します。

 

今日は8月初めにした“水の実験”の様子をご紹介します。

 

1Lのパックの中にみずを入れて凍らせたものを子どもたちに見せました。

「なんだろう!?」

手を近づけると、ひんやり~

「氷だ!!」

「今日はこれで何かしたいんだけど・・・何ができるかな」

まずは、興味を持ってくれたようです。

 

子どもたちからは、いろいろな意見が出てきました。

・かき氷を作りたい!

・削って“竜”を作りたい!

・氷が溶けるのを調べたい!

・氷で冷蔵庫を作ってみたい!

面白いですね!子どもたちの発想にはびっくり!!感動します♪

どれもやってみたいのですが・・・皆で話し合って、“氷の溶け方”調べをすることになりました。

 

この活動を取り入れたのは、単に夏だから、面白そうだから、子どもが喜びそうだから、ではありません。

氷が溶けていくことを観察することを通して

・じっくり一つのものを見る力(観察力・集中力)

・グループで話し合い意見をまとめる力(コミュニケーション力)

を育てることをねらいにしています。

 

自分たちで氷を置く場所、調べる役割分担を決めて観察スタート!です。

理科の実験を経験している4年生以上の子どもたちが中心になって動いていました。

溶ける様子を5分ごとに見ていきます。

砂場に置いたAチームのO君。

 

好奇心旺盛で思ったことを何でも話してくれる元気なお子さんです。

ただ、一つのことをずっと観察するのはちょっと苦手です。

 

10分たった頃から、「暑いです」「部屋に入ってもいいですか」と言い始めました。

テントの下で日陰もあるのですが、O君にとっては氷の観察どころではなく、暑さとの闘いになってしまいました。

 

このまま、暑い暑い、と訴えて調べるのをやめるのか・・・

 

と思っていましたが、氷が溶けた量を調べるために、氷を手で支える役割を見つけたのです。

「うおー、氷って冷たい!痛いんだね」と汗を流しながら、30分の観察に最後まで参加することができました。

O君にとっては、グループの一員として最後まで参加する経験でした。

また、普段の活動ではあまり意見を言わないHさんが、積極的に溶けた氷の量を測ったり、最後まで粘り強く観察する姿を見ることができました。

新たな発見でした。

 

「氷が溶けるまでどれくらいかかると思う?」の問いに「10分、1時間」と予測していましたが、結果はみんな大外れ・・だから、実験は面白いですね。

溶ける前と溶けた後の氷の違いを比べて、水の実験は終了となりました。

 

・じっくり一つのものを見る力(観察力・集中力)

・グループで話し合い意見をまとめる力(コミュニケーション力)

は、育まれたのか。

 

今回の活動では、話し合う場面を設けましたが、下級生にとっては難しかったようです。

職員がそばで見守り助言をすることで話し合いに参加したり意見をまとめることができていました。

観察の場面では上級生の力が発揮されました。

 

「こうしたほうがいいんじゃない?」

 

と意見を出したり、「もう時間だよ」と役割を教えたり。グループ活動は、コミュニケーション力を育てる力につながると思いました。

まふぃんで経験したことが、学校の理科や校外学習での見通しになったり、自分で興味を持ったことを調べたりする力の土台になり役に立ってほしいと願っています。

 

夏休みも残り2週間になりました。

子どもたちと共に充実した時間をすごす、子どもたちの社会性を伸ばす、ことを常に考えながら子どもたちと関わっていきます。

子どもたちも私たちも成長を実感できる夏休みにしたいです。

 

まふぃん上之園 末吉

 

こども園でお手伝い①(錦ヶ丘)

夏休みも半分が過ぎました。

今年の夏休みはいつもより短いこともあり、時間が早く感じます。

 

本日は以前行った活動の内容を全2回に分けてお伝えしたいと思います。

まふぃんでは、隣接している『認定こども園 錦ヶ丘(昨年まで錦ヶ丘幼稚園)』の園庭を利用して、広い園庭で遊んだりシートを広げて昼食やおやつを食べることがあります。

 

卒園児も多く在籍していることもあり、通りがかった先生方から「○○君、すっかり小学生になったね」といったように声をかけてもらうこともあるんですよ。

 

今回、こんな先生方の声を聞いて卒園児の子を中心としたお手伝い隊を結成し、

『小学生になって成長した姿を見てもらおう』

という計画を立てました。

 

 

事前に子ども達全員で『お手伝いをするにあたって何を聞けばいいのか』を話し合います。

まふぃんでは、自分の意見を発表する場を作り、なるべく自分達で意見や結論を出してもらえるように話し合いの場を多く設けています。

自分達で話し合って結論を出し決定することで、より一層やる気や意欲が高まり、責任感を持ってやってくれるようになります。

また、相手の話を最後まで聞く、言葉を選んで分かりやすいように伝えるなど、『言葉による伝え合い』を繰り返し行っていくことで『相手の気持ちに気づく・イメージを共有する』ことにも繋がっていきます。

 

 

話し合いでは、日にちだけは事前に設定しているものの、お手伝いの内容や時間はなにも決まっていないことを伝えました。

 

その上で

「どんなことを聞けばいいかな?」

と職員が投げかけてみると

「何時からするのか」

「何をすればいいのか」

「使っていいものはあるのか」

などの意見が出ました。

 

出してもらった意見を基に、事前に代表の子に電話で確認をしてもらったのですが、ここでハプニング発生!

 

予定では、まず電話連絡で

①お手伝いのことを聞きに、「今から職員室に直接伺ってもいいか」を聞いてもらいます。

アポがとれたら職員室に出向き

②「担当の先生がどこにいるか」を聞いた上で

③担当の先生に質問をさせてもらう

流れだったのですが、①の時点でそのまま園内の内線で担当の先生まで繋いでもらえることに…

 

予定外のことに戸惑いの表情を見せるA君!

しかし、すぐに気持ちを切り替え、事前に決めた内容に沿って質問をしていき、無事に聞きたい内容を聞くことができました

普段から話し合いなどでも積極的に発言をしてくれるA君ですが、まふぃんの職員や友達以外の人が相手でも丁寧な言葉遣いをしたり突然の出来事に対して上手く対応したりする力がついているということに気づきました。

日頃の話し合いを通して、自分の意見を相手に伝える、相手の意見を聞いて考える練習をしていたA君。

素晴らしい成長を感じることができ、とても嬉しい瞬間でした。

 

今の子ども達は面と向かって大人と話をする機会が以前と比べだいぶ減ってきているような気がします。

この様に電話で大人と話をし、計画を実行していくことで本人の自信にも繋がります。

以前、私が勤務していたまふぃん上之園でも同じような出来事がありました。

その際は

「交通局に電話をして○○から○○までの市電運賃を聞こう」

という内容でしたが、全く知らない見ず知らずの大人と話をし、

・しっかりと運賃を聞けたこと

・まふぃんの子ども代表として自分の役割を担い実行できたこと

が本人の自己肯定感に繋がりその後の発言や行動の変化に大きく影響していったと思っています。

 

大人にとってはなんの変哲もない出来事ですが

小さなきっかけで子ども達は飛躍的に変化していくことを改めた実感した出来事でした。

 

 

さて、まふぃん錦ヶ丘のA君はというと・・・

最後は「お忙しい中、ありがとうございました」とまで伝え、冷静に対応する姿に感心しました。

無事、電話での聞き取りが終わると、その場にいたB君からも「すごい!!」と大きな拍手をもらいましたよ。

 

 

その次は、いよいよこども園に行ってのお手伝いです。

成長した子ども達の姿を見て、先生方が「さすが小学生!」と驚く姿を思い描きつつ…

それぞれ自分に任されるお手伝いを頑張ってもらいますね。

その様子も今週中にお伝えしますのでお楽しみに。

 

保育士 今屋

願いをのせて!

願いをのせて!

 

暑い毎日が続きますが、8月7日は『立秋』でした。暦の上では秋ですね。

夏本番ですが、季節の変化を感じる瞬間があるかも?しれないですね。

暑さの中にある『秋』を感じる気持ちのゆとりを持ちたいものです

 

8月に入ってすぐの放課後等デイサービス。

「8月7日何の日か知っている」と子ども達に問いかけてみました。

殆どの子ども達が「分からない」言っていましたが、一人の子が答えてくれました。

「七夕」と。

今は7月に七夕を作る事が一般的になってきましたが、以前は8月に作り飾る家庭が多くありました。

 

理由として。

・7月は梅雨明けをしておらず、星を見られない事。

・8月はお盆もあり、ご先祖様を迎える準備する為

と言われていました。

田舎では、8月7日から縁側に提灯を下げてご先祖様を迎える準備をしていました。

ついでに7日からは、ご先祖様が〝とんぼ〞に乗って帰って来るから捕まえたらいけないよ。と言われていた記憶があります。(私だけかな?)

7月に七夕を作り玄関に飾った子ども達。

例年はナガヤタワーの住人さんと交流を行いながら作るのですが、新型コロナウイルスの影響もあり交流を行う事が出来ませんでした。

「ナガヤの住人さんと一緒に作らないの?」

と聞いてくる子ども達。

 

何か交流出来ないかな?

子ども達に聞いてみると

「お手紙書きたい」「もう一回七夕飾りを作る?」と意見が出てきました。

そこで、8月7日の七夕を前に短冊にお願い事を書いてもらおうという事になりました。

 

書いてもらった短冊をどうやって飾ろうか?

子ども達が意見を出し合います。

「ポスターみたいにして貼ればいいんじゃない」

「短冊に星を貼ったらいいかも」「色画用紙に笹を描けばいいよ」と

今までの経験から、いろいろな意見が出てきました。

 

それでは、準備スタート!!

 

色紙で星を作るグループ、色画用紙に笹を描くグループ。それぞれグループに分かれて作り始めます。

笹を描くグループは、7月に使った笹を思い出したり、iPadで調べながら本物の笹に見えるように細かい所まで描こうと一生懸命。

「そんなに細かくなくても大丈夫だよ」と思わず声を掛けてしまいました。

すると「細かい所まで描いた方が笹に見えるかなと思って」と返事が返ってきました。

子ども達の相手を思う優しい気持ちに嬉しくなりました。

星グループはどうかな?

色紙を3枚一組にして重ね星を作ります。分からない時には

「どうすればいいの?」と子ども同士で教え合う姿がありました。

今までは分からないと、近くにいる職員に「どうするの?」聞くことが多かったのですが、最近は子ども同士で〝聞いたり、教え合う姿〞が見られるようになってきました。

その中で、子ども達は

〝相手の良さや得意な事に気が付いたり〞教える事が出来た〝自信〞に繋がっていきます。

子ども達が作った星のついた短冊。

「お願い事書いてくれるかな?」「沢山書いてもらえるといいな」と、ちょっぴり不安そう。

ナガヤのエレベーター近くに置き書いてもらう事にしました。

 

子ども達のお願い叶いますように・・・

 

さて、翌日見に行くと色画用紙に沢山の短冊が貼られていました。

それを見た子ども達は「良かった」と、とても嬉しそうでした。

沢山の願い事を乗せた短冊。

ナガヤタワーの道路側と、隣接するメディカルハウスの駐車場にしばらく掲示をしました。

いつもは、お喋りをしながら〝目に見える交流〞を行ってきました。

近くにいらっしゃるから〝いつでも交流出来る〞と少しずつ当たり前になっていたのかもしれません。

今回〝目に見えない〞形での交流となり気が付いたこと。

それは・・・

ナガヤタワーの住人さんとの交流が子ども達にとっても、私たち職員にとっても

なくてはならない大切なものになっている事。

当たり前でないんだよという『大切な事』に気づかされた出来事でした。

子ども達の「何か寂しいね」の言葉に職員も同じ気持ちでした。

 

七夕は過ぎてしまいましたが、願いを込めて・・

『早く交流出来る日が来ますように』

 

 

まふぃん上之園

寺田

 

いっしょの場所でお絵かき

梅雨が明けて、本格的に暑さが厳しきなってきました。

水分補給をこまめに取りながら暑さを乗り切っていきたいと思います。

 

今回は、年少児以下の活動の中で子どもに変化があったことをお伝えします。

年少児以下のクラスの段ボール遊びや運動遊びでは、自由遊びのような形で活動を行うことが多くあります。社会性の第一歩として、友達の存在に気づいたり、距離が近くなることで様々なやりとりを行うことをねらいとしています。

お友達と一緒に箱に入って電車ごっこをする子や
自分が入りたいから出てと相手に伝えようとやきもきする子

反応はそれぞれですが、一人ひとりの嬉しい気持ちや怒った気持ちを友達に伝えようとする姿を大切にしています。
そんな中で、このような自由遊びの活動になると、どうしていいのか分からず、友達とも少し距離を置いて一人で遊びがちな子がいました。

 

A君は、段ボールに入っても、友達が来るとすぐに出て行ってしまいます。
『段ボール積み』など、ルールがあり、どのようにして遊ぶのかが分かると楽しく遊べるのですが、物を友達と共有しながらの自由あそびになると、なかなか遊べません。
職員同士でもどうしたら友達とのやりとりに繋がるのか、、ということを考えていました。

そんな中、今回の活動はおえかきあそびです。
手指を十分に動かして遊ぶこと。物と場所の共有をねらいとしました。

今回の活動では、初めは模造紙にクレヨンで絵を描き、そこから段ボールに描いていく流れです。

活動前の職員での打ち合わせの中で、段ボールにみんなでお絵かきをする時に、A君が友達と一緒に段ボールの中に入れたらいいね。という話になりました。

自由遊びだと入れないけど、まずはこのような活動の中で友達との距離を近くしていけないかと思ったのです。
今回は、Aくんのねらいとして、友達と段ボールの中に入って絵を描く。という事を決めました。
声かけや、対応なども打ち合わせして、実際に活動に入りました。

始めは模造紙でのお絵かきです。

使うのは1本ずつ。という約束をして、クレヨンを1ケースのみ渡します。
2本取ってしまう子には、「1本ずつ。」と声掛けをして一緒にケースに戻してあげます。

顔が描けるようになった子や、色が分かるようになってきた子。
お絵かきの中でもたくさんできることが増えてきています。

さっ、ついに段ボールの登場。
大きな段ボールが出てくると、みんなびっくり!
これに描いていいの?と言わんばかりにワクワクした表情で見ています。

A君も背筋を伸ばしていい姿勢で待っています。

「最後に、この段ボールにみんなでお絵かきしてみようか。じゃあ、かっこよく座っていたAくん、Bくん、段ボールの中に入って描いていいよ!」

と伝えると、他の職員も
「お、やっぱり、かっこいいと思ってたんだ!」
と声をかけてくれます。

呼ばれた二人は
すこし照れているような、誇らしそうな顔を浮かべながら前に出てきました。
入れるかな~?とドキドキして見守っていましたが、いつもは友達と一緒に狭いところにいる時間が短いA君も、今日はB君と一緒に箱の中でじっくりとお絵かきすることが出来ました。

皆の中で選ばれた嬉しさもあり、

狭い場所で今日は「お絵描き」とやる事がしっかり分かっていたから

最後まで遊ぶ事ができたのだと思います。

 

 

しばらくして、もう一人段ボールの中に入り、3人でのお絵描きです。

この時も、出ようとすることはなく、箱の中でクレヨンを交換しあったり、段ボールの外から描いているお友達と

段ボールの中から同じ場所に手を伸ばして塗りつぶしたりして

たくさんお絵描きを楽しむことが出来ました。

段ボールにはたくさんの線やグルグル、アンパンマンなどがぎっしりと描かれました。

最後に、さっき描いた丸と四角と三角の模造紙を張り付けて、窓にしてお家に大変身。

子ども達もいつの間にか作っていたお家を見て、びっくりしています。

ここはだれが塗ったのかな?

「○○君と△△君と僕。」「僕と○○君。」一緒に塗った所を指さして嬉しそうです。

これからも少しずつ友達とのやり取りを増やして、自分の気持ちを伝えたり、お話の楽しさを感じる事の出来るよう、様々な活動を考えていきたいと思います。

 

まふぃん錦ヶ丘 岡田

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